今日も始まりました「ゆけゆけ!輿水幸子探険隊」。この番組ではカワイイアイドル輿水幸子がそのカワイさを全世界に広めるため、山越え海越え空を越え様々な人々やUMAにそのカワイさを伝えに、幸子隊長のブロマイド片手に向かいます。ヤラセ等一切なし!この番組は迫真のドキュメンタリーです!
今回幸子隊長が向かうのは国内某所の鍾乳洞!探険隊の諜報班によると、ここにはかつて巨大な蟹の化物、"ガニキャンサー"が住んでおり、それをその地の巫女が封印したという伝説があるらしい。
ガニキャンサーをファンにすれば輿水幸子隊長のファンがまた一人増え、輿水幸子がトップアイドルに近づく!そう考えたふじえる隊員は輿水幸子隊長に進言し、輿水幸子探険隊一同は鍾乳洞へ向かうのであった……
道中は苛烈を極めた。鍾乳洞に近づくと、上半身を蟹の姿にされた蟹人間(決して着ぐるみではない)が襲いかかってきたのだ!蟹人間はその巨大なハサミを振りかぶり探検隊一行に駆け寄ってくる!駆け寄ってくる蟹人間を食い止めようと幸子隊長の前に立ちはだかるふじえる隊員!!
しかしふじえる隊員の健闘むなしく蟹人間にワンパンで倒されてしまう!倒れたふじえる隊員に対し巨大なハサミを活かしてタコ殴りを始める蟹人間!まるで日頃の幸子隊長に対するセクハラ行為を制裁するかのように執拗にマウントポジションからのタコ殴りを続ける!(ふじえる隊員は錯乱しているのか「おい!今西やめろ!」と叫んでいる。今西とは一体誰であろうか……?)
ひとしきりふじえる隊員を殴り終わった蟹人間は気絶しているふじえる隊員を担ぎ、どこかへ去っていった……
ふじえる隊員を失い悲しみに暮れる幸子隊長。しかし立ち止まるわけにはいかない。太古の巨蟹、ガニキャンサーをファンにするまでは!
その後、幸子隊長は次々と襲い来る蟹人間に必殺カワイイポーズやブロマイドを送り次々とファンにしながら鍾乳洞を進んでいく。流石隊長、見事な手腕である。
道中ヘビが尻尾から落ちてきたり、人形を針金で留めたように首すら動かさないコウモリが襲いかかってきたり大グモが幸子が近づいた瞬間一目散に逃げて行ったり、鍾乳洞ならではのモンスターが次々と襲来してくるが、幸子隊長はくじけずに進み続けたのであった。流石隊長、見事な手腕である。(繰り返し言うがこの番組は迫真のドキュメンタリーである。ヤラセ等は一切ない)
そしてとうとう幸子隊長は鍾乳洞の奥に到達した……
そこに待ち受けていたものとは!!
~~~~ここでカワイイ幸子のCMが流れる~~~~
そしてとうとう幸子隊長は鍾乳洞の奥に到達した……
そこに待ち受けていたものとは!!なんと!!
~~~~ここでカワイイ幸子のCMが流れる~~~~
そしてとうとう幸子隊長は鍾乳洞の奥に到達した……
そこに待ち受けていたものとは!!なんと!!ガニキャンサーと囚われたふじえる隊員であった!!ふじえる隊員は体を縛られドラム缶の中にすっぽりと入れられている。
ガニキャンサーは巨大なズワイガニのようなモンスターで、こちらに背を向けながら足を一定のリズムで動かしている。まるでかに本家のあのカニの看板そっくりである。(繰り返し言うがこれは迫真のドキュメンタリーである。決してかに本家のあのカニの看板をお借りしただけでは決してない)
ガニキャンサーは幸子に近づくと
「コノオトコヲタスケタクバ……ワレノトイニコタエヨ……」
と呼びかけた。幸子隊長は息を呑んで頷く。
「ズワイガニハ……カニノナカマデアル……マルカバツカ……」
「えっ」
呆気に取られる幸子隊長。なんでこの怪物からいきなり俗っぽいクイズ番組みたいな問いを出されて肩透かしを食らったようだ。
「コタエナケレバ……コノオトコノイノチハナイ……」
「わ、わかりました!ええと……」
幸子隊長は考える。
(カニでよく聞くのはタラバガニとズワイガニで、確かどっちかは実はカニじゃなくてヤドカリの仲間って聞いたことがあります。肝心のどっちがヤドカリの仲間なのかは忘れてしまいましたが。でも、テレビでよく見るのはタラバガニですね。きっとタラバガニが高いから人気なんでしょう。高いということはタラバガニが本物のカニに違いありません。つまりズワイガニの方がヤドカリの仲間ですね!わかりました!)
