&color(blue){※各見出しは攻略本のイベントタイトルより} ***&color(blue){呑天到着} 轟音に空を見上げると、辺りを暗くするほどの 大きさのものが空を飛んでいた。 何百もの飛行機に引かれている。 あれが、白天を打ち上げるための滑走路だろうか。 ***&color(blue){大塚5} 大塚「来たぞ、滑走路。 見に行くか?」 &color(blue){(はい )} 大塚「いい返事だ」 分校唯一の機動車両、 ソーイチロー号で海岸近くの道路を通る。 トンネルを、抜ける。 PC「あー!」 太陽の光を照り返して光る海。 そのはるか洋上に浮かぶ、30万t級の巨大な タンカー2隻に、荷物が乗っていたのである。 大塚「…これが、<呑天>。 全長は1km。 世界最大の無人グライダー。 こいつが滑走路だ。 空中のな。 こいつの下に白天が吊り下げられる」 PC「なんか、柔らかいけどこいつ大丈夫?」 大塚「ソフトスキンだ。 戦車の装甲とは違う」 二人で、二隻のタンカーに橋渡しされている 一機の呑天の主翼の上を歩いていた。 PC「どうやって作ったんだ…、こんなの」 大塚「海の上で、浮かべながら作ったそうだ。 駿河湾は、すごい交通規制だったそうだが。 …明日には牽引用の飛行艇が来る。 海上保安庁から博物館まで、かき集められるだけかき集めてきた奴だ。 100機ぐらいが来るだろう」 PC「…ここまで来れたんだ」 この日は巨人機の翼の上で野球をやりました。 そして一日が終了した。 &color(blue){(いいえ)} 大塚「そうか、残念だな」 ***&color(blue){茜2-1} 「一つ作戦がある。 乗ってみる? &color(blue){(いいよ)} 「そう言うと思った。 じゃ、今から説明する。」 (※)へ &color(blue){(話を聞かせてくれ)} (※) 「天文観測する時間を稼ぐために、 一時的に敵を撃滅するプランを考えた。 「……まあ、芝村の末姫のアイデアの焼き直し だけどね。 「偽情報を流して敵の攻撃を誘発する。 これで、多分一番貴重なその時間を、稼げるはず だ。 「……どうする?」 &color(blue){(乗った)} 「準備しておくよ。」 &color(blue){(いや……やめよう)} 「そうか、すまないな。 僕がなんだか、熱くなっていたのかもしれない。」 ***&color(blue){茜2-2} 「仕掛けてきた。 もう間もなくだろう。」 ***&color(blue){ホームルーム17} 大迫「そろそろ島の沖に、 日本が保有している全部の空母が集まる頃だ。 見に行くのはいいが、腰をぬかすなよ。 護衛艦艇もふくめりゃ200隻を超える。 日本の保有艦艇の8割だ。 さて、ホームルームを始めるぞ」 ***&color(blue){組み立て中3} 大迫「おお」 都「おはよう。みんな。 近いからって、ちゃんとやすまなきゃだめよ」 大迫「少しだけな」 都「もう…。 もう立てるために注水したのね。 最終チェックも、そろそろかしら」 大迫「花は咲きそうか?」 &color(blue){(ええ/まだ不安定な可動部分があります)} 大迫「そうか。 しかしまあ、時間は少ない。 チェックまでふくめてぎりぎりというところか。 ああ、咲くといいなあ。 男先生は、最近そういうことばかり考えているよ。 うまくいくといいな」 都「この白い花、綺麗ね、誰がおいたの? ……誰もいないの?ヘンね……。 いい心配りだと思ったんだけど」 大迫「よし、ホームルームやるからそろそろみんな学校いけ! ……先生も」 都「あ、ごめんなさい。花が気になって」 大迫「誰だっていいじゃないですか。 きっとみんな、俺たちの生徒を応援しているんですよ」 ***&color(blue){海軍機飛翔} あなたが空を見上げると、 ひっきりなしに飛行機が飛んでいた。 海軍機のようだ。 どうも空母が近くの海にいるらしい。 あなたが手を振ると海軍機は機体を傾けて 挨拶して飛び去っていった。 一方その頃 大塚「奇麗じゃないか。 加奈子だったら、この風景をどう思うかな?」 石塚「喜ぶと思うよ。 騒がしいのが好きな娘だったから。 …見せてやりたいな」 大塚「…恨んでいるのか」 石塚「あの時は仕方がなかった。 一人しか助けられない状況だった。 君はベストの判断をしたと思う」 大塚「……嘘だろ?」 石塚「……ああ、嘘だ。 