皆さんはタバコを吸ったことはありますか? 大人の人はこれがないとやってられないという方も多いでしょう(笑)。未成年の方はまだ我慢してくださいね。
さて、今でこそ健康被害や依存性が指摘され、やれ身体の毒だ百害あって一理無しだと散々に言われるタバコですが、ルーツを辿ると宗教上の儀式に使われていたりもします。
インディアンは宗教の一儀式としてタバコを日常的に吸っていました。タバコには神経を落ち着ける作用があり、こうした精神に働きかける作用が大いなる神秘に繋がると考えられていたのですね。
LSDなどに代表される幻覚剤も、当時のアメリカのシャーマンと呼ばれる人々の間では神々の世界に繋がる薬だと考えられていました。
凛世教もかつてはケシやマオウの栽培が盛んに行われていました。凛世さまのいる世界に繋がって精神の安寧を得るために、ケシの実の乳液から煎じた"よろこび茶"やマオウから精製した粉薬(今でいうメタンフェタミンでしょうか?)を頻繁に使っていました。
一部の僧侶は使いすぎて凛世さまの世界に飛びすぎてしまったりもしましたが、みな修行のために喜んで使いました。
これらの薬は凛世教の布教にも大変役立ちました。
凛世さまなどいないと頑なに否定する方にケシの実を煎じたお茶をすすめたり、粉薬をすすめると、不思議なことにみな凛世さまにすがるようになるのです。中には村中の井戸によろこび茶を投げ入れて村人全員に凛世教を布教したり、粉薬を売ってお布施を稼ぐこともありました。
ところが、明治に入ってからこのような動きをよく思わない政府がケシの実の栽培を禁止してしまいます。凛世教はケシ栽培とマオウ栽培でお布施を荒稼ぎしていましたからこれは困ったことになりました。
このことにひどく心を痛めた大僧正、凛世紗布礼同衾聖(りんぜ・しゃぶれい・どうきんせい)さまは当時の英国の清との外交を参考に、政府に対してケシ栽培の専有を求め戦争を仕掛けることにしました。
残念なことに戦争には負け、多くの殉教者を生み出してしまいます。さらに不幸なことに秘密裏に栽培していたケシ畑も燃やされ、凛世教は存続の危機を危ぶまれるほどに衰退しました。
捕まった凛世紗布礼同衾聖さまが処刑される前夜、獄中にてこう書き残したそうです。
その凛世すき
今でも凛世教の文化的価値を保護するため、一部の僧侶が極秘裏に栽培を行なっていますが、いつ警察に摘発されてしまうかわかりません。
文化や伝統というものは実は意外と脆いもので、私たちが意識して守らなければすぐに消えてしまうことを改めて考える必要がありそうです。
最終更新:2020年06月25日 20:39