「分かりましたよ、答えは×です!」
「フザケルナ!ズワイガニハカニダ!コタエハマル!!」
「ええっ」
残念!ヤドカリの仲間はタラバガニの方なんだ。
「ザンネンダガバツヲアタエヨウ……」
ガニキャンサーがそう言うと同時に、ふじえる隊員のドラム缶に小さなカニが大量に投入される。
小さなカニの大群はふじえるの足の爪を引き剥がそうと群がり始めた(※よい子は絶対マネしないでね!)
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!」
「ふじえるさん!!!」
「ソレデハニモンメトイコウカ……」
それからガニキャンサーは次々と問題を出し始めた。蟹座を指す英語のCancerはとある病気の名前にもなっている。その病気とは何か、聖闘士星矢の黄金聖闘士で巨蟹宮を守護するのは誰か、等幸子隊長に解けないレベルの問題ばかりを出し、幸子隊長はなかなか解けずにどんどんとふじえる隊員のドラム缶にカニが投入されるのを見守ることしかできなかった。既にふじえる隊員は身体中を抉り回される激痛から発狂し奇声を挙げ続けている。その叫ぶ口や見開いた目にもカニが侵入を始めている。(※よい子は絶対マネしないでね!)
幸子隊長は涙をこらえ次こそはとガニキャンサーの問題に臨む。
やがてふじえるが事切れた頃、ようやく幸子隊長はガニキャンサーの問題を解くことができた!おめでとう!
「オマエノソノコンキ……キニイッタ……」
「ダガ……モウテオクレダ……」
「ソノオトコハ……スデニシンダ……」
見ればふじえる隊員はもう息をしておらず、身体中に小ガニが巣食っており、眼球はカニに破られ眼窩からカニが溢れている。耳から鼻から口から目からカニが溢れて、文字通りカニの巣となったふじえる隊員がとっくに死亡していることは誰の目から見ても明らかであった……(※番組の演出です。よい子は絶対マネしないでね!)
「いえ、まだです!」
しかしそこで諦める幸子隊長ではなかった!視聴者は信じられるだろうか。これまでの数々の輿水幸子探険隊の冒険で、幾度となくピンチに陥っても、幸子隊長の活躍によって間一髪命を取り留めたふじえる隊員が、今更この程度のピンチで命を落とすなど。
「ふじえるさん、目を覚ましてください!!」
幸子隊長はマイクを取り出すと、突然歌を歌い出した!曲はTo my darling...!幸子隊長のカワイイ歌声が鍾乳洞に響き渡る!
すると奇跡は起こった!先ほどまで死んでいたはずのふじえる隊員が復活したのだ!
「ナンダト……!?タシカニヤツハシンダハズ……」
その奇跡に、ガニキャンサーも驚きの声を隠せない。しかし現実なのだ。輿水幸子隊長の歌声によって、ふじえる隊員は息を吹き返した!!
「どうです!不可能を可能にするアイドル、それがボクこと、輿水幸子です!」
「コレガ……アイドル……」
「そう!一番カワイイアイドルです!これはもう、あなたもファンにならざるを得ませんよね!」
「……クッ、ニンゲンゴトキガココマデヤルトハ。イイダロウ……コシミズサチコ、オマエノカツドウヲオウエンシテヤル……」
こうして見事ガニキャンサーも攻略し、輿水幸子はまた一人、ファンを増やすことに成功したのであった!ミッションコンプリート!!
「やった!やりましたよふじえるさん!!」
「幸子ちゃん!やっぱり幸子ちゃんはすごあ"あ"あ"あ"あ"カ"ニ"が"ま"だ"の"こ"っ"で"る"う"う"う"う"は"や"く"ロ"ー"プ"ほ"ど"い"で"え"え"え"え"え"」
ふじえる隊員は見事生き返ったものの、息を吹き返したところでどうにもならなかった。カニの群れのせいで誰もふじえる隊員のロープをほどくことができない以上またふじえる隊員はカニによって殺されるしかないのだ。結局ふじえる隊員にとっては激痛に苛まれる時間が延びただけであり、またふじえる隊員は事切れたのであった。
その後、カニとふじえる隊員が入ったドラム缶ごと釜茹でにしてカニをゆでたあと、もう一度幸子隊長が歌い、ふじえる隊員は無事救助されました。
(※よい子は絶対マネしないでね!)
(※小カニは責任をとってふじえる一人に食べさせました)
(※輿水幸子とスタッフ一同は看板の提供に協力してくれたかに本家のコースに舌鼓を打ちました)
最終更新:2016年05月30日 21:49