君はあの時、古関じゃなくて 妹を助けるべきだった。 僕は、今も君を許そうとは思わない」 大塚「……俺の事は、今更どうでもいい。 だが古関は、あれは、今も悩んでいる」 石塚「…僕が知る事か。 一生、自責の念にかられるがいいさ」 大塚「石塚」 石塚「…もちろん、公人として彼女を差別する つもりはない。 わきまえているつもりだ」 大塚「……。 俺は行くよ」 石塚「…逃げるがいいさ。 だが、加奈子はお前が好きだった」 大塚「…知っている」 ***&color(blue){男先生の解説} 大迫「なんだ。 お前も海軍機をみたのか。 空母が近くにいるんだよ。 たんぽぽを動かすには、ちょっとした都市を動かすくらいの電力が必要になる。 この島に原子力発電所をおけばいいだろうが、 まあ、そんな金も無い。 だからな……。 うん? 男先生がなんでこんなことを話すか、か。 島に空母がどんどん集まってきてるだろう。 見物いってたやつらも、いたろう? あれは日本の保有空母のほとんど、全部だ。 原子力空母だな。 そう。 あのうちの何隻かはたんぽぽを動かすための 電力を供給する手筈になっている」 ***&color(blue){海軍の噂} 蔵野「浮かれないで。 どんなに空母や艦隊が来たって、 星を見るのには何の役にもたたない」 石塚「外海はすごい眺めらしい。 100隻を越えているそうだ。 とんでもない大艦隊だな。」 辻野「あんなおっきなケーブル、はじめてみたよ」 大塚「海軍機ってのは格好いいもんだな」 田上「関係ないわ。 私達の出来ることをやるだけよ」 武田「今日辺りから艦隊がでてるらしい。 漁船の操業は、全面禁止になった」 ***&color(blue){ホームルーム18} 大迫「空母達の原子炉から電力が供給され始める。 今夜あたりから最終調整開始だ。 うまくやってくれよ。みんな。 さて、ホームルームを始めるぞ」 ***&color(blue){ビーコンばらまき} 一方その頃。 その日、太平洋沖の海に、観測機器を積んだブイがばら撒かれました。 動員された航空機は1200機で、 合計10万個のブイがばら撒かれたそうです。 これがたんぽぽの種にあたる眼です。 種が集めた情報はこの島に集められ、 そして解析されることになっていました。 ***&color(blue){搬送} 引き上げられた整備場のシャッターから、 白天が顔を出した。 専用の輸送車両の上に横たわり、 ゆっくりとした速度で公道に出る。 その数は、6機。全備重量100t。 当然通った後の道はアスファルトが砕け、立ち、それはすごい状況だった。 時速2kmで、ゆっくりと進み始める。 周りを確認して誘導していた(PC)と(ヒロイン)が、6機全部が整備場から道に乗ったことを確認すると、 走って先頭の車に飛び乗った。 白天1024の上には、(NPC)が 空を向いて寝そべり、 (NPC)や(NPC)、(NPC)、(NPC) が足を伸ばして並んで座っていた。 「いい眺めだね」 だれかがそうつぶやいた。 山へ続く長い一本道。右と左は草原のような、 青々とした海がある。 太陽の光が降り注ぐその中を、純白の機体が進むのは絵になった。 大迫「到着まで、後12時間はかかるな」 都「この機体には夕日が、よく似合いそうですね」 大迫「ええ」 白天が、草原の海を、ゆっくり進んでいる。 ***&color(blue){完成直前} 一方その頃。 綺麗な月夜のその下に。 シマシマ3、4匹が、観測するためにリフトアップしたたんぽぽを見上げている。 それだけ。 ***&color(blue){完成直前のセリフ} 蔵野「“たんぽぽ”の事だけど。 レンズ、研磨し直したの。 レンズ職人さんたちが手作業でしたけど、 計測したら顕微鏡でもわからないくらいの研磨誤差だったって……。 私たちの子が毎日育ってるみたい。 …なんで照れるの? ち、違う! 何よっ、その解釈!」 ↓ 蔵野「あと少しで…多分、最初で最後の観測だ。 …今から心臓が高鳴っている。 落ち着け……落ち着け……落ち着け……」 &color(blue){(大丈夫/なるようになるよ)} みずほは、泣きそうな目であなたを見た。 蔵野「それじゃ駄目なのよ。 失敗したらもう、次のチャンスは何十年先になるかわからない……」 ↓ みずほは、泣き顔です。 &color(blue){(一人ぼっちじゃないよ)} 「…どうせ、みんなにそう言っているくせに。 