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伊織「あぁー・・・2学期始まんの、もうマジすぐじゃん・・・」
伊織「つーか、来年もう高3だもんな&なんか、速えーよなぁ・・・」
伊織「あれ、あの子・・・」
ドレスの少女「・・・また、君?」(伊織慌てる)
伊織「あ、いや・・・」
伊織「つーか、驚いたな。覚えてたんだ、オレの事?」
ドレスの少女「そっちもでしょ・・・」
伊織「いや、君ホラ、割と目立つカッコだしさ・・・」(無視してスケッチブックに夢中)
伊織「あのさ・・・なに描いてんの?」
ドレスの少女「絵だけど?それが何?」
伊織「ああ、別にどうとかは・・・無いけどさ。」
伊織「ただ、そやって熱中できるモンがあんの、イイなと思って。」
ドレスの少女「意味なんて無い・・・ただ、描きたいから描いてるだけよ。」
伊織「ふうん、そっか・・・」(伊織去りつつ)
伊織「・・・それ、出来上がったら、オレにも見してくれよな。」
ドレスの少女「・・・・・・。」
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伊織「よう、またまた会っちゃったな。」
ドレスの少女「そっちが勝手に来るんでしょ。」
伊織「オレ、順平ってんだ。」
伊織「君、名前は?この辺に住んでんの?」(無視してスケッチブックをたたみ立ち上がり去ろうとする)
伊織「オイ、ちょっとその手!?」
伊織「待てって!ケガしてんじゃんかっ!」
ドレスの少女「ちょっと、この間から何なの!?用も無いのに付きまとわないで!」
伊織「そんな、放っとけっかよ!血ぃ出てんだろっ!?」
伊織「ほら、手出せって。縛ったりとかしないと。」
ドレスの少女「何を慌ててるの?」
伊織「はぁ?慌てんだろ、フツー。」
伊織「すぐ医者に見せろよ。てか、ついてってやろうか?」
ドレスの少女「・・・・・・。」
ドレスの少女「・・・ヘンな人ね。」(去ろうとしつつ)
ドレスの少女「チドリよ。」
伊織「は?」
チドリ「私の名前。順平が訊いたんでしょ?」
チドリ「あの絵・・・もうすぐできるから。」
チドリ「私の描いたものは、私にしか分からない。でもそんなに見たきゃ・・・来れば?」
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伊織「よっ、チドリ。」
伊織「この前のケガ、あれからどうした?」
伊織「え、アレ・・・傷は?跡も無い・・・?」
伊織「意外と軽かったのか・・・?」
チドリ「順平はさ・・・何をしてる時自分は生きてるって思う?」
伊織「え、さぁな・・・息してる時とか?」
伊織「ハハ、つか考えた事ねーや。」
伊織「チドリは、やっぱ絵描いてる時か?」
チドリ「どうかな・・・こんなの全部、ただの落書きだし・・・」
チドリ「自分の事なんて・・・分からない。」
伊織「そっか・・・」
伊織「隣、いっか?」(隣に座る)
伊織「オレさ、実は1コだけあんだよね。充実してっかなって、思える時がさ。」
伊織「まぁ、なんつーか、正義のヒーローやってる時かな?」
?
伊織「今日と明日の間にある誰も知らない時間・・・そこは、選ばれた力を持つものだけの戦場!」
伊織「影の怪物から人々を守るため、ヒーローは今日も戦い続ける!」
伊織「っとまぁ、そういう感じでさ、充実の瞬間っスよ!」
チドリ「・・・・・・。」
伊織「えっと・・・鼻で笑ってツッコむとこだぜ?冗談だから。」
チドリ「それ・・・あなた1人で戦ってるの?」
伊織「お、おいおい、真に受けんなって。」
チドリ「誰も知らない時間の中なんでしょ?」
チドリ「なら・・・誰も知らなくて当然じゃない。」
!
チドリ「誰も知らなくて、誰も誉めてくれないのに、戦ってるんだ。」
チドリ「エラいね。ちょっと見直した。」
伊織「そう・・・かな?」
伊織「こんな話、信じてくれちゃうとは、思わなかったな・・・」
チドリ「ねぇ、それ、もっと訊きたい。」
!
伊織「なんか・・・不思議だよな、君。」
伊織「んーと・・・ま、いっか。じゃ、これ絶対ヒミツにしてくれよ?」
伊織「ペルソナって超能力みたいのがあってさ。それ使えるヤツだけが、怪物をたおせんだ。」
伊織「けど誰でもペルソナ使える訳じゃなくて、だから選ばれた何人かで戦うしかない。」
伊織「仲間はダチとか先輩でさ・・・こう見えても、オレ入ってからは連戦連勝なんだぜ?」
チドリ「へえ、楽しそうね。」
チドリ「順平が来てから連勝って事は、順平は、チームのエースみたいなもの?」
伊織「ま、まあな・・・」
伊織「リーダー的な役割・・・ってとこかな。」
伊織「とりあえず、オレがいないと始まんないって感じ?」
伊織「作戦はじまったら、みんなオレの指示で動くんだ。結構大変なんだよな、リーダーってのも。」
チドリ「・・・・・・。」(スケッチブックをたたみ立ち上げる)
チドリ「ありがとう・・・順平。楽しかった。」
伊織「そ・・・そっか?」
チドリ「でももう時間。また明日・・・会いたいな。」(去る)
伊織「へへッ・・・また明日、か。」
伊織「・・・ヨシッ!!」