予想超える92億ドル売上げ。アップフロントほぼ終了
5月半ばに始まった米国のテレビ・広告業界の恒例イベント、アップフロントがほぼ終わった。このアップフロントで、今年9月から翌年5月までのプライムタイム番組CM枠の85%が売られる。
景気後退に加え、2007~08年のシーズンは、脚本家組合ストもあって全体的なネットワーク視聴者数が前年比12~15%減となったため今年のアップフロント取引予想額は、良くて昨年並みだろうと思われた。
しかし結果は、昨年の91億ドルから1億ドル増えて約92億ドル(9900億円)になると見られる。
ネットワーク役員の中にはこの売上増を額面どおりに受け取ってはいけないという人もいる。シーズン途中での高価な単発買いを避けるため広告予算がこの時期の取引に大量に回ったか、あるいはネットワークがCM枠を増やしたという理由も考えられるという。
【早期開始でNBCU成功】
各ネットワークの取引高を見ると、アップフロントを最も早く終えたNBCUは、昨年より1億ドル多い19億ドル(2千億円)を売り上げた。CPMが6~7.5%増加した模様である。4大ネットワークでは視聴率最下位のNBCUは、巻き返しを目指し、今年は広告主との交渉を4月から開始したことも功を奏したとみられる。
【売上額トップはABC】
取引額で最も多かったのはABCで、昨年の24億ドルから今年は25億ドル弱(2700億円)に増加、そしてCPMも9%上がって好調だった。
FOXはCPMの上昇率も9~11%と最も高かった。週の放送時間は15時間と他の22時間より少ないが、取引額は19億ドル(2千億円)と好調。
CBSはまだ交渉が終わっていないが、CMPは8%上昇、取引は23億5千万ドル(2500億円)と予想される。
【足引っ張ったCW】
CWは日曜のプライムタイム枠を第三者に委託したため、対象時間が縮小され、取引額も昨年の6億5千万ドルから約3億5千万ドル(378億円)に減った。今年は視聴者数が20%減となったが、若者層のCPMは8%上昇の見込みである。
最終更新:2008年06月14日 03:21