コミック・コンファレンス、いまやテレビの一大祭典

コミック・コンファレンス
をご存知ですか? 通の間では「ザ・コン」と呼ばれています。
 
毎年サンディエゴで開催されるSFとコミックのファンの集いで、オタク世代のコンファレンスに近い。だが、いまや映画、テレビ業界にとってコンテンツをアピールする重要な場となった。
コミックの出版社、作家、アート展示、フィギュア(キャラクター人形)会社などがブースを出す他、コスプレ大会、映画、テレビ、アニメのスクリーニングも行われる。人気スター、プロデューサー、脚本家もゲストとして参加する大集会だ。

【チケット売り切れ?】
1970年の開催当初には参加者がわずか300人だったのが、昨年は12万5千人に膨れ上がり、はじめて売切れとなった。
今年は7月24日から27日までサンディエゴ・コンベンション・センターで開催される。すでに4日間の通しチケットは売り切れで、1日毎のパスしかないという(大人20~35ドル)。

【絶好のPR機会】
テレビ番組では「ロスト」「バトルスター・ギャラクティカ」、秋の新番組の「ドールハウス」「フリンジ」などSF、アクション番組が「ザ・コン」でPRの機会を狙う。
また「ヒーローズ」はこの期間中に先行試写会を行う。
人気の「プリズンブレーク」「24」のキャストや脚本家がパネル討論に参加する。
異色な分野では、NBCユニバーサルがSFとは全く無縁のコメディ「ジ・オフィス」の脚本家をパネル討論に送り込むという。
「ザ・コン」はSFコミックのルーツを超えたかもしれない。娯楽コミュニティーとして、そのブランドを年々進化させている。
 
【カギはファンの口こみ】
テレビや映画にとって、作品の成功はファンの口コミによるところが大きい。彼らがマイスペースやフェースブックといったSNSで語ることで作品のインパクトが膨らむ。
特にテレビ局はこのイベントに参加することが番組を成功させるカギだと信じている。テレビはファンとの交流を大切にする点が、単に宣伝だけに力を入れる映画とは異なると、ザ・コンのディレクターは語っている。  
最終更新:2008年07月03日 09:14