NYの夏自慢、セントラルパークのNY交響楽団無料コンサート
7月12日はボンジョビ、15日はニューヨーク交響楽団と、セントラルパークの大芝生は大忙しだった。無料とあって、大勢の人々がやってきた。ボン・ジョビは48500人、ニューヨーク交響楽団のコンサートは63000人だった。過去にはバーブラ・ストライサンド、ダイアナ・ロス、エルトン・ジョンなどが無料コンサートに出演している。過去最高の人出は、1981年のサイモンとガーファンクルの再結成コンサートで75万人。
【ワインは野放し状態】
ニューヨークでは公共の場所、公園などでの飲酒は法律で禁じられている。ボンジョビはバックバックや酒類の持込が関門で厳しくチェックされたが、ニューヨーク交響楽団の方は野放し状態。2003年、ブルームバーグ市長がセントラルパークのコンサートならワインぐらいはいいじゃないかと提案して以来、アルコールを持ち込んでも警官は見て見ぬフリをするようになったとか。ロックは血気盛んな若者が多いので、酒類は規制が厳しいのかもしれない。
【今話題の2人が出演】
今回のニューヨーク交響楽団のコンサートは、ゲストが新進気鋭の中国人ピアニスト、ラン・ラン、そして指揮者も2009年秋から同交響楽団の音楽監督に就任するアラン・ギルバートということで話題性に富んでいた。そのせいか、常連によると、大芝生はいつになく早いピッチで敷物で埋まったという。筆者の仲間は開演3時間前の午後5時に着いて陣取ったが、取れた場所はステージから300メートル以上も離れたはるかかなた。それでもスピーカーの側だったのはラッキーな方だった。早い人は朝から陣取りをスタートするそうで、そういう意味では日本の花見の場所取りと同じ。アメリカらしいのは、待ち合わせの目印にカラフルな風船を使うことだろうか。
隣との隙間がないぐらいびっしりと敷かれた敷物の海の中、筆者は大人3人と犬一匹で、赤ワインとチーズ、プロシュートのサンドイッチに舌鼓を打った。隣の人の足が時々我々の陣地に入ってくるが、まあいいとしよう。中には本格的にその場でサラダを作っている人、ガラスのグラスや陶器の皿で食事をしている人もいた。心配したのはトイレだが、側に簡易トイレがいくつもおかれて探すのに苦労はなかったが、どこも長い列ができていた。
【最後は花火も】
今回の曲目はチャイコフスキーのピアノ交響曲1番、ベートーベンの交響曲第四番、そしてシベリウスのフィンランディアとポピュラーな名曲ばかりで、アンコールはウィリアムテル序曲。筆者周辺の観客は、スピーカーから流れる音を静かに聴いていた。ずっと後ろの方だった友人の話だと、音は全く聴こえなかったので、結局ただの宴会になってしまったとのこと。しかし蛍の飛びかう快適な夜は、音が聴こえた人も聴こえなかった人も、誰もがエンジョイしたのは明らか。コンサート後にあがった花火は一層夏の夜を盛り上げてくれた。
最終更新:2008年07月19日 06:17