ドラマのCM減らす。FOX戦術に広告主歓迎
 
FOXは先週の「アップフロント」で、今年秋からのプライムタイムのCM量を全体的に減らすと発表した。
まず秋の新ドラマ「フリンジ」、そして11月以降放送の新ドラマ「ドールハウス」に適用される。
 
【CM16分を11分に】
通常プライムタイムの1時間番組は、全国CMだけで10分あり、これにローカルCM、番組宣伝が入ると、14~16分がCM時間となる。
FOXはまず全国CMを半分の5分に削るという。
FOX広告営業のネスビッグ社長は、「各CMブレークを短くし、特に番組宣伝を減らす」と語った。またFOX系列局にローカルCM量を減らせるかどうかを打診中であるという。
 
【広告主は大歓迎】
広告関係者は、CM枠が長く、CMが続け様に流れる現状では、視聴者を疲れさせ、広告効果が薄れると不満を抱いていた。FOXはこうした広告主の要望に答えるものだ。
大手広告会社役員は、FOXのこの動きを歓迎し「CM減量がどれだけ広告主に恩恵を与えるかを見る良い機会だ」と語った。
 
【採算取れるか】
しかし番組アナリストは、巨額の制作費をかける新番組が、CMを減らして採算がとれるのかと訝っている。通常これらの番組の制作費は、1話につき200~300万ドル(2~3億円)である。
 
【人気P起用の新ドラマ】
「フリンジ」は「ロスト」のJJエイブラムスが制作するSFドラマで、「Xファイル」と「ロスト」を足したようなドラマ。科学で解明できない事件担当のFBI女性捜査員、超自然現象の研究者、IQが異常に高いその息子の3人が物語の要である。
 
「ドールハウス」は「吸血キラー聖少女バフィー」のジョス・ウェドンが制作するアクションドラマ。近未来研究所兼大学の寮のような「ドールハウス」で暮らす記憶を消された若者たちが主人公。
彼らは雇い主に応じて、暗殺者から恋人まで様々な役割を演じるための能力を「インプット」され現場に派遣される。

 

最終更新:2008年05月24日 03:03