幸子ちゃんのアレがああなってこうなる話

  …その昔、輿水幸子ちゃん男の娘説が一部で囁かれていたそうだ。

 ボクという一人称、ショートヘア、あざといカワイさ……どこか中性的な印象を受けるのはなんら不思議なことではない。
 だが、それだけで輿水幸子というアイドルを男の娘と判断するのはやや早計ではなかろうか。

 …もし、輿水幸子が女の子でないとしたら。
 そして、男の娘でもないとしたら。

 これは、とあるふじえるが遭遇した、輿水幸子の怪奇譚である……

〜〜〜〜〜〜

いやあ、パリピ幸子ちゃん、いつ見てもカワイイよねえ。カワイイのにセクシーで、ぼくのデレステ棒がイリュージョニスタしちゃうよ。

ぼくはふじえる。今日のライブを幸子ちゃんと共に大成功に収め、夜の事務所で1人残作業の消化に追われていた。

残業は疲れるけど、今日のライブの余韻が疲れを忘れさせてくれる。それに明日は日曜日だし、家でゴロゴロゆっくりしようかな♡
と思ってた時だったんだ。

ガチャリ

事務所に、幸子ちゃんが入ってきた。

忘れ物でも取りに来たのかな?と疑問に思いつつ、挨拶を交わす。


「遅くまでお疲れ様です、ふじえるさん」

「ああ、お疲れ。幸子ちゃんどうしたの?忘れ物?」

「いえ……いえ、そうですね。ちょっとした、忘れ物です」

「なにもこんな夜遅くにわざわざ来なくてもいいのに。明日じゃあダメだったの」

「その…忘れ物というか、今日どうしてもふじえるさんに聞いておきたかったことがあったので」


幸子ちゃんが聞きたいことなんだろう?ラインではダメだったのかな?疑問が続く。


「ふじえるさん、今日のライブ覚えていますか?」

「もちろん!イリュージョニスタになぞらえて、幸子ちゃんが男装したマジシャン姿でキメたマジックの演出、カッコカワイかったよ」

「フフーン、当然です!……実はそれに関連することなのですが」


そう言いながら、幸子ちゃんは自分のスマホを取り出す。


「この話、ふじえるさんは知っていますか?」


幸子ちゃんが見せたスマホの画面には、「輿水幸子男の娘説」という見出しが書かれていた。

輿水幸子男の娘説ーー
輿水幸子ちゃんがデビューした当初、巷で密かに囁かれていた話だが、明確な根拠も無くすぐに廃れた説である。

担当アイドルのファンを調査する過程で当然耳にしたことはあるのだが、所詮はただのデマだと笑い飛ばしたのを思い出した。


「ハハッ、そういえばそんなデマも出たことがあったね。まだその頃はファンも幸子ちゃんのことをよく知らなかったからねぇ」

「全く、失礼にもほどがありますよ。こんなにカワイイボクが男だなんて…」

「まあ、そんなガセネタにいちいち目くじら立ててたら身がもたないよ。もうみんなとっくに忘れてる話だし、今日はライブの成功に浸ってゆっくり休みなさい」

「ふじえるさんはこの話を信じたことありますか?」


まさかぼくが幸子ちゃんを疑ってるか心配したのかな?そう思うと笑えてきて、プッと吹き出してしまう。


「まっさか!そんな根も葉もない噂に翻弄されるほど馬鹿じゃないよ」

「ふーん、そうですか……」


ここで実は信じてた、とか嘘をついたらどうなるだろうか。動揺する幸子ちゃんを見るのもいいなと思ってからかおうと思いついた頃だった。


「でも、ボクが女の子だって根拠もありませんよね?」


虚を突かれ、ビクッと動揺してしまった。
まさか?と一瞬考えてしまうが、すぐに思い直す。


「……いやいやいやいや。何を言ってるんだ幸子ちゃん。どこからどう見ても、幸子ちゃんはカワイイ女の子じゃないか」

「証拠はどこにあるんですか?」

「証拠もなにも、これまで過ごしてきたんだからわかって当然だろ」

「……決定的な証拠を見てもいないのに、ですか?」


まずい。話の流れが怪しくなってきた。
慌てて話題を逸らそうとする。


「見るもなにも……そうだ!幸子ちゃんこの間輝子ちゃんと小梅ちゃんとお泊まりしただろ?一緒にお風呂入ったって言ってたし、当然女の子」

「でもふじえるさんは見てませんよね?」


ダメだ、話を戻される。


「ふふーん。ふじえるさん、あーだこーだ言っても、結局はボクが女の子だって証拠は知らないじゃないですか。言ってしまえばふじえるさんのそれも所詮は思い込み。根も葉もありません」


