「新メディアはテレビを救う」、コンサルティング企業が近未来予測
会計監査やコンサルティングで有名な「プライスウォーターハウス・クーパーズ」が6月21日、5年毎のメディア予測リポートを発行した。
それによると、CM飛ばしを可能にするDVRや、ウェブサイト等の映像新メディアは、これまでテレビビジネスの敵と見られていたが、今後は逆にテレビを助けるだろうという。
【テレビ売上6.5%増へ】
同リポートは、2011年までネットワークとケーブルテレビの広告売上が年平均4.5%伸び、463億ドル(約5兆6千億円)になる。広告も含めた全売上は年平均6.5%伸びて854億ドル(約10兆5千億円)となるだろうと楽観的な予測をだした。
【ネットがTV視聴増やす】
同社の顧問パートナーであるマイク・ケリー氏は『いまはテレビ番組が(形態は違うが)最も見られている記録的な時期である』と語る。
インターネットやiPodで再放送が視聴できる環境は、テレビ視聴を押し上げる要因となった。これによって人々は番組の内容を知る機会が増え、続きを、あるいは前のエピソードを観たいという気にさせられる。だが、個々のチャンネルの視聴者数は、チャンネル数の増加につれて減少する傾向にある。
【HDTVに明るい未来】
最もポジティブな予測はHDTVである。2011年までには全米テレビ世帯の59%が保有するだろうとみている(現在は約28%)。
またDVR世帯も2011年までに39%に拡大すると思われる(現在は約17%)。
【DVRはパーソナルに】
今はまだ1世帯に1台というDVRだが、ケリー氏によれば、これからは自分の部屋のテレビにもDVR機能がつき、よりパーソナルな機器となって普及が拡大するという。
【携帯映像ビジネスも期待】
テレビ局の携帯向けビデオライセンス売上も今後伸びるだろうと報告書は指摘する。
昨年のテレビネットワークのライセンス収入は2億4千万ドルだったが、2011年までには32億ドルに増収すると予測している。