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天体観測5 - (2022/09/04 (日) 14:31:38) のソース

&color(blue){※各見出しは攻略本のイベントタイトルより}

***&color(blue){呑天到着}
轟音に空を見上げると、辺りを暗くするほどの
大きさのものが空を飛んでいた。
何百もの飛行機に引かれている。
あれが、白天を打ち上げるための滑走路だろうか。



***&color(blue){大塚5}
大塚「来たぞ、滑走路。
見に行くか?」
&color(blue){(はい )}
大塚「いい返事だ」

分校唯一の機動車両、
ソーイチロー号で海岸近くの道路を通る。
トンネルを、抜ける。

PC「あー!」

太陽の光を照り返して光る海。
そのはるか洋上に浮かぶ、30万t級の巨大な
タンカー2隻に、荷物が乗っていたのである。

大塚「…これが、<呑天>。
全長は1km。
世界最大の無人グライダー。
こいつが滑走路だ。
空中のな。
こいつの下に白天が吊り下げられる」

PC「なんか、柔らかいけどこいつ大丈夫?」

大塚「ソフトスキンだ。
戦車の装甲とは違う」

二人で、二隻のタンカーに橋渡しされている
一機の呑天の主翼の上を歩いていた。

PC「どうやって作ったんだ…、こんなの」

大塚「海の上で、浮かべながら作ったそうだ。
駿河湾は、すごい交通規制だったそうだが。
…明日には牽引用の飛行艇が来る。
海上保安庁から博物館まで、かき集められるだけかき集めてきた奴だ。
100機ぐらいが来るだろう」

PC「…ここまで来れたんだ」

この日は巨人機の翼の上で野球をやりました。
そして一日が終了した。

&color(blue){(いいえ)}
大塚「そうか、残念だな」



***&color(blue){茜2-1}
「一つ作戦がある。
乗ってみる?
&color(blue){(いいよ)}
「そう言うと思った。
じゃ、今から説明する。」 (※)へ
&color(blue){(話を聞かせてくれ)}
(※)
「天文観測する時間を稼ぐために、
一時的に敵を撃滅するプランを考えた。
「……まあ、芝村の末姫のアイデアの焼き直し
だけどね。
「偽情報を流して敵の攻撃を誘発する。
これで、多分一番貴重なその時間を、稼げるはず
だ。
「……どうする?」
&color(blue){(乗った)}
「準備しておくよ。」
&color(blue){(いや……やめよう)}
「そうか、すまないな。
僕がなんだか、熱くなっていたのかもしれない。」


***&color(blue){茜2-2}
「仕掛けてきた。
もう間もなくだろう。」


***&color(blue){ホームルーム17}
大迫「そろそろ島の沖に、
日本が保有している全部の空母が集まる頃だ。
見に行くのはいいが、腰をぬかすなよ。
護衛艦艇もふくめりゃ200隻を超える。
日本の保有艦艇の8割だ。
さて、ホームルームを始めるぞ」



***&color(blue){組み立て中3}
大迫「おお」
都「おはよう。みんな。
近いからって、ちゃんとやすまなきゃだめよ」
大迫「少しだけな」
都「もう…。
もう立てるために注水したのね。
最終チェックも、そろそろかしら」
大迫「花は咲きそうか?」
&color(blue){(ええ/まだ不安定な可動部分があります)}
大迫「そうか。
しかしまあ、時間は少ない。
チェックまでふくめてぎりぎりというところか。
ああ、咲くといいなあ。
男先生は、最近そういうことばかり考えているよ。
うまくいくといいな」
都「この白い花、綺麗ね、誰がおいたの?
……誰もいないの?ヘンね……。
いい心配りだと思ったんだけど」
大迫「よし、ホームルームやるからそろそろみんな学校いけ!
……先生も」
都「あ、ごめんなさい。花が気になって」
大迫「誰だっていいじゃないですか。
きっとみんな、俺たちの生徒を応援しているんですよ」



***&color(blue){海軍機飛翔}
あなたが空を見上げると、
ひっきりなしに飛行機が飛んでいた。
海軍機のようだ。
どうも空母が近くの海にいるらしい。
あなたが手を振ると海軍機は機体を傾けて
挨拶して飛び去っていった。


一方その頃
大塚「奇麗じゃないか。
   加奈子だったら、この風景をどう思うかな?」
石塚「喜ぶと思うよ。
   騒がしいのが好きな娘だったから。
   …見せてやりたいな」
大塚「…恨んでいるのか」
石塚「あの時は仕方がなかった。
   一人しか助けられない状況だった。
   君はベストの判断をしたと思う」
大塚「……嘘だろ?」
石塚「……ああ、嘘だ。
   君はあの時、古関じゃなくて
   妹を助けるべきだった。
   僕は、今も君を許そうとは思わない」
大塚「……俺の事は、今更どうでもいい。
   だが古関は、あれは、今も悩んでいる」
石塚「…僕が知る事か。
   一生、自責の念にかられるがいいさ」
大塚「石塚」
石塚「…もちろん、公人として彼女を差別する
   つもりはない。
   わきまえているつもりだ」
大塚「……。
   俺は行くよ」
石塚「…逃げるがいいさ。
   だが、加奈子はお前が好きだった」
大塚「…知っている」



