飲酒はNGだけどウイスキーボンボンならセーフって風潮ほんとすこ。
見た目飴ちゃんだし間違えて食べても仕方ないよねって言い訳できるし酔った幸子ちゃん堪能できるしこりゃ幸子ちゃんに食べさせるしかねえな!って思いついた話をするね。
ウイスキーボンボンを幸子ちゃんに食べさせたいぼくは頭がいいから狡猾かつ戦術的な思考からこんな作戦を思いついたわけ↓
- 幸子ちゃんが家に来る日にお茶菓子としてチョコレートでコーティングしてるタイプのウイスキーボンボンを振る舞う
- ついでに紅茶にもブランデーを垂らす
- 幸子ちゃんの身体が火照りだす
- ぼくが鎮めてあげる
- ♪
この完璧かつ理知的な作戦で幸子ちゃんをエロエロのエロにしてやろうと準備したわけよ。
作戦決行当日、幸子ちゃんを家でお迎えしてお茶しながら夏休みの宿題のお手伝いをしてたのね。
夕方頃に一区切りついたところで休憩にしようかという空気になった時に、作戦の実行を決意したわけよ。
紅茶を淹れて、ブランデーを数滴。
冷蔵庫からウイスキーボンボンを取り出してさあ幸子ちゃんに……ってところで、ぼくの手が止まった。
本当にこんなことをしていいのだろうか?
ぼくの中の熾天使が咎め始めた。
こんな卑劣な手を使って幸子ちゃんの身体を穢してしまったら、ぼくは熾天使に戻れない。バレなければ良いというわけではない。ぼくの中に罪の意識が残ってしまえば、それはやがて幸子ちゃんとの間にしこりとなってぼくを責め続けるだろう。
ダメだ、幸子ちゃんを裏切れない。
ぼくはブランデー入りの紅茶を咄嗟にシンクに流し、ウイスキーボンボンを冷蔵庫に戻してから普通の紅茶を淹れ直した。
2回も紅茶を淹れてたらそりゃ時間かかるわけで、幸子ちゃんに遅いですって怒られたけど、言い訳もできないから平謝りしたのよ。
そんなこんなしてたら夜近くなって、幸子ちゃんを帰す準備をするために席をまた外したのね。
戻ってきて幸子ちゃんに送る準備ができたよと伝えたら、最後にぼくの飲み残しの紅茶を飲み切るよう言われたのよ。
なんでだろう?って思ったけどすっかり冷めちゃってたしグイッと飲んで、宿題の残りを手伝ってたら、なんだかウトウトしてきちゃったのよ。このまま車に乗ってもヤバイなあと思ったから、悪いけどちょっと仮眠取るって言ってソファに横になって一眠りすることにしたんですわ。
ーーーーーー
台所に立ち寄ったとき、微かにアルコールが混じった芳醇な香りが漂ってきました。
いつか、パパとママが飲んでいたお酒のようなウットリとする匂いは、まるで香水を思わせる淫靡さを纏っていました。
その匂いに紅茶の香りが乗っていることに気づいたボクは、まさかと思って唇に残っていた紅茶の雫を舐めとりましたが、そんな匂いは混じっていません。
匂いの源を辿ると、シンクに辿り着きました。ふじえるさんはこの紅茶をボクに出す前に流して新しく淹れ直したのでしょうか?
そして冷蔵庫には、高級そうなチョコレートと高価そうな酒瓶があります。
いつもなら珍しいお菓子とあらば真っ先にボクに振る舞うふじえるさんが何故今日は出さなかったのでしょうか。
チョコレートの中身を割ってみると、中からドロリとした黄金色の液体が溢れ出しました。液体からはアルコールの匂いが漂って来ます。
……フフーン。さてはふじえるさん、ボクを酔わせて襲おうとして、すんでのところで止めたんですね。やっぱりふじえるさんは根性なしですねえ。
でも、ボクにバレたら意味無いんですよ?
いたいけなボクを襲おうとしたふじえるさんにはお仕置きです。
ふじえるさんの紅茶には、このお酒を混ぜて飲ませてあげましょう。自分の身で、ふじえるさんがやろうとしたことを味わってください。
ーーーーーー
暗闇の中で声が聞こえる。
これは現実なのか、夢なのか。
横になっているぼくの上に、何かがのしかかっているような、そんな感触がする。
ああ、でも、眠いーー
なんだかお腹の上で温かいものが乗っかって動いている、ようなーー
眠いーー
お腹の辺りがジーンとするーー
眠いーー
再び眠りに落ちる前、幻聴のような声が聞こえたーー
「ふじえるさんが悪いんですからね、責任を取ってください」
ーーーーーー
起きたぼくが時計を見たら22時って出てたからめっちゃビビった。やべえ、19時には幸子ちゃん帰すつもりがめっちゃ過ぎてるやん。
幸子ちゃんはどうしたんだろうって起きたら幸子ちゃんがこっち見てるわけよ。
ぼくが起きるの待ってたんだと思って幸子ちゃんに謝ったんだけど、なんかぼくの顔見たり見なかったり、視線逸らしたりとなんか気まずい感じなのよ。そりゃそうか、散々送るって言ったのに寝落ちしちゃってこんな時間だもんな。
帰り際に幸子ちゃんが、「ふじえるさん、何も覚えてないですよね?」って聞いてきたけど寝てたから何も知らないし覚えてないって言ったら、何故か幸子ちゃんが複雑そうな表情を見せたのが不思議でした。
最終更新:2017年07月23日 08:41