CM飛ばしできないビデオオンデマンド、NBC、ABCが参画
ケーブル会社のコックスの契約者は「デスパレットな妻たち」や「30ロック」といった人気番組を、放送翌日から28日間いつでも追加料金なしにVODで観られる。
視聴者にとってはDVR代わりに利用できる便利なサービスだが、早送り機能がない。つまりCM飛ばしはできないというわけだ。この話にABCとNBCがのり、番組を供出している。
サービスは「マイ・プライムタイム」と呼ばれ、もともとABCがコックスと始めたもので、現在カリフォルニア州オレンジ郡で実施されている。夏にはコネチカット州、ロードアイランド州といったコックスの他のサービス地域でも実施される。
FOXも先ごろコックスと契約し、今年後半にこのサービスに参加するという。
【広告主にアピールできる】
CM飛ばし機能付きのDVR機器の出現によってCM価値が問われ、広告収入減を懸念しているネットワークにとっては「早送りできないVOD」は広告主にアピールするいいチャンスである。
【契約世帯20%が利用】
コックスが今年はじめに行った調査によると、契約者世帯の20%が、「マイ・プライムタイム」を利用、そのうち80%がサービスに満足していると答えたそうだ。
広告主は早送り機能が使えないこのサービスを歓迎しているが、普及度はまだ鈍く、視聴者への到達度も低い。
コックスでは契約者のうち25%はまだオンデマンドサービスが受けられない。
あるメディア会社の調査員は、「広告主はVODでどんなことができるのか、その可能性を未だ知らない」と語っている。
【ケーブル会社がCM配信】
ところで5月上旬、ケーブル業界6社(コムキャスト、タイムワーナー、コックスなど)は特定の視聴者に狙いを定めた広告を、セットトップボックス経由で視聴者に配信する共同事業、「プロジェクト・カヌー」を立上げた。
コックスの「マイ・プライムタイム」はそれに関連したビジネスモデルのテストケースとして注目されそうだ。
最終更新:2008年05月30日 08:16