でも、ありがとう……。」 &color(blue){(元気出す)} 蔵野「他人事だからって……! でも、ありがとう……」 ↓ あなたは、涙目のみずほの頬に触れました。 蔵野「……! …………」 &color(blue){(大丈夫、きっとうまくいく)} 「……。 ……ほ、他の人にもそういう事してるんじゃ ないでしょうね。」 みずほは、あなたをにらんだ後、目を逸らした。 「……ありがとう。」 &color(blue){(落ち着け)} 蔵野「そんな事して落ち着けるわけが……。 あれ、でも前よりいいかも……」 田島「結構様になってきたな、望遠鏡。 しかし、いつになったら“お勤め”が来るんだろうなあ。 &color(blue){(観測がそれだよ)} 田島「……? まさか。」 &color(blue){(待つのは慣れている)} 田島「……そうか。 まあ、俺もそうだな。 俺は、俺の一族は代々その時を待っていた。 グレートワイズマンも、罪な事をする。 なんでわざわざ遠まわしに、 世代を重ねさせるのかな」 辻野「思い出作り、もうすぐだね。 すごくいい事なのに、悲しいのは、 私の心が卑しいせいかな。 &color(blue){(そんな事は絶対にない)} 辻野はあなたの激しい声に、びっくりしている。 「う、うん……。」 &color(blue){(さてねえ)} 辻野「……ごめんなさい」 大塚「……ああ、その、言い忘れていた。 俺は白天のパイロット役だった。 観測のサポートは、任せてくれ。 それと…。 ……ありがとう。 今まで楽しかった」 永野「もう少しで完成ですね。 望遠鏡、いや、たんぽぽ。 ちなみに、なんでたんぽぽなんですか?」 &color(blue){(人口衛星をつかうから/花が咲くからさ)} 永野「はあ? ???? いや、そんなに笑わないでも。 わかりました。 では当日の楽しみにしておきますよ」 ↓ 永野「僕は天文観測して仮に何が映ってもその価値は<へえ>以上にはならないと思いますけど、 でも、それでもみなさんの成功を祈ってます」 田上「もう少しで望遠鏡の整備ができます。 それができれば、後は、観測だけです。 観測機が一回しか使えないから、チャンスは一度。 ……問題は、花が、冷却板が開くかどうか。 いやだな。 失敗したら……本当に嫌だ……」 森「望遠鏡、だいぶ出来てきたよね…。 もうすぐだ。 もうすぐ…。」 ↓ 森「民生機器というか、 望遠鏡整備するのも楽しいですよね。 「私、戦争終わったらどうしようって思ってたけど、 いい事覚えました。」 &color(blue){(PC青の章キャラ限定)} 茜「…握手をさせてくれ。 僕は、本物の天文観測屋と握手がしたい。」 &color(blue){(ありがとう/黙って手を出す)} 「観測が成功するかどうかわからないけど、 僕はここにいれて、嬉しく思う。 「頑張れ、頑張れ。 僕は応援してる。」 &color(blue){(PC青の章キャラ以外)} 茜「もう少しだな。 黒い月の、観測。 なんだか、ドキドキしてきた。 「僕はただの手伝いなのに、変だね。 「…上手く行くといいな。」 大迫「俺たちが島を離れるのも、もうすぐだな。 向こうで男先生なんか言って、いじめられるなよ。 いいな。 なあに。 お前たちみたいないい子はきっと幸せになる。 男先生が保証する。 ……そんな目で俺を見るな。 大丈夫。お前たちはきっとうまくいく。 そんな顔してるとシマシマも笑うぞ」 都「もう、あと少しで、観測ね。 そして、私も、これで本当に独りぼっちになるわ。 ……。 先生、どうして生きようかな」 ***&color(blue){完成直前2} 試験用の放水が始まっていた。 巨大な能動式望遠鏡、たんぽぽの砲身が見える。 石塚は、後ろ姿を見せたまましゃべり始めた。 石塚「本当は、僕はこの島に戻ってくるつもりは なかった。 …この島には、嫌な思い出がありすぎる」 はるか上から流れ落ちてくる水を見る。 石塚「…だがそれは、前までの話だよ」 &color(blue){(知っているよ)} 「うまく、隠してきたつもりだったけどね。」 水の流れる音。 石塚「…今度の観測を、成功させよう。」 &color(blue){(貴方でも、迷うことはあるの?)} 石塚「…たまにはね。 だがそれも、これで終わりだ」 水の流れる音。 石塚「…観測を、成功させよう」 [[天体観測6へ>天体観測6]]