デジタル化で苦境の低出力テレビ局、裁判所も味方せず
 
低出力テレビ局の団体であるコミュニティー放送局協会(CBA)は5月はじめ、ワシントン連邦高裁に対し、デジタル移行後も、低出力局のチャンネルを国民が容易に観られる対応策を義務化してほしいと訴えたが、裁判所は5月7日、この問題に介入しないという判断を下した。
CBAにはスペイン語放送や宗教、コミュニティー、学校など、マイノリティー主体のテレビ局が多い。
 
CBAが求めていたのは、
FCCが「オール・チャンネル・レシーバー・アクト」(全チャンネル受信法)を履行し、
アナログ波のパススルー(通過)機能が、全チューナーにつくことを義務化する案だった。
同機能がついたチューナーはは現在14機種が認可されているが、これらが家電店で見つかることはまずなく、ほとんどがアナログ波をブロックする機種である。
 
【政府助成に依存】
低出力テレビ局にはDTV化の期限は設定されてはいない。だが多くが経営危機に直面しており、このままでは移行後に視聴者を失うことは必至である。
裁判所が介入しないという判断を受け、CBAは事態を打開するには政府予算を今すぐ拠出してもらう以外ないと主張、関係議員に手紙を送った。
 
【470億円支給要請】
当初、CBAは小規模テレビ市場の低出力テレビ局を対象に合計6500万ドル(65億円)の助成を求めていたが、それを全米の全低出力テレビ局(3千局)に拡大し、1局あたり15万ドル(1570万円)、合計4億5千万ドル(470億円)の支給を速やかに行って欲しいと要請した。
 
CBAの担当者は、この予算は国民の税金からではなく、先日FCCが行った周波数オークションの売上から出せるはずであると語っている。
 
最終更新:2008年05月17日 06:03