NBCの系列局が、独自でDTV模擬実験
ラスベガスにあるNBC系列局KVBCが5月2日、デジタル化移行に向けて模擬実験を行った。
同局は現在アナログとデジタルの同時送信を行っている。ケーブル経由で見ている人は問題はないが、変換チューナーなしでアナログテレビを使っている人は、デジタルに移行後に画面が砂嵐状態になるので対応が必要であると注意を促した。
【30秒実験を7回】
模擬実験は、同局が放送している1日7回のローカルニュースで各30秒間行われた。
スタジオの女性アンカーが『2009年2月17日深夜以降、アナログ波が停止されます。あなたのテレビがデジタル波に対応しているかをこれからの実験で確認しましょう。このまま番組画面を見られた方は問題ありませんが、そうではない方は準備が必要です』とアナウンスした。ニュース画面は機械室にいる男性アンカーに代わり『では今からこのプラグを抜きます』と言ってアナログ送信用のラインを「切った」。
【裏の仕掛け】
じつは、本当に切断したのではなく、プラグを抜くとアナログ信号の回路には、特別に作った「砂嵐映像」が流れるようにしてあったもので、砂嵐画面にはDTV移行の問い合わせ電話番号やウェブサイトのグラフィックが現れた。
30秒後に男性アンカーがプラグを元に戻して放送は通常通りに「復帰した」。
【模擬実験が一番効果的】
同局支配人は、「デジタル移行の際、ラスベガス市のテレビ世帯の10%が影響を受けると予想している。これらの人々の注意を喚起するには模擬実験が一番効果的だ」と語った。
同局は模擬実験の実施を1週間前から告知し、タイミングよく5月の期首月間の開始に重ねて、「あなたのテレビが大丈夫かを試してみるいい機会だから、絶対見てください」と宣伝した。
【苦情なし、FCCが賞賛】
NTVICは、同局に実験結果について尋ねてみた。
アンカーのワグナー氏は「私には4件のEメールが来た」。また技術チーフは、「たくさんの反応があった」と語ったが、ほとんどが衛星放送の加入者からで、本当の移行時に問題が起きないことを確認したい電話だったという。スポンサーからの苦情は一つもなかったとのこと。
KVBCのシミュレーションは、FCCのマクドゥウェル委員とコップ委員から、「どのような方法でも人々の注意をひき、情報を伝えることはよいことだ」と称賛された。
ちなみに、同局のローカルニュースは、たとえば午前6時のニュースは、視聴者数が平均約3万人弱である。
同局が行ったこの実験のビデオクリップを見たい方は、
ココをクリックし、項目2の「pulling
the plug on analog」を再クリックしてください。
最終更新:2008年05月10日 04:54