まるでぼくが幸子ちゃんを信じていないとでも言うような口調に、苛立ちを覚える。


「ぼくが幸子ちゃんを信じてないとでも言いたいのか…?」


声に怒気が孕む。


「いえ、そんなつもりはありませんよ、ただ」


幸子ちゃんはガバッとスカートをめくり、ぼくに見せつけてきた。


「……ボクのこれ、ふじえるさんは見たことないですよね?」


そこには、女の子にあるべきでないモノが、激しく主張していた。


「幸子、ちゃん………!?」


狼狽えるぼくに向かって幸子ちゃんはじりじりと近寄る。


「ふふーん、その様子だと本当にボクのこと……カワイイですねぇ」

「幸子ちゃん!?これは一体…」

「分からないんですか?ふじえるさんと同じモノですよ?」

「いや、だから何故…」

「分 か ら な い ん で す か?」


幸子ちゃんがぼくを組み伏せ、うつ伏せにぼくを倒す。ぼくと幸子ちゃんとの体格差がウソの様に、ぼくは簡単に押し倒された。


「そんな、幸子ちゃん、なにをする気だ…」

「ここまで来たら、することは一つですよね?」

「……まさか、そんな。やだ、やめろ……」

「もう遅いですよふじえるさん。大人しくボクにやられちゃってください」

「イヤ……ダメ……いっ、」
「うっぐぅ、あっ………はっ………」
「ああっ、あっ、はあっ、」
「ああああああああああああああああ!!!!!」

〜〜〜〜〜〜

「うわああああああああああああ!!!!!!!」


ぼくは飛び跳ねる様にベッドから飛び出た。

恐ろしい悪夢を見た、まさか幸子ちゃんにあんな……思い出すだけで体が震え出す。

時計を確認すると、今日は幸子ちゃんのライブ本番の日だった。本番を今日に控えた緊張からあんな悪夢を見てしまったのだろうか……?

ともかくこんな夢は忘れよう。今日はライブだ。ライブの成功だけを考えるんだ……

〜〜〜〜〜〜

ライブは無事大成功に終わり、ぼくは事務所で1人残作業の消化に追われていた。

静かな事務所で作業に耽ると、今日のライブの感動がじわじわと思い出されていく。
イリュージョニスタ、華麗なマジック、幸子ちゃんの男装姿……

「大人しくボクにやられちゃってください」

「うわあっ!」


勢いで今朝の悪夢も思い出してしまった。
危ない危ない、これは記憶から早く抹消しなければ……

ガチャリ


「ふじえるさん、いますか?」


突然の幸子ちゃんの来訪に、まるで電流が走った様に身体が震えた。
なんてタイミングで来るんだ幸子ちゃん。よりにもよって……


「幸子ちゃん……忘れ物でもした?」

「そうですね……ちょっとした忘れ物です」

「今日はもう遅いし、すぐ送ってあげるからまた明日おいでよ」

「いえ、すぐ済みます。ねえふじえるさん、これ知ってますか?」


幸子ちゃんがスマホを取り出す。

そこには「輿水幸子男の娘説」という見出しが書かれていた。

今朝の悪夢がフラッシュバックする。


「いやっ!!知らないっ!!!そんなわけがないっっ!!!」


ぼくは恐怖から反射的に目を逸らした。

まさか、そんなわけがない。

これではまるで、夢の通りではないか。


「……フーン……」


スマホをカバンにしまった幸子ちゃんは無言でぼくの背後に近寄る。


「ふじえるさん、そんなに怯えてどうしたんですか?どうして怖がってるんですか?もしかして……」

「ボクのコレのこと、知ってたんですか?」


硬い感触が、ぼくの脚に貼りついた。


「ふじえるさん、目を逸らしても無駄ですよ」
「ボクのが当たるたび、ふじえるさんはまるで子鹿の様にプルプルと震えますねぇ」
「ボクの気の済むまで、付き合ってもらいますからね」

「やめろ……嘘だ……これは夢、覚めろ、早く覚めろ、覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!嫌だ、嫌…やめ」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

〜〜〜〜〜〜

「いやだああああああかあ!!!!!」


汗まみれの体で布団を蹴飛ばし、ぼくは目覚めた。

なんて酷い夢だ。悪夢をそのまま再現させられる夢なんて悪質にも程がある。
きっと俺はライブに疲れてしまったんだな、今は何時だろうか、時計を眺めた瞬間、ぼくの背筋が凍りついた。

