凛世教のことばに「その凛世すき」という言葉があります。凛世さまへの親愛をあらわす尊いことばで、私たちの間では挨拶といってもいいほど親しまれている言葉です。しかし、改めて考えると不思議な言葉でもあります。「その凛世」とはどの凛世さまのことなのでしょうか?
実はずっと昔に、このことを疑問に思った凛世教の高僧さまがおりました。名を凛世毎晩夜這聖(りんぜ・まいばん・よばいせい)さまといい、大変な人格者として多くのお弟子さんに慕われていたそうです。
凛世毎晩夜這聖さまは、毎日のように口にする「その凛世すき」を、自分はどの凛世さまに向けて言っているのだろうと随分と思い悩んだそうです。凛世さまの1/8スケールフィギュアを眺めてはその凛世すきと言い、凛世さまのタペストリーを見てはその凛世すきと言い、時には自ら筆を取り描いた凛世さまの絵に対してもその凛世すきと言ったそうです。
そうしているうちに、凛世毎晩夜這聖さまは「どの凛世さまもすきなのだ」と考えるようになったそうです。凛世さまの一挙手一投足すべてに惜しみない愛情を向けることこそがその凛世すきなのだと、その凛世すきの普遍性を見出したそうです。
悟りを開いた凛世毎晩夜這聖さまはその後。凛世さまの絵をたくさん描き広め、やがて幕府によって危険な異教徒として処刑されてしまいますが、今日の凛世教の教えをより確固たるものにしました。
あなたが本当に凛世のことをすきなのか、ただすきと言っているだけではないかと自信を疑ってしまった時、凛世の胸に手を当ててこのことを思い出してみてください。あなたの凛世への愛情は本物だと、改めて感じられると思います。
最終更新:2020年04月28日 00:40