幸子ちゃんがコーヒーを飲む話

 いくらカワイイ輿水幸子ちゃんと言えど中身はまだまだ大人になりきれない少女、できないことをやりたがる背伸びのお年頃なのよね。
 ある日、飛鳥くんが足を組んでオシャレな椅子に座って、コーヒーカップ片手に黒い洋書を眺めるっていう非常にCOOLな映像が事務所に映ってて同じ14歳でもそのCOOLさは見惚れるくらい凄かったのよ(実はコーヒーはめっちゃ甘いし洋書も中身は全く読めてない)。幸子ちゃんそのCOOOOLなOTONAっぽさにちょっと焦っちゃって、お昼どきに幸子ちゃんから喫茶店に連れてってください!ってせがまれたのね。

 そこらの喫茶店ってタバコの煙臭いし(あの臭いも喫茶店って感じしていいけどスッポスッポ吸う客の副流煙に幸子ちゃんを近づけるわけにはいかなかった)、ごはんを食べるところって言うほど食事メニューも無いからなかなか足を運ばなかったのよ。でもコーヒーが飲みたい気分って言うから、分煙しっかりされててケーキの美味しい喫茶店を目星クリティカル(ちなみに俺の目星の技能値は35)で見つけだしたのよ。そこでぼくはバナナジュースとモンブラン、幸子ちゃんはフルーツタルトとエスプレッソを注文したのね。エスプレッソは苦いからまずはマックスコーヒーから始めなって言ったけど聞かずに意地張るのよ。大丈夫かなって思ったらケーキとコーヒーが一緒に来て、いよいよ幸子ちゃんがカップを取るわけ。大丈夫かなって固唾を飲んで見守ってたら案の定一口飲んだ瞬間ちょっとむせて口を歪ませちゃったのよ。あーあ仕方ないなって口元から溢れたコーヒーの雫をおしぼりで拭ってあげてそのおしぼりをチューチューしゃぶったら幸子ちゃんに思いっきり叩かれた。気持ちよかった。

 でも根に持った幸子ちゃんが後日ふじえるさん専用コーヒーって言ってコールタールを3リットル俺の口に突っ込んできたときは死ぬかと思いました。
最終更新:2016年05月30日 20:16