今日は、ライブ本番当日だった。

〜〜〜〜〜〜

「……え?幸子ちゃんの身体に、傷がなかったか……?」


ライブ本番の控え室で、ぼくは輝子に尋ねた。


「ああ、最近幸子ちゃんの様子がおかしい気がするんだ。全然ぼくに肌を見せてくれないから、もしかして見せられない傷とかできてるんじゃないかって」

「それは、ふじえるさんがいつもちょっかいをかけてるからでは……?」

「いや!ぼくにはわかる!!絶対変だ!!だからこないだ輝子ちゃん家で一緒にお風呂入った時の様子を聞かせてほしい」

「お、おおう……いつにも増してキモいな、ふじえるさん……」


もちろんこれはただの方便。
この質問の真の意図は、「幸子ちゃんが女の子だという証拠」の確保だ。
この悪夢から抜け出すため、自然と言葉に熱が入る。


「確かにこんなこと聞くのは気持ち悪いしセクハラ紛いの行為だろう……だけど!いくらぼくがプロデューサーだからって話しづらい事はあるはずなんだ。もしそれが、最近の幸子ちゃんの様子の原因だとしたら……」

「ふじえるさん……」

「いつも幸子ちゃんにイタズラばかりしてるけど、心配してるのも本当なんだ……だから教えてくれないか」

「……分かった。だけど、特にキズなんて見当たらなかった気が、する…」

「本当か!?」

「あ、ああ……そこまでジロジロ見てたわけじゃないけど」

「本当に普通の女の子の体だったんだな!!?」

「うん……言い回しが気持ち悪いけど、幸子ちゃんの体には何もなかったぞ……あ、あと」

「あと、なんだ?」

「……胸が、私より大きかった……」


シコった

〜〜〜〜〜〜

「え?シャワーを浴びる時に幸子ちゃんの様子を探ってほしい?」


ぼくは続けて、美波にも頼み込んだ。


「ああ、最近幸子ちゃんがぼくに対して必要以上に肌を隠してる様な気がして、もしかして隠したい傷でもあるんじゃないかと思ってな……」

「うーん、もしかしてふじえるさんがちょっかいをかけすぎたからじゃないですか?」

「なんでみんなぼくを疑う所から始めるんだ!」

「それで、幸子ちゃんのシャワー中に体を……それってデリケートな話題かもしれないし良くないと思います」

「それは重々承知の上なんだ。だけど、もし誰にも言えずに幸子ちゃんが抱え込んでしまったらと思うと心配で……幸子ちゃん、強がっちゃうから」

「ふじえるさん……分かりました!」


もちろんこれも方便だ。
この狙いは「ライブ直後の幸子ちゃんの状態の確認」だ。
ぼくが女子更衣室を覗くのも手かもしれないが、そこで幸子ちゃんと2人きりになった時を考えると、無闇にぼくが突っ込むのは得策ではない。

ぼくは美波に全てを託して、ライブの準備に戻った。

〜〜〜〜〜〜

「ふじえるさん、幸子ちゃんの身体には特にキズはありませんでした」


美波から証拠を得たぼくは、3回目の事務所の夜を過ごす。

ガチャリ


「お疲れ様です、ふじえるさん」


幸子ちゃんが入ってきた。
ぼくは無言で幸子ちゃんの目の前に立ちはだかった。


「な、なんですかふじえるさん……」


ぼくは無言を貫き通す。
無言で幸子ちゃんを睨むぼくの様子に、幸子ちゃんは狼狽えている様子だ、カワイイ。


「ふじえるさん、通してください。ボクは忘れ物をーー」


言いかけるや否や、ぼくは幸子ちゃんの股間に手を伸ばした。

むぎゅり

ああ、やっぱりあるんだなーー


「……ふじえるさん?」
「もしかして、ボクのこと知ってたんですか?」
「だったら忘れ物も……いえ、もういいですね」
「ふじえるさん、ボクが満足するまで相手してくださいね」

………………
………

〜〜〜〜〜〜

迎えた4度目のライブ本番。

輝子と美波から証言を得た後、ぼくたちはライブの成功を祝って事務所内で簡単な打ち上げパーティをしていた。

今回のライブも大成功に終わり、各々満足そうな表情を浮かべている。
特に幸子ちゃんのマジシャン姿でのイリュージョン演出は圧巻だった。

ぼくもこのライブの成功は既に4回も見届けているが、何度見ても感動が色褪せる事はない。


(もちろん、3回の恐怖も色褪せてくれないんだけどな……)


そうひとりごちながら、コーラをあおる。


「それじゃあ今回のMVPから一言コメントをいただきましょうー!ほら立って、さっちー!」


未央がいきなり幸子ちゃんにコメントを振ってきた。幸子ちゃんの焦った反応から察するに、なんの打ち合わせもしてないただの無茶振りだということが窺える。幸子ちゃんは勢い良く立ったものの


