ときめき凛世メモリアル

ときめき凛世メモリアル

【ときめきりんぜめもりある】
ジャンル 恋愛ADV
対応機種 PC
発売元 凛世教
開発元 凛世教
発売日 2220年10月19日
定価 999,999 円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:Z
判定 賛否両論
鬱ゲー
ポイント すぐ死ぬ主人公とヒロイン
不親切なUIと多すぎる初見殺し
これはギャルゲーですか?いいえスペランカーです



概要

  • 宗教法人「凛世教」開発のゲームソフト。
  • ヒロインは凛世のみという徹底ぶり、マルチエンドシステム有りとの触れ込みから凛世と甘い時間を過ごせるのではと発売前から多くの期待が寄せられていた本作だが、待っていたのは阿鼻叫喚の地獄絵図だった



ストーリー

数多の苦難を乗り越え、アイドルとして軌道に乗りだした凛世。新たな夢に向かって羽ばたく彼女の胸には、あの日の運命の出会いからずっと温め続けている秘めた想いがあった。(公式サイトより抜粋)



システム

  • 1週間単位で実行するコマンドを選択する往年の恋愛ADV方式
    • 実行するコマンドは大きく「レッスン」「お仕事」「休暇」の三種類に大別され、それぞれ凛世のステータス、ファン人数、親愛度が上昇する
    • お仕事の内容によってはオーディションが発生し、成功するとファン人数やステータスが大きく上昇する

  • 凛世のアイドル活動を2年間続け、その成果でエンディングが分岐する
    • ただし後述の理由により、2年より早くエンディングを迎える場合もある



賛否両論点

多すぎるバッドエンド

本作を語るうえで欠かせないのは多すぎるバッドエンドの数々だろう。
TRUEエンド1個、GOODエンド4個に対してBADエンドが45個ある。
その多くはシーズン中にイベント分岐し即座にゲームオーバー(ないしゲームクリア)となるため、2年間のシーズンを走りきることはほとんどない。
※参考リンク(ときめき凛世メモリアル_各ルート所感)

(以下ネタバレ注意)


+ バッドエンドの一例
  • 例えば親愛度が一定以上上がるとランダムで発生する『夜這い』イベントだが、ここで凛世と恋人になっていない場合、身体を重ねるとバッドエンドに突入する。
    • 想いを通じ合わせないまま身体を重ねたせいで、自身の本当の気持ちはなんだったのか、誘いに応じたプロデューサーはどんな思いで凛世を抱いたのか考えてしまい、信頼が徐々に崩れていく……という流れになる。

  • 逆に凛世を押し倒したい衝動に駆られるイベントも発生するが、もちろんこれも押し倒すとバッドエンドに突入する。
    • 言葉にせずに肉欲で発散させた結果、両片思いのまま互いの愛を信じられず、二人して破滅へ向かっていく……というエンドになる。

  • 他にも心中、事故死、病死……といったパターンがプロデューサー・凛世それぞれに用意されているが、いずれも展開が陰鬱
    • 片方は思い残すことなく逝くが、残された方は死を受け入れられず塞ぎ込んでいく等、とにかく救いが無い。

  • 他にも凛世を助ける存在になろうとするあまりメサイアコンプレックスを発症する、営業先のお偉いさんにプロデューサーが抱かれる(専用CGあり)……など、バッドエンドにだけは事欠かない。



また、ゲームシステム的に不親切なエンディング分岐も存在するため、単純に攻略が難しい。


+ 初見殺し要素の強いバッドエンドの一例
  • 凛世の為に身を粉にして動くプロデューサー。いかなる時間も凛世の為に動き、凛世の言うことはすべて二つ返事で快諾する。
    自分の誕生日も、親の弔事も無視して、自分の全ては凛世のため――そう思った瞬間、心の中でぷつりと何かが切れた。
    そして翌朝、凛世が事務所を訪れるとそこには首を吊るプロデューサーの姿が――
    • BAD END5「貴方さまは、なぜ」エンドはプレイヤーのメンタルゲージが0を下回ると強制的に分岐するエンディングである。
      • なお作中ではこのメンタルゲージに関する説明、および確認する手段は一切ない。
      • 一応ルート的には「凛世のために自分を犠牲にしすぎると手痛いしっぺ返しがくる」ことを示唆している
        • ルート分岐後、これまで選んだ選択肢の裏でこんな決断をしていたと描くのも意地が悪い。

  • ある嵐の晩、凛世は自室の戸が開く音に目覚める。目を開けるとそこには見知らぬ三人組の男。逃げる間も与えられず襲われ自身の身体を貪られながら、凛世はただ世の無常さを嘆く……。
    • BAD END45「夜半の嵐は花びらを散らして」エンドだが、実はこれ、ランダムで発生するバッドエンドである
      • 凛世のステータスや時期に関係なく完全なランダムであるため、回避策は無い。できるのはただ凛世の無事を祈るだけ
      • どれだけ攻略チャートを駆使して凛世との絆を育んでも一瞬で台無しにされるため、多くのプレイヤーの心を折った



と、ここまでバッドエンドの例を挙げたがGOODエンドもハッピーエンドが少ない。

+ GOODエンド
  • 夢も仕事も捨て二人で駆け落ちする、夢を叶えた代わりに互いの思い出を失ってしまう、目標のため別離する……など、どれも後味が微妙に悪い終わり方をする
    • 一応二人の夢を叶えた、思いが通じ合ったと考えれば(これまでのBADに比べれば)GOODではあるのだが……
    • 当然本作にいちゃらぶ要素を期待していたプレイヤーからは非難轟々であった



とにかく陰鬱かつ悲惨なバッドエンドが多い・GOODエンドも円満に終わらないため、凛世と甘い時間を過ごすことを期待したプレイヤーから困惑の声が上がった。



問題点

  • QTEイベントの存在
    • 機材の落下、発砲、トラックの暴走など、QTEがランダムかつ不意打ちで発生する
      • 当然失敗するとそのままバッドエンドである
    • しかも画面に押すべきコマンドが表示されないため、QTEだと気づかずゲームオーバーになることも多い

  • UIが全体的に不親切
    • 先述の一部バッドエンドの仕様、QTEイベントなど、むしろ開発側が意図してプレイヤーをバッドエンドへ誘導しているかと思うほどにUIが不親切

  • 一部ボイス・テキストをスキップできない
    • 未読のバッドエンドに突入した場合、テキストがスキップできない
    • 当然ボイスもそのまま再生されるため、聞きたくない悲痛な叫び声をプレイヤーはじっくり聞かされる羽目になる
    • なぜか日常パートやイベントは未読スキップ、キャラクターボイスの調節が可能



評価点

  • 凛世が可愛い
    • 日常パートはほのぼのとしており、凛世と心温まる触れ合いが楽しめる
    • それのせいでよりBADがつらくなったとの声もある



総評

凛世がヒロインの恋愛ADVという触れ込みからライトなシナリオと思いきや、その実バッドエンドまみれのド鬱ゲーだった本作。期待していたいちゃらぶ要素はなくとも、陰鬱な気分になりたい時にプレーしてみてはいかがだろうか。




余談

とにかくプロデューサーも凛世も死ぬイベントが多すぎるため、一部のプレイヤーからは「スペランカー」と揶揄されることもある。*1
最終更新:2020年08月06日 09:30

*1 ゲームシステム的にはシャドウゲイトの方がやや近いが、死にゲーの代表格としてスペランカーの名称が定着した。