とある日の朝だった。幸子ちゃんからLINEで「今日は具合が悪いので休みます」ってメッセージが来たのよ。
ぼくは生理かな?とかつわりかな?とかクソリプ送りそうになったけどこれで本当に体調悪かったらそんなクソリプに対応させるのも可哀想だし普通に「分かりました。お大事にね」って返したのね。お見舞い行こうかなとも考えたけど、ぼくの仕事が終わるのが早くても夜だしそもそも親御さんが看病してくれてるわけだからわざわざぼくが幸子ちゃん家に向かう必要無いな?ってなったのよ。向こうに要らぬ心配かけちゃいそうだし。
というわけで幸子ちゃんの体の心配しながらも今日も一日業務をしてるわけなんだけど、休憩時間にスマホ見るたびに幸子ちゃんからメッセージが来るのよ。「病院行ってきました。風邪だったみたいです」とか「今なにしてますか?」とか「ボクが休んでてお仕事大丈夫ですか?」とか「頭痛いです」とか、とにかくLINEの嵐なのよ。いつもはそんなにしないのに。
ぼくが「めっちゃLINEくるけど今日どうしたの」って聞いたら幸子ちゃんから「今日は学校もお休みしたので少しヒマなだけです」って返事が来るのね。だけどぼくはもう察してた。幸子ちゃん、寂しいからぼくに構って欲しいんだって。やれやれ、寂しがり屋の幸子ちゃんもカワイイなあって思ったけど言ったら幸子ちゃん意地はるから胸にそっとしまっておいて、「スマホばかりいじってないで目閉じてゆっくり休んだがいいよ♥」って返したら、「寝ようとしても寝れないからイヤです」って来るのよ。んもー幸子ちゃんはワガママだなあ。ウフフ。カワイイ♥
でも幸子ちゃんの体調も体調なんで「スマホいじってると目疲れるし、LINEばっかりしてないでちゃんと休みなさい」って言い聞かせるようにメッセージ送ったら、幸子ちゃんから「じゃあふじえるさんが家に来てくれるならLINE送るの止めます」って来るのよ。オイオイ、ここは天国かあ?すぐに幸子ちゃんが焦ったように「冗談です」って送るんだけど、ぼくはこのやり取りに秘められた、幸子ちゃんの"会いたい"というメッセージを受け取った。ぼくは仕事を超速で終わらせ、午後2時にも関わらず職場を抜け出し、経口補水液とゼリーと冷えピタ買って幸子ちゃん家に向かった。
幸子ちゃん家に向かうと、ご両親が(都合よく)不在で、幸子ちゃんがパジャマに上着を羽織って出迎えてくれた。幸子ちゃんまさか本当にぼくが来るとは思わず、ちょっとビックリしてたのね。でもいいからいいからと幸子ちゃんを部屋に押し戻してベッドに寝かせ、ゼリーを冷やして経口補水液を枕元に置いといて看病を始めたのよ。幸子ちゃんはいきなりのことに戸惑いながらもぼくの看病を受け入れ、ベッドに横になったままぼくに話しかけるのよ。
「ふじえるさん、なんで来たんですか。あんなの冗談だったのに」
「ぼくが幸子ちゃんの顔見たくなったから、つい来ちゃった。ごめんね幸子ちゃんがカワイくて……」
「気持ちのこもってないカワイイですねぇ……カワイイって言えばなんでも許されると思ったら大間違いですよもう……」
「ところでお母さんはどうしたの」
「お母さんは用事があって午後から出かけています」
「つまり家に幸子ちゃん一人きり」
「警察呼ぶ準備はいつでもできてますからね」
「クゥーン……」
まあぼくも体調悪い幸子ちゃんに何かするつもりは毛頭ないしこの時ばかりは真面目に幸子ちゃんの看病をしたのね。ぼくのせいで幸子ちゃんの風邪長引かせる訳にもいかないし真剣に幸子ちゃんの心配をして看病してたら幸子ちゃんが小声で
「こんなときだけ真面目になるのはズルいです……」
って呟いたけどぼくも恥ずかしくなって聞こえないふりした。
二人が落ち着いてからは他愛のない会話をしてゆったりした時間を過ごすわけよ。そうしてるうちに幸子ちゃんが元気を取り戻して、その頃には幸子ちゃんいつもの調子に戻ってたのね。そんなこんなで時間も潰したしそろそろぼくも仕事に戻らなきゃなあと思ったら
「ふじえるさん、風邪で弱ってる可哀想なボクのお願い、聞いてくれますよね?」
なんて言うのよ。ぼくはなんだろう、欲しいものならなんでも買い与えようかな、やれやれ仕方ないなあ言ってごらんと思ったら、
「そろそろ寝るので……、その…………寝るまで手を繋いでください……」
っていつもの幸子らしからぬしおらしい声色でお願いをしたのね。もうこの時点で勃起もんだったけど、幸子ちゃんの熱くなった小さな手を握ったらぼくはもうフル勃起してしまったわけ。だけどぼくの手を握って安心したように目を閉じる幸子ちゃん見てたらそんな気も失せて愛しい気持ちが沸いてきて、優しく幸子ちゃんを見守りながら幸子ちゃんが寝るまで手を握り続けてあげました。
幸子ちゃんを寝かしつけたあと、幸子ちゃんのお母さんが帰ってきたので挨拶して、幸子ちゃん家を後にしました。(でも事務所に戻った後ちひろさんにこってりしぼられた)
翌日、体調が快復した幸子ちゃんが元気に挨拶したんだけど、ぼくを見たらちょっと顔赤くしてるのがとてもかわいかったです。
最終更新:2016年06月04日 08:38