9月8日からモデル都市でデジタル化先行実施。FCCが発表
FCC(連邦通信委員会)は、来年2月17日のデジタル移行前に先行実施をする都市を探してきたが、ノースカロライナ州の大西洋岸にある
ウィルミントン地区が、実験第一号都市になったと8日、正式に発表した。同地区はFCCのマーチン委員長の地元である。
【開始は9月8日正午】
ウィルミントンには、主要ネットワーク系列局が全部存在し、すでにアナログ、デジタル両波の送信設備が完成している。
ニールセンメディアリサーチによると、同市のテレビ市場規模は全米135位で、州内では最小のテレビ市場。
テレビ世帯は17万8760世帯、約40万人である。
テレビ世帯の約93%がケーブルか衛星放送に加入しており、地上波に依存している人は約7%。全米平均の11~19%(調査により数字は異なる)からすると、有料サービス加入者は多いほうだ。
開始は9月8日(月曜)の正午で、その時刻に同地区ではアナログ波が停止されデジタル波のみが送信される。全米のデジタル移行日の5ヶ月前である。
ウィルミントンのテレビ5局のCEOと、市長、および商工会議所会頭は連名で先行実施を発表。市長は「アメリカ全体のデジタル化への道筋を整える絶好の機会であり、名誉なことである」と語った。
【体験を本番に活かしたい】
FCCのマーチン委員長は発表にあたって、「9月までにウィルミントン地区でのPRなど準備を徹底させたい。先行スタートによってテレビ局と視聴者に様々な体験をしてもらい、それを全米に活かしたい」と述べた。またケーブル会社、変換チューナーの製造と販売会社、
クーポン配布機関とも協力していく方針を明らかにした。
なお、ウィルミントンの公共放送・PBSだけは、ハリケーンの災害報道を重視して、これに参加せず、来年2月17日までは両波を出し続ける。
【安価チューナー発売へ】
変換チューナーを製造している
ディッシュネットワークは、この夏、40ドルを切る最安値のチューナーを発売する予定だが、ウィルミントンでの先行実験に間に合うよう、同市で優先的に販売すると発表した。
最終更新:2008年05月10日 05:02