***&color(blue){男先生の解説}
大迫「なんだ。
お前も海軍機をみたのか。
空母が近くにいるんだよ。
たんぽぽを動かすには、ちょっとした都市を動かすくらいの電力が必要になる。
この島に原子力発電所をおけばいいだろうが、
まあ、そんな金も無い。
だからな……。
うん?
男先生がなんでこんなことを話すか、か。
島に空母がどんどん集まってきてるだろう。
見物いってたやつらも、いたろう?
あれは日本の保有空母のほとんど、全部だ。
原子力空母だな。
そう。
あのうちの何隻かはたんぽぽを動かすための
電力を供給する手筈になっている」



***&color(blue){海軍の噂}
蔵野「浮かれないで。
どんなに空母や艦隊が来たって、
星を見るのには何の役にもたたない」

石塚「外海はすごい眺めらしい。
100隻を越えているそうだ。
とんでもない大艦隊だな。」

辻野「あんなおっきなケーブル、はじめてみたよ」

大塚「海軍機ってのは格好いいもんだな」

田上「関係ないわ。
私達の出来ることをやるだけよ」

武田「今日辺りから艦隊がでてるらしい。
漁船の操業は、全面禁止になった」



***&color(blue){ホームルーム18}
大迫「空母達の原子炉から電力が供給され始める。
今夜あたりから最終調整開始だ。
うまくやってくれよ。みんな。
さて、ホームルームを始めるぞ」



***&color(blue){ビーコンばらまき}
一方その頃。
その日、太平洋沖の海に、観測機器を積んだブイがばら撒かれました。
動員された航空機は1200機で、
合計10万個のブイがばら撒かれたそうです。
これがたんぽぽの種にあたる眼です。
種が集めた情報はこの島に集められ、
そして解析されることになっていました。



***&color(blue){搬送}
引き上げられた整備場のシャッターから、
白天が顔を出した。
専用の輸送車両の上に横たわり、
ゆっくりとした速度で公道に出る。
その数は、6機。全備重量100t。
当然通った後の道はアスファルトが砕け、立ち、それはすごい状況だった。
時速2kmで、ゆっくりと進み始める。
周りを確認して誘導していた(PC)と(ヒロイン)が、6機全部が整備場から道に乗ったことを確認すると、
走って先頭の車に飛び乗った。
白天1024の上には、(NPC)が
空を向いて寝そべり、
(NPC)や(NPC)、(NPC)、(NPC)
が足を伸ばして並んで座っていた。
「いい眺めだね」 
だれかがそうつぶやいた。
山へ続く長い一本道。右と左は草原のような、
青々とした海がある。
太陽の光が降り注ぐその中を、純白の機体が進むのは絵になった。

大迫「到着まで、後12時間はかかるな」
都「この機体には夕日が、よく似合いそうですね」
大迫「ええ」

白天が、草原の海を、ゆっくり進んでいる。 



***&color(blue){完成直前}
一方その頃。
綺麗な月夜のその下に。
シマシマ3、4匹が、観測するためにリフトアップしたたんぽぽを見上げている。
それだけ。



***&color(blue){完成直前のセリフ}
蔵野「“たんぽぽ”の事だけど。
レンズ、研磨し直したの。
レンズ職人さんたちが手作業でしたけど、
計測したら顕微鏡でもわからないくらいの研磨誤差だったって……。
私たちの子が毎日育ってるみたい。
…なんで照れるの?
ち、違う!
何よっ、その解釈!」
↓
蔵野「あと少しで…多分、最初で最後の観測だ。
…今から心臓が高鳴っている。
落ち着け……落ち着け……落ち着け……」
&color(blue){(大丈夫/なるようになるよ)}
みずほは、泣きそうな目であなたを見た。
蔵野「それじゃ駄目なのよ。
失敗したらもう、次のチャンスは何十年先になるかわからない……」
↓
みずほは、泣き顔です。 
&color(blue){(一人ぼっちじゃないよ)}
「…どうせ、みんなにそう言っているくせに。
でも、ありがとう……。」
&color(blue){(元気出す)}
蔵野「他人事だからって……!
でも、ありがとう……」
↓
あなたは、涙目のみずほの頬に触れました。
蔵野「……! 
…………」
&color(blue){(大丈夫、きっとうまくいく)}
「……。
……ほ、他の人にもそういう事してるんじゃ
ないでしょうね。」
みずほは、あなたをにらんだ後、目を逸らした。
「……ありがとう。」
&color(blue){(落ち着け)}
蔵野「そんな事して落ち着けるわけが……。
あれ、でも前よりいいかも……」

