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運動2 - (2014/04/20 (日) 15:57:33) の編集履歴(バックアップ)


目次

テニス選手の巨人化 (H23.5.28)


 最近、テニス選手が大きくなつた。男子なら190センチくらゐは普通である。女子でも180センチは大きいうちに入らない。昔は、「ビッグサーバー」でも180~185センチくらゐが多く、大きくても190センチであつた。それ以上の人も、たまにはゐたが、大成した人は知らない。

 あまり大きい人がゐなかつたのは、背が高いとロウボレーが難しいからである。ポイントを決めるため、ネットに詰めてボレーしようとしたとき、背が高いと低い球に對應しにくい。膝をより折曲げて低い姿勢にならないといけない。咄嗟に腕だけ伸して打つたのではいい球は返せない。腕だけ伸すにしても、元々ラケットの位置が高いから、低い球を打つにはより長い距離下に移動させる必要がある。
 ところが、ラケットの改良を野放しにしてゐたものだから、ラケットが格段によくなり、ベースラインからエースが取れる樣になつた。その結果、ボレーが不要になつた。わざさわざ危險を冒してネットに出て行かなくても、後からポイントを決められるのである。
 かうなると、背の高いことの唯一の弱點であつた、「ロウボレーがし難いこと」は消えてしまふ。サーブもスマッシュも、背が高い方が有利である。それだけではない。グランドストロークも、打点が高い分、ネットを越えて確實に入れやすいし、また、サイドにより角度をつけてエースを狙ふことも出來る。かくして大型選手の跋扈する時代となつた。

 この前も、イズナーといふ206センチの選手が出てきて、ナダルを負かしさうだつた。途中からサーブアンドボレーをやり出してボレーのミスが多くなつたところで見るのをやめたが、結局勝てなかつた樣である。グランドストロークに徹してゐたら、分らなかつたのではないか。

 テニスは、放つておくと、バスケットボールみたいに、2メートルの大男ばかりになつてしまひさうである。ラケットは今更いぢれないとしたら、コートを狹くするとか、ボールを飛ばないボールにするとか、何か対策を考へて簡單にエースが取れない樣にする必要があるのではないか。

高橋選手は腿が上がりすぎ (H23.6.11)


 陸上の高橋萌木子選手が走るのをたまたまテレビで見たが、明らかに腿が上がりすぎてゐる。腰が入つてゐれば、あんなには上がらない。あれだけ腿が上がると云ふことは、腰が入つてゐない證據である。
 實際、かなり跳びはねる樣な感じのする走りである。腰が入つてをらず、地面を蹴る角度が大きいから、上への分力が大きいのである。その分、水平に前に蹴る分が減つており、前への速度が落ちる。
 このフォームであれだけの記録が出るのであれば、まともなフォームで走れば、輕く日本記録を破れさうである。

ボルトは何故速いか (H23.8.28)


 ボルト選手のフォームはよくない。しかし速い。何故か。
 フォームがよくないといふのは、胸を張つてゐないのを言つてゐる。胸を張つて反り返る位の感じになり、上體が安定してゐるのが理想的なフォームである。かつてのマイケル・ジョンソンの樣に。ボルトは、上體が少し前傾気味で、妙に搖らしてゐる。

 それでもボルトが速いのは、スタートが速いからである。ジャマイカでは、上り坂の道路でスタート練習をしてゐると、パウェル選手の特集TV番組でいつてゐた。その効果で、大腰筋だつたか腸骨筋だつたか忘れたが、パウェル選手は目茶苦茶に太くなってゐた。朝原選手の倍くらいあるやうに見えた。朝原選手も、決して細くはない筈であるが。
 この筋力のお陰で、あれだけの大きな體でもスタートの加速がいいのである。昔は、100m競走の場合、身長175~180センチ位が最適などと言つたりしてゐた。あまり大きいと、體重の割に筋力が大きくないので、スタートが遲くなるといふのである。實際、さういふ傾向は見られた。しかし、パウェル、ボルトの出現で、この迷信は打破された。筋肉を鍛へれば、大きくてもスタートを速く走れるのである。

 ボルト選手の走りを見ると、前半が速い。筋力を活かして、加速がいいのである。後半はその速度を維持するのであるが、フォームが、先に書いた樣に、よくないので、少し落ちてゐるのではないかと思はれる。
 彼はしばしば最後を流して走つて、流さなかつたらもつといい記録が出たのではないかと云はれたりもしてゐるが、逆に、流したから減速が少なかつたので、流さなかつたらむしろタイムは惡くなってゐた可能性もあると思ふ。

バレーボールの作戰 (H24.5.28)


 日本女子バレーボールは結局オリンピック出場が決つたが、アジア枠でなんとかといふことであつた。
 ちよつとしか見てゐないが、遮二無二兩翼からの攻撃を試みてブロックに掛つたり、拾はれたりしてゐるといふ印象を受けた。サーブレシーブがきちんとセッターに返らないから仕方がないと云ふことの樣であるが、もう少し工夫できないのであらうか。セルビアなどは、ラリー中でもやや後からパスしてセンター攻撃を試みたりしてゐた。レシーブが綺麗に返らなくとも、うまくやればセンター攻撃も出來ないことではない。ちよつとレシーブが亂れると兩翼からかせいぜいバックアタックかと決つてゐれば、守る方は守りやすい。

