ぼくが幸子ちゃん幸子ちゃん言ってるせいで周囲に誤解された話をするね。
とある日、シャワーを浴びた幸子ちゃんの服が下着もろとも盗まれる事件があったのよ。
当然事務所内は大騒ぎ。騒ぎを聞きつけ駆けつけたぼくはすぐに替えの着替えを持ってきて近くのアイドルに幸子ちゃんに渡すよう言って対応をしたのね。(でも着替えがなくて立ち往生してる幸子ちゃんも見てみたかった)
当然その後犯人は誰か、盗んだ服はどこへ行ったかという話になるんだけど、なぜか真っ先にぼくが疑われたわけ。理不尽。
曰く、普段から幸子ちゃんに抱きつこうとするなどのセクハラをする姿をよく目にするからだとか、なんですぐ幸子ちゃんの服の替えを用意できたのか、盗むために用意したんじゃないかとか、とりあえず幸子ちゃん絡みならこいつが大体犯人だろうとか、とにかくいわれのないこじつけや言いがかりをつけられたのね。悲しいことに人徳が無いのか周囲ももうこいつが犯人だろうみたいな雰囲気になったから必死に弁明したのよ。
普段の幸子ちゃんに対する言動は全て幸子ちゃんを可愛がりたいからしてるのであって、服を盗むような幸子ちゃんを困らせる行為は決して行っていない、服の替えは幸子ちゃんが参加する企画や突発的なアクシデントに備えて用意するようになっただけであり他意はない(本当はぼくの部屋に幸子ちゃんが置いてきた服なんだけどそれは言わなかった)そもそも服くらいその気になればいつでも入手できるのにわざわざシャワーを浴びるごく短時間を狙う必要があるのか、という感じで弁明した甲斐があって、ますます墓穴を掘って怪しいと思う人と確かに一理あるかもしれないと思う人とに半々に分かれたわけよ。
ところが誰かが、じゃあぼくの身の潔白を証明するために今からぼくの身辺を洗い出そうと言い出して、ぼくのデスクを探したらこないだの会議で暇なときに書いてた落書きが見つかってしまったのよ。
その落書きがこれ。
この落書きのせいで容疑が一気に濃厚になり、とうとう特攻隊長ばりの睨みきかせて尋問するアイドルや霊を使って自白を強要するアイドル、諦めて容疑を認めるよう説得するロックなアイドルも出てくるのよ。
だけど結局犯人は別にいて、そいつがしょっぴかれる頃には僕は治安維持法施行時代の社会主義者かってくらいボロボロにされたわけ。今はデモクラシーの時代なのに。犯人はぼくじゃないことがわかって一応みんな謝ってくれたけどでも幸子ちゃんへの粗相は程々にしとけよって言われて納得がいかないまま今回の事件が終わりました。
でもその後幸子ちゃんに自宅で髪の毛クンカクンカモフモフさせてくれたから全てを許した。
最終更新:2016年05月30日 20:24