この物語は鉄子の旅とはつながりません。
走る電車、横見神村菊池一行は ひととおりの旅を終え解散地の最寄り駅に向かっていた。
だんだん眠くなり横見神村菊池は眠りこけます。
そして目が覚めた。今どの辺を走っているのか外は暗くて何にも見えない。
横見は窓ガラスに密着して外を見るも、それは横見ですら知らない景色だった。
乗り過ごしたのかとざわざわする一行。
まあいっか精神でそのまま居座り駅に着くのを待つ横見神村菊池
だが、いつまでたっても駅につかない。もう20分は乗っている。
列車が減速したことに気づき、そろそろ駅に着くと感づいた横見。
するとアナウンスで『きさらぎ〜きさらぎです』という車掌のアナウンスが聞こえた。
『きさらぎ?聞いたことがない駅名だな』と首をかしげる横見
全駅制覇した横見が知らない駅があることに神村菊池は不安になった。
そんなこんなか列車は真っ暗闇のなかにある駅に停車した。
ドアが開き車内に冷たい風が吹き込む。
ざわざわする一行。直感でヤバいと感づいた神村菊池
横見は真顔で降りたことない駅に呆然としながら開いたドアの方へ向かう。
やめなよと止めようとテンパる菊池、つづいて神村も思わず乗り続けるよう説得。
しかし横見はホームに降りてしまいつづけて神村菊池も降りて、とうとう一行はホームに。
周りは古めかしい設備で夜ということもあって暗い。
かろうじてホーム天井の蛍光灯で照らされているが薄暗い。
必死に問いかける神村菊池
横見は操意状態なようで神村菊池の言うことを無視。
横見を説得しているうちに扉が閉まり電車は行ってしまう。
ここで横見が我にかえる。
なぜここに居るのか覚えていない様子だ。
菊池は時刻表を探すが見当たらない。
横見は携行用時刻表を取り出した。
路線図のページを端から端までよく見たが、きさらぎ駅なんて駅はなかった。
あたりを見渡すと木々が生い茂り遠くには連なる山が見えた。携帯電話が圏外と神村。
困り当て途方にくれた一行。
すると遠くから鈴や太鼓の音が聞こえてきた。
なにかヤバいことになりそうとテンパる神村菊池
横見は線路を歩いて戻ろうと一言。
一行は線路を歩いて行った。
『こらっ線路を歩いていると危ないぞ』
突然おじさんに声をかけられた。
だがそのおじさん片足がなかった。
呆然とした一行におじさんは煙が風吹かれるように消えた。
恐れに慄いた一行はパニックになり走って列車と逆の方向へ走って行った。
しばらくして息切れて休憩する一行。
すると神村は深刻そうに語った。
あのきさらぎ駅では?と。
ネットの掲示板で話題だった あのきさらぎ駅で今まで出会ったことがピッタリで驚き話すことを決めた神村。横見も菊池も聞いたことがある程度だった。
神村によると はすみというやつが線路を歩いて帰ろうとしたときこの向こうにトンネルがあるという。
この路線にトンネルなんてないはずという横見。
しかし言った通りトンネルが現れた。
伊佐貫トンネル?また聞いたことがないトンネルだと横見。
一行は意を消してトンネルに入った。
向こうから列車がやってきたら轢かれてしまう。
そんな懸念にかられる菊池。
トンネルは闇、足音とときおり枕木との間にある砂利を踏む音が響く。
奥に明かりが見えた。出口だと希望を持ち走って行った。
出てしばらくして線路の傍らで車がヘッドライトを放ち停車していた。
中から人が出てきて、どうしました?と尋ねる菊池は道に迷った駅まで送ってくださいと説明。
するとその人は駅まで送っていくと快諾。喜ぶ菊池。
しかし神村は俯いて浮かない顔していた。
神村は知っていた。この車に乗るとどこかに連れて行かれるのだと。
神村は急に乗ってはいけませんと強く主張し、なんで?と反発する菊池。
神村は自分たちが きさらぎ駅に着いたときから異世界に来てしまったこと、この車に乗ると生きて戻れなくなることを必死に説明。
しかし菊池はデマだと思い込み神村の言ったことを否定。
すると急に横見は歩いて行きますから結構ですと断った。
車に乗せてくれるひとは夜道は危ないと説明するも頑なに食い下がる横見。
それに便乗して歩いて行きますという神村。
何を言ってんのと反発する菊池。神村は携帯電話を取り出したすると電波がある。これで連絡できるととっさか石川にメールをした。
そのころ編集部ではたまたま夜勤で仕事していた石川の姿。
石川の携帯電話に着信音。こんな時間に誰からだろう?と携帯電話を手に取ると、神村からだとわかった。
横見と菊池が言い争っているなか、神村はメールでこれまで起きたことを書き込んでいた。
石川も きさらぎ駅について知っていてこれが事実となればと事態を重く見て神村に指示した。
言い争う横見と菊池。
そこへ割って入るように神村が問いかける。
神村は石川から教わったとおりのことを説明し納得したた菊池。確実に帰れるならと一行がまとまったところで謎のひとに改めて断りをいれその場を立ち去った。
一行は神村の指示で走り神社を目指した、
そのころ石川は大急ぎで近くの神社に行き鳥居の両側に樺木の皮を置いて燃やした。
鳥居の両側で樺を焚くと鳥居の内側に異世界への出入口が発生する。
これこそ横見たちが帰ってくる数少ない方法だった。
一方、横見一行は神社のある山麓に着いた。
そこから階段なのだが、これ登るのー?と反発する菊池、神村に促され嫌々ながら登る。
鳥居が見えて来た。その内側は光っていた。
登り切ったら勢い あの光に よく飛び込んでくださいと神村。
いっせーのーと神村の 一言で乗っかるように横見菊池は鳥居に飛び込んだ。
一行は神社の敷石に腹から着地。
少し痛がりながら起き上がると、やった成功だ!成功したと石川が声をかけてきた。
あれ、石川さん?と菊池。
ってことはと神村。戻ってこれたんだと菊池。
喜ぶ一行。
だが、一行の飛び込んだ鳥居から何かが近づいてきたことに気づいた石川。いけない!このままじゃ魔物がくる!
そこへとっさに焚き樺を踏み消した神村。
すると鳥居の内側にある光はプツンと消えた。
間一髪のところで最悪な事態は免れた。
緊張の糸が切れたように腰を抜かす神村。
横見さんといるとロクなことがないと愚痴をこぼす菊池。
性懲りも無く異世界の駅巡りを企てようとする横見。
反発する菊池。談笑して締めくくった。
数日だったある日。
鉄子の旅を掲載する雑誌には 何故か異世界の特集が組まれていた。
最終更新:2020年10月09日 18:01