NBC、大規模クロスメディア調査を五輪で実施
 
アメリカの五輪放送はNBCの独占放送だ。そのNBCが8月8日からの北京五輪で、テレビ、ケーブル、VOD、インターネット、モバイルなどが、トータルでどのように視聴されるかを計測し広告主に提供すると発表した。

【TAMI】
この計測は「TAMI」(トータル・オーディエンス・メジャーメント・イニシアティブ)と呼ばれ、これによって、より明快な視聴データを広告主に提供できる。
NBCはあと二回残している五輪放送の営業に役立てたい意向だ。
NBC全プラットフォームの北京五輪放送時間は3600時間。そのうち2900時間がテレビ生放送で、2200時間は生か録画のブロードバンド放送である。
 
【音声認識可能な携帯使用】
スポンサーが最も欲しがるデータは、あるメディアから違うメディアへ移っていく視聴者の追跡データだ。
ここに目をつけたNBCは、伝統的なニールセンの視聴率調査に加え、TAMIでの計測状況も毎日クライアントに報告する。TAMI用にNBCは全五輪放送の音声認識が可能な特製携帯電話を40人のモニターに持ってもらい、家の外での五輪視聴状況も調査する。この携帯は調査会社のインテグレーテッドメディアメジャーメント社製のものだ。
またNBCは1日500人の視聴者にオンライン調査を実施するという。
 
【ヒーローズで実証済み】
今年3月、NBのCリサーチ部門はTAMIを人気アクションドラマの「ヒーローズ」でテストし、クロスプラットフォームがネットワーク番組に貢献することを実証した。同番組をケーブル、ストリーミングビデオ、iTuneのダウンロード、PCダウンロードなどで再放送/配信した場合、総視聴者はネットワーク単体の視聴者の約15%増しとなった。
五輪終了後にNBCはクロスプラットフォームの視聴状況について自信を持って語れる唯一の局になるだろうと同社は調査結果に期待を寄せている。
 
最終更新:2008年07月12日 06:37