「えっ、えーっと………フフーン!流石はボク!何をやっても様になりますねえ…………えーっと…」


既にコメントがグダりはじめてきた。

しかし、今いるメンバーは全て幸子ちゃんに目線が集中している。


実は、幸子ちゃんにコメントを求めるよう未央に話を振ったのは、他でもないぼくなのだ。

誰もが目線を幸子ちゃんに集中させれば、あの"仕込み"を使えるはずだからーー


「あっ、幸子ちゃん。糸がほつれてるよ」

「えっ、ああ、ありがとうございます」


ぼくは幸子ちゃんのスカートのほつれた糸をつまむ。
このほつれた糸こそが、ぼくの作った"仕込み"だ。
幸子ちゃんがステージ衣装でライブステージに立っている間、楽屋裏でこっそり幸子ちゃんの服に細工をしていたのだ。

そして今、その細工を使う時だろう。

(ごめん、幸子ちゃん……)

一瞬の懺悔の後、ぼくはつまんだ糸をそのまま勢いよく引き抜いた。

糸はスルリと滑らかに布地から引き抜かれ、

はらり

すとん


幸子ちゃんの腰から、2枚の布が落ちた。

スカートだったものと、パンツだったもの。


「ふえ…?」


一瞬の硬直の後、徐々に赤面し始めた幸子ちゃんはついに


「ふぎゃーーーーーーー!!!!!」


噴火を起こした。


ぼくに詰め寄る幸子ちゃん、怒る周りのアイドル、ぼくはただひたすら土下座を繰り返した。事務所の床を10センチは掘ったのかというくらい頭を擦り付け、土下座に徹した。


だけどこれでよかったのだ。


なぜかぼくだけが観測すると幸子ちゃんに生えてしまうのか。そのカラクリは解明出来なかったが、ある法則を見つけた。

"他のアイドル越しの証言では幸子ちゃんは生えていない"
"ぼくが2人きりで初めて幸子ちゃんを視認することで、アレの存在が確定する"
"ぼくと2人きりになった幸子ちゃんはぼくに襲いかかる"

つくづく奇怪であるが、ぼくはここでこの条件たちをぶつけ合うことにした。

ーーもし「他のアイドル」と一緒に「幸子ちゃんの下腹部を視認」するとどうなるだろうか。

そしてその結果は


「ふじえるさん!!"女の子"になんてことをするんですか!!!」


どうやら成功だったようだーー

〜〜〜〜〜〜

あの事件から数日が経ち、ようやく幸子ちゃんも機嫌を直してくれた。

今日もぼくは1人、夜の事務所で作業に追われている。

今日も疲れたなあ、明日は家でゴロゴロしよう。それとも家でたまにはお菓子でも作ろうかな、なんて考え事をしていると

ガチャリ

事務所のドアが開いた。

誰だろう、ドアに目を向けると。


「お疲れ様です、ふじえるさん」


幸子ちゃんが立っていた。

そのまま慣れた足取りでぼくに近づく幸子ちゃんにこの間の出来事を思い出して身構えるが、あの時幸子ちゃんの性別は確かに確認した筈だと怯える気を鎮める。


「どうしたん、幸子ちゃん」

「ふじえるさん、ひとつお話があって相談に来ました。えっと、その……」


言いづらいことなのか、幸子ちゃんの態度が今ひとつ煮え切らない。

でもまあ、幸子ちゃんが言い出すまで待ってあげようと黙っておく。

やがて幸子ちゃんは意を決したようにぼくの腕を掴んだ。


「ふじえるさん!!」


幸子ちゃんは掴んだぼくの腕をそのまま身体に押し付けるように抱きしめた。


「えっ、ちょ、幸子ちゃん!?」


流石に予想外の出来事にぼくは動揺を隠しきれない。

ぼくの腕から幸子ちゃんの柔らかい肌の感触と体温が伝わってくる。

そして二の腕のあたりには幸子ちゃんの二つの柔らかい膨らんだ感触と、手の甲のあたりには硬く膨らんだ感触とーー

……ん?硬く?


「あれ、幸子ちゃん…………その、ぼくの手の甲に何か…」

「フフーン、気付いてしまいましたね」

「そんな、バカな、だってあの時ぼくは幸子ちゃんを見た筈じゃ」

「本当に見たんですか?それとも…」

「見 間 違 い じ ゃ あ り ま せ ん か?」


幸子ちゃんの言葉をきっかけに、ぼくの記憶が書き換えられていく。

嘘だ、ぼくは見た筈だ。幸子ちゃんは女の子、女の子だったはず、だった?

あれ、あの時の記憶が、霞んでいくーー


「ふじえるさん、もう逃げられませんよ」
「この前よりももっと、滅茶苦茶にしてあげます」
「うっかり死んじゃわないでくださいね?」

「やめろ、嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘、あっ、やめ、やだ、うそだうそだ嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」

「ああああああああああああああああ!!!!!!」


ループは、終わらないーー
最終更新:2017年09月30日 09:00