とある月曜日に幸子ちゃんの身に起こった不可解な事件の話をするね。
いつものように事務所に幸子ちゃんが来て挨拶しようと思ったら幸子ちゃんなんか元気無さそうなのよ。しかもなんかいつもと雰囲気違うのね。なんでだろうな、なんか幸子なのに幸子って感じがしないなあ、いつものドヤった笑顔も抜けて普通の美少女だなあ、って思ってじろじろとねぶるように視線で舐め回してたら、ふじえるくんようやく気付いた。幸子ちゃんのいつもの髪ハネが無くなっててなんか頭が丸い。
聞けば今朝鏡を見たらいつもの髪ハネが無いのに気づいたんだけど、あれわざわざセットしてるわけでも無く自然になったものだし無くても困らないかなって放置したらしいのね。そしたら学校にいる間みんな幸子かどうか一瞬判別できなかったらしく、先生が幸子ちゃん当てるときも「じゃあ、えーと……輿水?さん……?」って感じだったらしいのね。それで幸子ちゃん、みんな自分のこと髪ハネでしか判別してなかったのかってちょっとショック受けちゃったらしく元気がなかったそうなんよ。ぼくは幸子ちゃんをいつも顔と胸と髪と胸と脚と鎖骨と胸を見ることで判別してるから一瞬で幸子ちゃんだと判ったのね。(この手法は個人認証においてなりすまし、偽造防止に効果を発揮する非常にセキュリティの高い手法である。ただこれをする相手を間違えるとただのいやらしいおっさんが女の子をジロジロ眺めて視姦しているのと誤解されかねないリスクも孕んでいる)
まあ確かにいつもの幸子ちゃんとちょっと違うなって思ったけど、これもまたカワイイなってひとりごちたのね。それを聞き逃さなかった幸子ちゃん元気取り戻して「そうでしょそうでしょう!確かにいつもと違いますがカワイさは変わらない!ボクのカワイさは不滅です!」って笑顔になったんよ。やったぜ。でも髪ハネは戻らない。
そんなわけで、142'sの2人やKBYDの2人も呼んで幸子ちゃんの髪ハネを戻そうの会を開いたわけ。議題は2つ、「なぜ幸子ちゃんの髪ハネが無くなったのか」と「幸子ちゃんの髪ハネを戻すにはどうすれば良いか」ね。
まずなぜ幸子ちゃんの髪ハネが無くなったのかという議題を進めて、まずはここ最近の幸子ちゃんの行動や仕事を振り返ったのね。で、幸子ちゃんのことを振り返ろうとすると何故か紗枝はんとか友紀ちゃんから同時にぼくの行動も同時に根掘り葉掘り聞かれたのね。なんでも、どうせまたぼくが幸子ちゃんにちょっかい出したせいで変なことになったんじゃないのかって。なんで、ぼく幸子ちゃんに何もしてないよ。せいぜい髪の毛スーハースーハーくんかくんかしたり髪ハネ舐めたりしゃぶったりした程度でそれが原因とは思えないしって弁解したらなんか会議の流れが一気に変わって、またこいつかって雰囲気になって俺の幸子ちゃんに対するセクハラ行為の糾弾会になっていったのよ。待ってくれ、俺はやってない。俺は悪くない。ヴァン先生が悪いんだ。
ぼくがいくら知らないやってないって言っても信じてくれず、椅子に縛られて尋問が始まるのよ。でもぼくは悪くないから知らないとしか言えないんだけど、なかなか口を割らないと思われて、輝子ちゃんと小梅ちゃんによる尋問が始まったのよ。
なんか輝子ちゃんがカエンタケでぺちぺちぼくの腕を叩いたりぼくの口にぷっちょみたいなキノコ(和名が無いらしいから「キノコ ぷっちょ」でググれば出るぞ!)を近づけながら
「ぷ、プロデューサーがプロデューサーじゃなくなるうちに吐いた方がいいぞ……」
って迫るけど何も知らないから吐きようがない。
小梅ちゃんが友達の怨霊を憑依させてぼくの生命力どんどん吸わせながら
「早く吐かないと……この子と……一緒になっちゃうよ……」
って迫るけど何も知らないから吐きようがない。でも止めてくれない。死ぬ。
生命の危険に晒されても知らぬ存ぜぬを通すぼくを見かねた友紀ちゃんが
「そもそも幸子ちゃんの髪ハネがないくらい大したことじゃなくない?」
って言い出したのよ。やった、助かった。サンキューユッキ。幸子ちゃんが
「た、大したことないとはなんですか!?ボクの一大事ですよ!」
って言ったけど仕方ない、ぼくの生死の方が大事だ。とりあえず輝子ちゃんと小梅ちゃんによる尋問は一旦取りやめてくれたのでぼくは何とか一命をとりとめたわけ。
ひとまず原因は保留として今後髪ハネがなくて困るときはムースを使って髪ハネを作るということで落ち着きました。
で、会議が解散した後、気になることがあってぼくは≪凝≫を使って幸子ちゃんを見たら、幸子ちゃんのオーラに違和感があるのよ。なんだろうなって更に目にオーラを集中させて見たら幸子ちゃんにうっすら他の人の念能力が取り憑いてるのが見えるのよ。やはり外部の念能力者の仕業だったか、というわけで深夜に幸子ちゃんをストーキングして幸子ちゃんの髪ハネを盗んだ念能力者を突き止め、激戦を繰り広げた末に撃破し幸子ちゃんの髪ハネを取り戻すことができました。取り戻した髪ハネはこっそり幸子ちゃんの家に忍び込んで寝ている幸子ちゃんにそっと取り付けたら元に戻ったので、安心して幸子ちゃんの部屋を物色して幸子ちゃんのインナーを拝借してから家に帰りました。拝借したインナーはその晩のおかずに使用させてもらいました。おいしかった。
翌日、髪ハネが戻った幸子ちゃんは元気を取り戻してくれたみたいなので声かけたのよ。
「幸子ちゃん、髪ハネが戻ったみたいだね!よかったよかった!髪ハネのなかった幸子ちゃんも可愛かったけどやっぱりいつもの幸子ちゃんが一番カw」
「ふじえるさんボクのキャミソールが昨晩タンスから無くなってたんですが知りませんか?」
バレてました。
ガッシ、ボカッ!ぼくは死んだ。
最終更新:2016年05月30日 21:35