 サーブレシーブがそんなに高率できちんと返るといふのは所詮無理ではないか。日本チームが特に惡いのなら別だが、さうでなければ改善代はそんなに大きくはなからう。だとすれば、それを前提に、少し亂れたときの對處法を工夫すべきではないか。判で押した樣な攻め方では、相手は守りやすい。速攻も選擇肢に含めることを考へる餘地はないのであらうか。何れにしても、どうにかして攻めをもつと多彩にすることを考へる必要がある。

 ついでにいへば、日本選手はやはり大振りし過ぎる傾向がある。テークバックが大きいのである。野球のキャッチャーが投げる樣に、テークバックなんか無しでいいのである。ピッチャーはある程度テークバックするが、これは緩やかな動きから腰を捻る調子を得るためにやつてゐるだけであり、腕の動きで本當に有效なのは、肱が疊まれてからの動きだけである。
 テークバックが大きいと、結局、手打ちになりやすい。その結果、當てる感じになり、當るときの角度が少し狂ふと大きくそれてしまふので、打つコースをコントロールするのが難しい。その結果、ブロックに當てたり、守りのゐる所に打つてしまふことになる。コンパクトに打つと、手の動きで押す感じになり、押した方向に飛ぶからコースをコントロール出來る。勿論、腰の囘轉を生かせるのでスピードも出る。この差が決定力の低さに繋がつてゐる。

森田選手のミスの原因 (H24.6.30)


 テニスの森田選手がテークバックを小さくしたとテレビで言つてゐた。確かにさうしてゐる樣だつた。しかし、チャンスになると大きく引いてミスを連發してゐた。この人の場合、兩手打ちなに何でそんなに引けるのかと思つたが、よく見たら手首を後屈してゐる。最も惡いパターンである。
 森田選手は開眼したのではなく、速い打合ひでは、テークバックを小さくした方が振り遅れたりしないで正確に打ちやすいと思つただけなのであらう。チャンスに速い球で決めるためにはテークバックを大きくしないといけないと信じてゐる樣である。實は、テークバックを小さくすることが、速い球を打つこつなのであるが。

 手首を後屈して意識的に使ふと、手首が何處で返るかによつて球の飛んでいくところが變つてしまふ。手首を後屈しないで普通に打つと、途中でラケットが遅れるので自然に手首は曲るが、最後に眞つ直ぐにラケットを出す時に手首も戻つて行く。この自然な動きで打てば球に當てるのでなく、眞つ直ぐ押し出す樣に打てるので安定する。また、コンパクトに振ることで腰の囘轉を速く出來、それをラケットの線速度に變へることでスピードも出る。

 以前に卓球の石川選手が開眼と書いたが、いつやらテレビで見たら、チャンスでは大振りしてミスしてゐた。森田選手と同じ考へだつた樣である。
 何と言つてもコーチも殆ど皆、大きく引かないとスピードが出ないと信じ込んでゐる状況では、ひとり開眼することは難しいのであらう。

進化したフェデラー (H25.1.20)


 テニス全豪オープンをテレビで見たが、フェデラーは進化したのではないか。バックハンドがよくなつてゐる。以前はやや引きすぎの感があつたが、今は足の前くらゐから輕く振り抜いてゐる。テークバックでラケットを立てて、そのまま下げてから打つてゐる。
 コンパクトなので、相手のショットが良くてピンチの時でも、素早いスィングで逆襲してゐた。
 同じスイスのバブリンカ(Stanislas Wawrinka)も何故か似た樣なフォームだつた。

H25.1.25 追記
 今日の準決勝のマレー戰ではフェデラーは良くなかつた。結果として2-3で負けたが、この前の樣なフォームではなかつた。テークバックしたラケットを、この前は下に下げてから振つてゐたが、今日は後に引いてゐる場合が多かつた。そのためミスが多かつた。
 前に出て打つときはさうでもなかつたが、後から打つときは、決めようと焦つたのか、形が乱れてゐた。

 體調がいい惡いとか、作戰がどうとか、色々あるだらうが、基本的な形がちやんと出來ているかどうかが根本的に大事なのである。


わざは敎へられぬ-柔道監督の暴力問題に思ふ (H25.2.12)


 少し前、柔道全日本の監督が暴力を振つたと問題になつた。いろいろあらうが、なぜ暴力的になるのかが先づ問題である。それは、多分、わざを敎へようとするからではないか。敎へるけれども、なかなか傳はらない、それがいらいらを生み、言葉が荒くなり、つい手が出てしまふ。

 なぜ傳はらないかを、どうして考へないのか。口で説明したり、手取り足取り敎へても、本人が體得し、その技の形が頭に描けなければ、身にはつかぬ。つまり、技は敎へられぬのである。
 出來ることは、せいぜい、模範を示して見せて、眞似させることである。口で敎へることは害にこそなれ、ためにはならぬ。瞬間の體の動きを、大腦で制禦しようとすると、必ずをかしな動きになる。練習して體が覺えた動きでなければ駄目である。

