FCCがメディア所有規制緩和を採決へ。有力議員から慎重論。
米国では、ひとつの地域で新聞、テレビ、ラジオを一社が独占しないようにするメディア規制があります。日本でもメディア規制の緩和が議論されているようですが、アメリカでも同様の議論が進んでいます。
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FCC(米国連邦通信委員会)は、現在のメディア所有規制を緩和することを今年12月18日に採決する予定である。だがマーチンFCC委員長に対して、有力議員が採決を急がないように圧力をかけている。
急先鋒はドーガン上院議員(民)とロット上院議員(共)で、12月の採決をストップさせると発言。マーチン委員長が決行するなら、それを無効にする特別行使権の発動も辞さない構えだ。両議員は、「FCCはメディア再編成で、地方にどのような影響が出るか十分な調査を行っていない」と批判。調査のあと90日かけて人々からコメントを集め、その上で採決するように主張している。
他にも公共団体メディアアクセスプロジェクト、オバマ民主党大統領候補、ディンゲル下院商務委員長らが、同様な要請をしている。
【新聞もTVも所有可能?】
マーチン委員長は、1974年制定のメディア所有規制は時代遅れだというメディア業界の声をバックに大幅な緩和を想定している。特に、同じ都市で新聞、テレビの両方を一企業が所有することを禁じる現規則をなくす方向だ。 五人からなるFCC委員のうち現在、共和党委員3人が賛同している。(残る二委員は民主党)
この問題では、パウエル前FCC委員長時代に、異業種メディアも含む、大幅な規制緩和案が通ったのだが、2004年に連邦高裁がこの決議を覆し、FCCが再審議を行うことになっているもの。
【一年半越しの懸案】
マーチン委員長は2006年6月から18ヶ月間、メディア所有規制緩和を再審議してきた。6回の公聴会を行うと約束し、その最後の公聴会が10月31日に行われた。そして、11月13日までには規制改正案の詳細を用意すると語っている。
今のところ、決議日程を変更するつもりはなさそうだ。