NTIA、クーポン配布に追加予算を申請
デジタル化への移行まで5ヶ月となったアメリカでは、チューナー購入の助成クーポン申請が予想を超えて増加する可能性がでてきた。
今年7月18日、下院通信小委員会のマーキー委員長とエネルギー商業委のディンゲル委員長は、NTIAのベイカー局長代理に、クーポン配布の資金は足りているのかを問いあわせる書間を送った。
それから2ヶ月が経過した9月15日になって、ようやくベイカー氏は連邦政府に正式に予備費の使用を許可してほしいと申請した。
現状では、移行前17日前、つまり2009年1月末で予算は足りなくなるという見通しだ。
【見通しの甘さを指摘】
NTIAによると、これまでNTIAが郵送したクーポンは2500万枚で毎日11万枚の申請があるという。実際に使用されたクーポンの「回収率」が49%という状況から、今後さらなる需要があると見ており、7億ドル(735億円)、あるいは必要な際はそれ以上の捻出の許可を求めている。一方、9月16日の下院公聴会を前にマーキー、ディンゲル両委員長はベイカー氏に宛てて、なぜもっと早く資金不足の情報を開示しなかったのかを質す書間を送り、9月19日までに回答するよう求めた。
【高齢者施設、私書箱OK】
こうしたなか商務省は9月16日、これまで申請を許可していなかった高齢者介護施設などに1人1枚のクーポン券の申請を許可すると発表した。また私書箱の住所での申請も、これまでは不正防止のため禁じていたが、本来の住所も併記することで1世帯二枚までの申請を許可した。
これらは政府刊行のニュースレター「フェデラル・レジストリー」にルールの変更が掲載されて30日後から受け付け可能となる。なおクーポンは3月30日まで申請できる。
【低価格機種の販売を指導】
クーポンは1枚40ドル分で、1世帯2枚まで申請できるが、多くの世帯はできるだけ安価なチューナーを買うことを望んでいる。
現在大手家電小売チェーンで出回っているのは60~70ドル。一方、エコスター製は40ドルと安いがインターネットと電話注文でしか買えないため、FCCのマーチン委員長は9月15日、大手家電小売チェーンでエコスターのような価格の安いチューナーを少なくとも1機種は売るよう要請する手紙を家電小売連盟に送った。
最終更新:2008年09月20日 05:21