NBCU、ウェブ向け映像の制作強化。広告のクロス戦略に着目
 
『良質なコンテンツを作り、あらゆる方法で、いつでもどこでもアクセスできるメディアを目指す』のが今のNBCUの経営だ。
そのNBCUが新たにデジタル・ヘルス・ネットワーク(DHN)を設立した。健康関連のウェブサイトに定期的にビデオを制作し、配給するビジネスである。
DHNの映像は、DHNが独自で制作するが、NBC本体、直営局、ケーブル、そしてそのウェブサイトなど、NBCU傘下のメディアが制作した健康関連ものからも選別しHealthline.com, RightHealth.com, YourTotalHealth.comといったヘルス関連サイトに同時配信(シンジケート)していく。 これらをあわせたネット利用者は約2700万人という。

【ウェブ広告の需要増す
ここ数年、健康関連のビデオといえば、WebMd.com, About.com,EverydayHealthといったサイトが、独自に制作して自らのサイトに載せているが、これらがDHNと提携関係を結ぶ可能性は高い。  
ヘルスケア企業や製薬会社は、広告をテレビなどの伝統メディアからウェブにシフトしてきており、徐々に需要が高まっている。

【需要高く、競争少ない】
NBCUのチーフデジタルオフィサー、カリアフコフ氏は、「ニッチな分野に広告需要がシフトするなかで、良質な映像を定期的に制作する競争相手が少ない点に目をつけた。こうしたデジタルネットワーク(TVからウェブまで網羅するクロス戦術)の開発を続けていく」と語った。

【ペット、車】
NBCUは昨年P&Gと手を組み、ペット専門サイトのPetside.comを立ち上げた。今年3月には自動車関連のビデオコンテンツを制作するドライバーTVの35%株を取得するなど、主要広告分野でのベンチャービジネスを積極的に行なおうとしている。

【女性ターゲット専門】
NBCUは5月12日、「女性層をターゲットにした広告主」向けにWomen@NBCUを立ち上げた。
商品の購買決定の8割は女性が行うという点に着目し、「女性向け商品の広告希望はNBCUにお任せを。理想的なクロスメディアで対応します。」というのが売りである。
メディアを数多く保有するNBCUならではの戦略だ。    

 

最終更新:2008年05月17日 06:06