バットマンはスーパーマンより強かった。
週末売上で記録樹立
 
クリストファー・ノーラン監督の「バットマン第二弾「ザ・ダーク・ナイト」が、封切の週末3日間で1億5530万ドル(166億円)を売上げ、過去最高だったスーパーマン3(07年5月)の1億5110万ドルを抜いた。ここ数年、映画の動員数は減少傾向なので、ワーナーブラザーズ映画は初週の売上を1億1千万ドルと低く見積もっていたが、それをはるかに上回った。「ザ・ダーク・ナイト」の制作費は1億8千万ドル(193億円)といわれる。
 
【俳優の死、高い前評判】
今回は、ジョーカー役を演じたヒース・レジャーが、今年1月薬物の過剰摂取で亡くなったことや、映画の前評判が良かったことから、人々の興味が強まったものとみられる。
 
【女性層には「マンマ・ミア」】
同じ週末にはメリル・ストリープ主演のミュージカル映画「マンマ・ミア」も封切られた。「ザ・ダーク・ナイト」が男性層をひきつけた一方、「マンマ・ミア」は女性層にアピールしたようだ。こちらは2760万ドル(30億円)を売り上げた。
 
【不景気に強い映画】
大型映画2本の成功で米国の映画業界はこの週末、過去最高の2億5500万ドル(273億円)を売り上げた。
米国の映画界では、不景気の時も、売上げが下がらないとよく言われる。
8~9年前のITバブル崩壊の際も、旅行やスポーツ観戦に比べて料金が安い映画は、それほど悪影響を受けなかった。ちなみにニューヨークでは先週末は33度を越える暑さだったため、映画館に涼を求めた人も多く、お天気も貢献したとみられる。
 
【楽観できない現状】
しかし史上最高の売上を記録したといっても、映画業界が成長しているとはいえない。高い売上は動員数ではなく入場券が高くなっているからという要因が大きい。
動員数は、インターネットやDVDなどを家庭でみる人が増え、減少傾向にある。
たとえば「ダークナイト」を含めた先週末までの今年の売上総額は55億1千万ドル(5900億円)。昨年同時期と比べると、1.3%減である。
 
最終更新:2008年07月26日 07:05