田島「結構様になってきたな、望遠鏡。
しかし、いつになったら“お勤め”が来るんだろうなあ。 
&color(blue){(観測がそれだよ)}
田島「……?
まさか。」
&color(blue){(待つのは慣れている)}
田島「……そうか。
まあ、俺もそうだな。
俺は、俺の一族は代々その時を待っていた。
グレートワイズマンも、罪な事をする。
なんでわざわざ遠まわしに、
世代を重ねさせるのかな」 

辻野「思い出作り、もうすぐだね。
すごくいい事なのに、悲しいのは、
私の心が卑しいせいかな。
&color(blue){(そんな事は絶対にない)}
辻野はあなたの激しい声に、びっくりしている。
「う、うん……。」
&color(blue){(さてねえ)}
辻野「……ごめんなさい」

大塚「……ああ、その、言い忘れていた。
俺は白天のパイロット役だった。
観測のサポートは、任せてくれ。
それと…。
……ありがとう。
今まで楽しかった」

永野「もう少しで完成ですね。
望遠鏡、いや、たんぽぽ。
ちなみに、なんでたんぽぽなんですか?」
&color(blue){(人口衛星をつかうから/花が咲くからさ)}
永野「はあ? ????
いや、そんなに笑わないでも。
わかりました。
では当日の楽しみにしておきますよ」
↓
永野「僕は天文観測して仮に何が映ってもその価値は<へえ>以上にはならないと思いますけど、 
でも、それでもみなさんの成功を祈ってます」

田上「もう少しで望遠鏡の整備ができます。
それができれば、後は、観測だけです。
観測機が一回しか使えないから、チャンスは一度。
……問題は、花が、冷却板が開くかどうか。
いやだな。
失敗したら……本当に嫌だ……」

森「望遠鏡、だいぶ出来てきたよね…。
  もうすぐだ。
  もうすぐ…。」
↓
森「民生機器というか、
  望遠鏡整備するのも楽しいですよね。
  「私、戦争終わったらどうしようって思ってたけど、
  いい事覚えました。」

  &color(blue){(PC青の章キャラ限定)} 
茜「…握手をさせてくれ。
  僕は、本物の天文観測屋と握手がしたい。」
&color(blue){(ありがとう/黙って手を出す)} 
  「観測が成功するかどうかわからないけど、
  僕はここにいれて、嬉しく思う。
  「頑張れ、頑張れ。
  僕は応援してる。」
  &color(blue){(PC青の章キャラ以外)}
茜「もう少しだな。
  黒い月の、観測。
  なんだか、ドキドキしてきた。
  「僕はただの手伝いなのに、変だね。
  「…上手く行くといいな。」

大迫「俺たちが島を離れるのも、もうすぐだな。
向こうで男先生なんか言って、いじめられるなよ。
いいな。
なあに。
お前たちみたいないい子はきっと幸せになる。
男先生が保証する。
……そんな目で俺を見るな。
大丈夫。お前たちはきっとうまくいく。
そんな顔してるとシマシマも笑うぞ」

都「もう、あと少しで、観測ね。
そして、私も、これで本当に独りぼっちになるわ。
……。
先生、どうして生きようかな」



***&color(blue){完成直前2}
試験用の放水が始まっていた。
巨大な能動式望遠鏡、たんぽぽの砲身が見える。
石塚は、後ろ姿を見せたまましゃべり始めた。

石塚「本当は、僕はこの島に戻ってくるつもりは
なかった。
…この島には、嫌な思い出がありすぎる」

はるか上から流れ落ちてくる水を見る。

石塚「…だがそれは、前までの話だよ」

&color(blue){(知っているよ)}
「うまく、隠してきたつもりだったけどね。」

水の流れる音。 

石塚「…今度の観測を、成功させよう。」

&color(blue){(貴方でも、迷うことはあるの?)}
石塚「…たまにはね。
だがそれも、これで終わりだ」

水の流れる音。

石塚「…観測を、成功させよう」


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