鷺沢文香ちゃんは読書家だからいろんな本を持っててすごいんだ。ぼくも本読むことは好きだからちょくちょく興味ある本とか借りたり叔父さんの書店から買ったりして読ませてもらうのね。（文香ちゃんはぼくの担当ではないけど同期が担当してるよしみで顔見知りな感じ）
まあそんなわけである日もふみふみにとある本を借りようと思ったのね。タイトルは「ロリータ」。……いや、違うからね？性的好奇心からとかそういうのじゃなくてね？性癖とかじゃなくてね？単純にアメリカ文学の古典作品として文学的に興味があってね？単なる性的好奇心じゃないからね？ほら、近代の日本文学として谷崎潤一郎の痴人の愛に興味ある的な？ナオミズムの語源を知るために痴人の愛を読むみたいな感覚でニンフェットとかロリータコンプレックスの元義を知る的な勉強のためにだよ？性的好奇心では決してないからね？えっちだから読みたいわけじゃないよ？そんなジャンプの漫画のお色気シーンをまさぐる中学生みたいな性的好奇心はないからね？
って感じでふみふみにお願いしたら「確かに世間からはそうした官能小説として見るきらいはありますが……どちらかといえば至極真っ当な文学作品ですし文章表現としては非常に奥深さを感じる作品ですので原本も是非……」って日本語訳版と原本を一冊ずつ貸してくれることになったのね。マジかよ。
というわけで数日後、事務所でふみふみにロリータを貸してもらったのね。朝一で借りて休憩の合間とかに日本語訳版の方読んで、おうち帰ったらグーグル先生に聞きながら原本読み進めてたんよ。
そうした習慣を数日続けてわかったことがあった。ロリータ全然エロくない。ガッカリ……
文章は面白かったので（本当のぼくは読んでないけどきっとそうに違いない）、ふみふみにお礼と一緒に読み終わったロリータを返してから事務所に戻り、いつも通り幸子ちゃんに挨拶したのよ。
そういえば最近読書にかまけて普段より幸子ちゃん見てる時間減ってたなあ、悪いことしたなあって思いながら幸子ちゃん見たら、ぼくに対して一歩引いたようなちょっとよそよそしい態度なのね。
あれれー？おかしいぞー？本読んでたからむしろ幸子ちゃんに対する粗相は減ってたはずなのになんでいつもより距離置かれてるんだー？って疑問に思ったけど、話しかけてもなんかぼくと目を合わせてくれないし聞いても答えてくれないだろなって思ったからその時はそのままにしたのね。
だけどその後なんかぼくがハイファイ☆デイズのCDジャケットを眺めてたら幸子ちゃんから「ふじえるさん、プロデューサーなんですから犯罪には走らないでくださいね？ボクが困るので」って言われたり、幸子ちゃんをいやらしい目で見てたら「ふじえるさん！いくらふじえるさんがロリコンだからっていやらしい目でボクをジロジロ見るのは控えてください！」って言われたり、幸子ちゃん視姦してたら「ボクは成長途中ですからね！失礼な目で見ないでください」って言われたりするのよ。
は？ロリコン？わしが？なんで？（殺意）
聞けば最近幸子ちゃんに構う頻度が減ってぼくが読書に没頭してたのが不満だったらしく、ぼくが席外してる間に鞄からぼくが読んでた本を取り出してブックカバーを外したら、ロリータというタイトルを見てそっと鞄に戻したらしいのよ。それ以来、ぼくが幸子ちゃん好きなのもそういう小さい子が好きだからなんじゃないかとか考えてよそよそしくなったらしいのね。白状した幸子ちゃんは「ふじえるさんはロリコンだからボクのことが好きなんですか……？」って不安げに聞くのよ。（その表情想像しただけですごい捗る）
ぼくは誤解から幸子ちゃんを不安がらせてしまったことに罪悪感を抱いて、謝りながら弁明したのね。
「……ごめんね幸子ちゃん。本ばっかり読んで幸子ちゃんに構ってる時間がなくて。でもロリコンとかそういうのじゃないんだ。幸子ちゃんは好きだけどただ小さい子が好きなわけじゃない」
「……でもロリコンなんでしょう？」
「待ってくれ。確かにロリータという小説を読んでたしロリータコンプレックスの語源にもなった小説だ。だけどその本自体はそんな卑猥な本じゃないし本として面白いから読んでただけでロリコンだから読んでたわけじゃないんだ。単純な好奇心、文学的見地から興味が湧いただけから幸子ちゃんは誤解をしている」
「……でもロリコンなんでしょう？」
「違うんだ。確かに幸子ちゃんに対して少々過度なスキンシップを取っていたのは認めるが、幸子ちゃん好きを拗らせてしまった所為、言うなれば幸子コンプレックスとでもいうべきか。そういう感じだ。決してロリコンじゃない」
「……でもロリコンなんでしょう？」
クソッ、今日の幸子はしつこいな。強制イベント仕掛けてくる村人かよ。ぼくは幸子がいなければとときんとかふみふみみたいなおっぱいでかくてドスケベなJDあたりが好きなんだぞ。時点でレナさんとか早苗さんみたいなおっぱいデカい大人のお姉さんでほぼ同率でおっぱいデカいJK。AVで本番シーン一切見ずに前戯でおっぱい責めてるシーンだけで徹底的にシコる男ふじえるに対してロリコンとは失礼な。あっでもトランジスタグラマーな感じはめっちゃ好き。幸子もEカップくらい目指したらどうだ………って言いそうになったけど流石に言い過ぎて幸子ちゃん傷つけかねないしなんとか言葉を飲み込んだ。しかしどうやったら幸子ちゃんのぼくに対するロリコン疑惑を晴らすことができるのだろうか。
考えたぼくは試行錯誤しながらもいかに幸子ちゃんがカワイイか、ロリコンじゃないけど幸子ちゃんがいかに特別か、いかに幸子ちゃんがいやらしいかをとにかく熱弁したのよ。幸子ちゃんの肩を掴んで。幸子ちゃんの目を見て。そしたら幸子ちゃんようやく納得してくれたみたいでぼくのロリコン疑惑を取り下げてくれたのよ。ぼくはようやく思いが伝わってくれたのが嬉しくて幸子ちゃんをそのまま抱き上げてめちゃくちゃ可愛がりました。
誤算だったのはまさか片桐早苗さんと握野英雄くんがぼくの叫び声を聞きつけて駆けつけてぼくが幸子ちゃんを可愛がってる現場を目にしちゃったことかな。ぼくは激しい抵抗の末全身に10発の弾丸を受け拘束、事情聴取を受けることになってしまいました。トホホ……
最終更新：2016年06月14日 21:54
