早期DTV移行のウィルミントンに気になるハリケーン接近中
 
ノースカロライナ州のウィルミントンは、全米の他都市に先駆けて9月8日(月)正午にデジタル化へ移行する予定だ。
気になるのは大西洋側からハリケーンが同地区へ接近していることで、FCCはもしハリケーンが上陸した場合はアナログ波も継続して送信するよう同地区のテレビ局に通達した。
 
【防災情報の重視】
このハリケーン・ハンナは9月5日か6日にはノースカロライナ州の南部に到達する予定である。FCCは地域住民に防災情報がくまなく伝わることを重視し、テレビだけでなくハリケーンの状況を知らせるインターネット用のDIRS(災害情報リポーティング・システム)もすでに稼動させた。
 
【7%がアナログ視聴】
ウィルミントンのアナログ波のみによる視聴者世帯は1万2600世帯、人口の約7%である。他の地域に比べてかなり少ない。地形も平地で電波障害は少ないとみられるため、完全デジタル化への移行はそれほど問題なく進むと見られる。
 
【事前テスト順調】
すでにウィルミントンでは二度にわたり短時間のアナログ波停止テストを行った。
9月2日(火)午後7時半に行われた二度目のテストでは、停止時間を初回の1分より長めにとった。NBC系列のWCETによると、初回8月19日のテストでは視聴者からの電話はなかったが、二度目の長めのテストでは約10件の問い合わせの電話があったという。
FCCは3~4人のスタッフを同地に派遣し、消防署、教会、高齢者団体等でデジタル化の広報活動を行っている。
なお、ウィルミントン地区のNBC系列局であるWECTは、もしハリケーンの勢力が事前に「勢力1」にまで弱まれば、予定通りデジタル移行(アナログ波の停波)をすると発表している。
最終更新:2008年09月06日 05:02