トニー賞視聴率回復、NBA、USオープンゴルフも快調
 
シナリオのないスポーツ中継や授賞式中継は魅力的なテレビコンテンツだ。6月15日()は、午後から深夜までテレビ向けイベントが盛りだくさんだった。

【タイガーと時差のおかげ】
日曜のプライムタイムが始まる午後7時、NBCは定時ニュースもはずしてUSオープンゴルフ最終日の中継を続けていた。開催コースが西海岸のサンディエゴで、3時間の時差があったためNYではプライムタイムにずれ込んだ。しかもタイガー・ウッズが最終ホールで首位に並ぶという理想的な展開で、午後7時~9時は平均視聴者数が1210万人。18歳から49歳のコアターゲット視聴率は昨年の3.5%から3.9%に跳ね上がった。

【NBA、週トップ3独占】
同日午後8時半からはABCでNBAファイナル第5戦の中継が始まった。プロバスケットのチャンピオンが決まるとあって関心が高い。LAレイカーズ対ボストンセルティックスの名門同士の対決。最初の30分はゴルフと重なったが、試合自体は午後9時過ぎから始まったので視聴率にはそれほど影響はなかった。この第5戦は1740万人が視聴した。同週は第3、4試合も高視聴率を得て、週のトップ3番組を独占した。

【トニー賞は昨年より回復】
CBSは午後8時から11時までニューヨーク演劇業界の祭典であるトニー賞の授賞式を中継したが、USオープンと1時間、NBAファイナルと2時間重なった。
昨年はHBOの人気ドラマ「ザ・ソプラノス」の最終回と重なり辛酸を舐めている。
だがゴルフやバスケットのファンとそれほど重複しないのか、昨年の4.2%から4.4%に視聴率は回復、視聴者数は630万人だった。昨年のトニー賞は過去最低の視聴率であった。近年最も良かったのは2006年の5.2%。

映画のアカデミー賞に相当するトニー賞は、今年はリバイバル部門ミュージカルの
「サウスパシフィック」(南太平洋)が7部門を制覇した。新作の最優秀ミュージカルには、「イン・ザ・ハイツ」が選ばれた。軽快なラテン/ヒップホップ音楽とダンスが見もので、マンハッタンのヒスパニック層の多い地区の若者を描いた物語。翌週、受賞作の劇場はいずれも売上が倍増した。

 

最終更新:2008年06月20日 07:30