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無題(ヤンデレ羽入) - (2008/04/18 (金) 20:10:40) の1つ前との変更点

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 昨日だったか百年前かは覚えていない。  習慣というより義務になったボクの過ごし方。  圭一が宿題をしているのを見る。  圭一が電話で話している声を聞く。  圭一の部屋に腰を落ち着けて。  圭一はボクに気づかない。  学校にもついていく。  レナと魅音が合流する。  二人が両隣に並ぶより、ボクの方が圭一の傍にいる。  二人と楽しそうに笑う圭一。  ボクはどたばたと暴れ回る。  圭一は気づかない。  圭一が自慰行為を始める。  何度も何度も傍で見てきた。  性欲には、時を無限に繰り返しても規則性はないと気づいた。  ボクはいつ圭一が陰茎を空気にさらすか、部屋では常に胸を高鳴らせている。  圭一の子種が、ティッシュの中に吸い込まれる。  勿体無い。ボクの中に注いでほしい。  圭一は肉を抜けきれない。  ボクも肉を得ることはできない。  だからせめて、ボクがどんなに圭一のことを愛しているか、気づいてほしい。  今日、圭一に謝った。  繰り返し繰り返し謝った。  泣きながら。喜びに震えながら。  圭一がボクの声に気づき始めた。    それからは話しかけるのをやめなかった。   けれど目の前にいても視線が合わなくて、悲しい。  圭一が耳を塞ぐ。  ボクの声がはっきりと届いている。  そのことが分かると、とても嬉しくなる。  圭一が一人で登校するようになった。  ボクと圭一の二人だけ。楽しい。   梨花が文句を言ってきた。  死んだ記憶がない。一体どうなってるの。  梨花の死なんて関係ない。  ただ圭一が死んだときにだけ、ボクは力を使う。    圭一がボクの名前を呼んでくれた。  やっと、やっとボクが見えるようになったみたいだ。  上擦った声で羽入、と名乗ると、同じように返してくれた。  言葉が伝わる。目が合う。  触れることができたらいいのに。  幸せな毎日だけれど圭一の死が近づいていることを否応なく悟ってしまう。  もう一日もないかもしれない。  それでもいい。待つことは嫌いじゃない。   また圭一がボクの愛に気づいてくれる日がくるように。  次の世界でも、圭一が雛見沢症候群を発症するよう、ボクは祈り続ける。

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