あんさんぶるスターズっていうゲーム調べたら姫宮桃李くんがめちゃシコだったんだけどそれはさておき、とあるアイドルの毒牙に幸子ちゃんがかかりかけた話をするね。
男性アイドルも近年ホットだしちょいちょい315プロの子や夢ノ咲学院の子の情報も仕入れるようにしてたのね。そしたら幸子ちゃんが後ろからぼくが読んでた雑誌を覗きこんで「なに読んでるんですか?」って話しかけてきたのね。ぼくは最近人気の男性アイドルについて説明しつつ雑誌を渡したのね。幸子ちゃんはしばらくふーんって感じで雑誌をパラパラ読んでたんだけど、とあるページで手を止めたのよ。
「ちょ、ちょっと!?最もカワイイボクを差し置いて一番可愛いアイドルとはなんですか!」
案の定姫宮桃李くんのページだった。まあ桃李くんもなかなか自意識が強い子だし可愛さは自他共に認めてるって感じだから雑誌の記事もそんな風に組まれるのは仕方ないよね。ぼくも転校生になって桃李くんの犬となりある日じゃれついた拍子に桃李くんを押し倒して犯したい。
だけど幸子ちゃんは思わぬライバル出現に焦りを感じているみたい。まあそうか。自分を可愛い(カワイイ)なんて公言する子幸子ちゃん以外あんまり見なかったもんな。
そこで、ぼくはこの幸子ちゃんの焦りは成長に繋がるチャンスだと考え、発破をかけた。
「幸子ちゃん、焦っているのかい」
「あ、焦ってなんかいませんよ!?ボクのカワイさは世界一!誰にも負けませんから」
「幸子ちゃんから見ればそうだろう。だが、二人を並べて100人中100人がそう答えるかと言えば、それは怪しいとぼくは思ってる」
「……なにが言いたいんですか」
「幸子ちゃん、これはチャンスだ。桃李くんの可愛さの秘訣、それを学んで自分を見つめ直したとき、幸子ちゃんはより進化した、更なるカワイイアイドルになれるはずだ。敵を知り己を知れば百戦危うからず。ライバルを見て、自分を見つめ直すチャンスがいま来たんじゃないかな」
「……なるほど。姫宮さんがなぜ可愛いと言われるのかを知れば、ボクの隠れた魅力に気付けるということですね」
「そういうことだ」
「ふふーん、それじゃあしょうがないですね。ボクがカワイイことには変わりありませんけど、姫宮さんの可愛さの秘訣を知るために調べてみることにします!」
先程とはうってかわって、元気と闘志を燃やした幸子ちゃんは早速情報収集するべく事務所を飛び出し、アイドルに聞き込みにいったのね。
まあそこまではよかったんだ。そこまでは。
そこから幸子ちゃんが最初に出会ったアイドルがユリユリと荒木先生じゃなかったらなお良かったんだ。
数日後、事務所で雑誌を読み耽ってる幸子ちゃんを見かけたから後ろから覗き込んだのね。こないだ言ったのもあるし情報収集かなーと思ったわけよ。
そしたらなんか男同士の顔がやたら近い漫画を読んでるんよ。
ん?んん~?もう一度ちらっと覗くんだけどなんで男同士見つめ合って顔赤らめてるんだ?んん~??よく見たらこの二人朔間凛月くんと衣更真緒くんやん?まおりつやん?なんで幸子ちゃんそんなん読んでるん~?ぼくは確かに知ることは大事だと言ったけどそんなことまで知る必要ないんじゃないかな~?
ぼくはすぐさま神の不在証明(パーフェクトプラン)を使って存在を消し、一人幸子ちゃんの今後について悶々と考えたのよ。
幸子ちゃんは14歳というお多感な時期だし新たな性癖が目覚めやすい年頃だから腐食を止めるのは難しいし、幸子ちゃんが仮にこの先どんどんと腐った沼にハマっていっても別にアイドル業に支障をきたさなければ大丈夫なんじゃないかなと思ったし、せっかく本人がハマっているのを外からあーだこーだ言ってもこじらせていくだけだしそのまま生温かい目で見守るべきかなって思ったのね。
一方でこのまま幸子ちゃんの腐食を止めずに放置したら、いずれ事が公になり腐ったアイドルの一人にカウントされちゃわないかなとも心配したわけ。もしこれがバレたらインターネッツのホモガキたちに目をつけられて某やきうの掲示板や某動画投稿サイトに輿水幸子野獣先輩説が投稿されたり幸子ちゃんの動画が例のアレカテゴリーで投稿されまくったり、幸子ちゃんの発言が言葉狩りにあってやがて語録やその元ネタが幸子ちゃんの目に触れることとなり最終的には幸子ちゃんが汚れて語録を使い始めるんじゃないかって思うと早急に手を打たなきゃと焦るわけよ。やべえよやべえよ……。ただでさえ多感な年頃なのにそんなんで幸子ちゃんが汚されたら今後の人生も闇まっしぐらだよ。
意を決したぼくは念を解除し幸子ちゃんに話しかけたのよ。そしたら幸子ちゃん慌てて本を隠して後ろを振り向き、慌てた様子で返事するんだけど、ごめんね幸子ちゃん。それもう中身知ってるんだ。
事情を聞いたら先日事務所を出た後あんスタについて調べてたらユリユリこと大西由里子さんと荒木比奈先生に声をかけられ、荒木先生からは姫宮桃李くんの記事のスクラップやら桃李くんの情報を、ユリユリからは大量の腐った薄い本を渡されたらしいのね。主犯はお前か大西由里子。
最初は薄い本の男同士の描写に違和感を抱いて若干拒絶反応が出たらしいんだけど、各キャラのバックグラウンドや関係性を知っていくうちにありえんよさみの深さを知って、気がついたら次から次へと読み出したら止まらなくなっちゃったらしいのよ。そしたらユリユリも次から次へと餌を与えてくれて、かれこれ50冊は読んだらしいのよ。読みすぎでしょ。
幸子ちゃんは「ぼ、ボクはふじえるさんと違っていやらしい目的で読んでるワケじゃありませんからね!?単に面白いから読んでるだけですよ!」って弁解するんだけどそれもう十分アウトだよね。さっき読んでたとき幸子ちゃんの目がマジだったのを忘れないよ。
何はともあれ、幸子ちゃんにはそういう本を読むのはいいけどあらぬ誤解を受けないためにもなるべく人目につかないところで読んでねって諭したわけよ。まあその点に関しては幸子ちゃんの同意も得られたしぼくからいうことはなにもございませんと話を終わりにしました。
その後も幸子ちゃんはユリユリからこっそり薄い本を借りて、ノートの清書中に耽美な文章が見え隠れするようになったのはまた別の話。
その後幸子ちゃんを腐らせた私立夢ノ咲学院に義憤を抱いたぼくが職員として潜入し、姫宮桃李くんを拉致監禁して犯そうとしたら伏見弓弦くんの決死の行動に阻止されぼくは制裁を受け、二人の絆が深まったのもまた別の話。
最終更新:2016年07月12日 23:57