 昔、職人は、何も敎へず、技は盜めといつてゐた。冷たい樣だが、それが正しいのである。技は敎へられぬ。自分で體得するしかない。
 基本的には、繰り返し練習し、どうすればやり易いか、體で掴むしかない。疲れるまで練習すれば、自づと無駄のない形になつて行く。その時、うまい人の技を見て、イメージを掴み、眞似をすれば、練習の效率が上がることは間違ひない。手本を示す、それが敎へる人に唯一出來ることである。

田中投手が打てないわけ (H25.9.29)


 プロ野球樂天の田中投手が快進撃を續けてゐる。最近は、佐藤コーチの指導を受けて、フォームも良くなつてゐるといふ。多分、以前よりはいいのであらうが、腰の捻りが十分利いてゐる樣には見えない。そのため、腕の動きも滑らかでなく、見てゐてあまり氣持よくはない。

 しかし、球はそこそこ速い。持つて生まれた肩の良さなのであらう。といつても、特別速いわけでもないのに、直球勝負でも通用したりしてゐる。それが不思議だつたが、テレビのニュースで何球か投げるのを見てゐて感じたのは、投げる形が少しぎくしやくしてゐるから、タイミングを合せにくいのではないかといふことである。
 投げ方が滑らかでないから、投げるのに掛る時間がその時その時で多少變るのではないか。さらに、球の速さや手元での伸びや曲りなども、微妙に變る。それで打つ方は打ちにくいのではないか。

 今はコントロールもそこそこいいのでこれで通用しているが、年齢とともに體力が微妙に低下して行くだらうから、その時に今の球威とコントロールを維持出來るかどうかが課題であらう。やはり、さらに形を改善して、球威とコントロールをもつとよくする方がいいと思ふ。
 今の投げ方を見ると、體の捻りをほどいてその惰性で投げることが分つてをらず、腕の力で速い球を投げようとしてゐる樣に感じる。その考へを改めるのが先決である。腕については、腰の切始めで腕が早く出ていかない樣に押へておく力はいるかも知れぬが、腰が切れたら腕はその惰性で勝手に出て行くだけであり、力はいらない。逆に、腕に力が入つたら自然な動きが妨げられて、球威もコントロールも落ちてしまふ。その感じを體得する必要があるが、なかなか良いお手本がないので難しい。

錦織のミスには原因がある (H25.1.21)


 錦織の試合を見た。20日の全豪4囘戰ナダルとの對戰を録画で見た。6-7, 5-7, 6-7で負けた。3セット目は、先にブレークしたが、その後位からミスが一段と多くなり負けた。もともとミスがナダルより多かつたが。特に、チャンスで大振りしてアウトする場合が多かつた。

 速い球を打たうとして、大きく引いてしまふのである。普段はインサイドアウトにうまく打つてゐるのであるが。速い球を打たうとして、大きく引いてしまふのである。その結果、アウトサイドインに、後ろから斜め前に當てにいく樣になり、當たる位置が少し狂ふと方向が大きくずれる。腰の回転が使へず、腕だけで打つことになり、球速も落ちるし、球の回転も減るので、アウトしやすい。
 インサイドアウトに、體の近くからまつすぐ押す樣に打てば、當たる位置が少しずれても方向は變らない。つまり、精度が上がる。腕の力でなく、腰の回転の惰性で腕が振られ、スピードも出る。小さい半徑で角速度を稼いでおいて、最後に腕を伸ばすと、半徑が大きくなり、大きな線速度が得られる。

 この原理は、テニスだけでなく、ものを投げたり、打つたり、蹴ったりする場合すべてに當てはまる。これを知らずして大振りばかりしてゐては祿なことにならない。しかし、實際、分つてない人が殆どではないか。

 さう言へば、セレナ・ウィリアムスが負けたが、手打ちになつてゐた。不思議だつたが、後で聞けば、背中が傷んでいたとのことである。錦織も、或は、少し疲れたゐたのかもしれぬ。ただ、チャンスの時に大振りする傾向があつたから、それだけが原因でもなささうである。

 よく、ミスは集中力などの問題にされる。それも勿論あるかもしれぬが、一番の原因はフォームの亂れである。フォームさへきちんとしてゐれば、そんなにミスはしない。體の調子が惡くてさうなるのは仕方がない面もあるが、チャンスの決め球でさうなるのは、考へが間違つてゐるからである。このことを指摘する人がゐないのが不思議である。

ディープインパクトの走り−脚のたたみが早い (H26.4.20)


 テレビでディープインパクトの特集を見たが、走るフォームを調べてゐた。それによると、二つ特徴があり、ひとつは後ろ脚を普通の馬よりよく疊んでゐること、二つ目は前脚の關節が柔らかく蹴るときの角度が淺いので上に跳ばないことだといふ。
 レースを見て見ると、確かに後ろ脚の疊み方が素早い感じがした。そのため、輕快に見えるし、實際、回転が速くなつてゐると思ふ。
 人間でも馬でも基本は同じである。