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竜造寺紫苑(キャラ) - (2007/01/16 (火) 01:21:04) の編集履歴(バックアップ)



「大変なことになったな……。
 どうしよう。
 ああ、僕は、
 竜造寺 紫苑(りゅうぞうじ しおん)
 いや、もう貴方は隊長ですね。
 我々は……どうしたものでしょうか。
 ……本当に生き残ることなんか、出来るのでしょうか。


「……最近、眠れないんです。
 死ぬのが現実味を帯びてくると、結構きますね。
 みんな、どうなんだろうなぁ……。


竜造寺 紫苑は手紙を読んでいます。
あ、破り捨てた。

「父親からです。
 ……僕は、あの人が嫌いなんです。
 外面ばっかりで利権にまみれて……親父殿が
 政治家じゃなかったらと、いつも思ってました。
 政治家の多くが世襲になって貴族化したら、
 幕藩連合時代に逆戻りですよ。


 一方その頃 
竜造寺 紫苑は自分の鵺をかわいがっている…。

「おいで、ジジ。かわいいね。
 はは。こら、よせったら。
 駄目だろ?よし。


「良く父親から、不良と付き合うなと言われまし
 た。不良のことをどれだけ知ってるんだと言い
 返しましたけど。
 ……その不良が、こうしてこの国の良心の体現
 のように、捨てられた人々を守っているという
 所までは予見してませんでしたけどね。
 ははは」


「最近、眠れないんです。
…薬は飲んでいるんですが、どうも…
なんというか、敵に囲まれているというのは、
…なんというか…怖いですね。
補給が必要なのも、ここで守らなければなら
ない人々がいるのも分かるけれど、
山岳騎兵としての利点…
森林や山岳での運用柔軟性を、自分達で放棄
してるんじゃないかと、そう思えてならない
んです」


「…いや、結局、僕は生き残りたいだけか。
くそ。みんなのように、なりたいのに…」

「……父親の次は母親か。家に帰れだって?どうやって!?
……まったく、親というものは……。」
(心配してくれていいじゃないか。)
「……隊長の両親は……?
ああ、いえ、すみません。立ち入ったことでした。
……こういうのはありがたいとは思いますが、恥ずかしいですね。」

(うざいよな。)



「……隊長は、すごいな。
僕は死ぬのが怖い。夜が眠れないくらいに。
でも隊長は、いつも平然としている。
死など、別の世界の出来事のように……。
僕もそうなりたい。どんなに不利でも
仲間を見捨てない、そんな人間になりたい。」


竜造寺 紫苑は一人言をつぶやいています。
「大事なものなんか、何もないのに、なんで
こんなに死ぬのが嫌なんだろう。
……皆はなんで、あんなに死に簡単に慣れていく
んだろう。
くそ……。くそ……。」


「……隊長と……ふっ。
君といると、不思議な気分になるよ。
……相変わらず死ぬのは怖いし、死に慣れること
もない、睡眠不足はひどくなる一方だけど……。
だけど、悪い気分じゃない。」


「自分が頼りなくて駄目な事くらい、
良く知っている。能力はともかく、精神では
とても、皆にはかなわないことも……。
でも、だからといってそれは仲間を見捨てていい
理由にはならない。
親の力を使うなんてなおさらだ。
それは駄目だ……それだけは。
そんなことをし始めたら、世界は闇に包まれる。
この世に光がなくなってしまう……。
なにより……。」

紫苑は貴方を見ました。
じっと見ています。
そして、そのまま去っていきました。



伯爵「○○。
お前に通信だ。
ふん。政治家でお偉いさんからだ。
今そっちにまわす」

ブンッ

竜造寺父「君が部隊の隊長かね。
……よし。
時間がないんだ。手短に話す。
わしの息子を、家に帰して欲しい。
代わりの人員と、たっぷりの補給をくれてやる。
だから、紫苑を、わしの息子を家に帰してくれ。」

(本人に聞いてみます)
「……それは了解したと受け取っていいわけだな。
分かった。
君の名前を覚えておこう。
生き残ったら悪いようにはせん。」

通信は切れた。

伯爵「……やれやれ。困ったものだな。
こっちは戦争をしているというのに。」

(他の家の子はどうでもいいのか)



竜造寺 紫苑に父親からの連絡の話を
きかせますか

(はい)
「……を……ぇ。」

竜造寺 紫苑はつぶやいている。
怒りで声が震えていたのか、声は次第にはっきり
してきた。

「恥を知れ。仲間を見捨ててどこに行けと?
その先にあるのは後悔で、さらにその先にある
のは地獄じゃないか!?
たかがこの一生ごときで、友人が購えると親父殿
はそんな風に考えているのか……。
だとしたら、だとしたら……そんなものは親でも
なんでもない!息子の幸せを願うなら、
戦死公報を待てと返事してください!
失礼する!!」

(いいえ)


竜造寺 紫苑は貴方を見ると、心の底から幸せそうに微笑んだ。


「誇りって奴はいくつもの夜と涙を食って育つものだよ。僕は、そう思う。今の自分が誇らしく思えるのは、それはきっと、誰かに負けない夜を越えてきた自負があるからだと思う……。僕は、……君に釣り合うくらいの誇りが欲しい。そのためにあといくつの夜を越えるべきか分からないけれど……。」


「……そう言えば、ヘリって思ったより揺れるし、音うるさいんだよ。
 頭の上に大きな扇風機がついているんだから仕方ないことだろうけど。
 もし運がよければ、皆で乗る事になると思うから。その時は、いいものをあげるよ。」
(そりゃ楽しみだ)
(んじゃ、生き残らないとな)
「うん、そうしてくれ。
 …僕は、仲間が死ぬところを見に来たんじゃない。
 それを、阻止するために戻ってきたんだ。だから…生き残ろう、お互いに。
 僕だけが生き残っても、君だけが生き残っても、仕方がない。
 二人で、皆で生き残るんだ。」


*1
ヘリに乗るのは初めてじゃなかったんですが、
まあ、映画になった時みたいに感動的じゃなかったですよ。

―山岳騎兵の言葉

その日、撤退を支援するヘリの群れが来た日、貴方は最後のヘリに乗って、なるべく下を見ないように真っ直ぐ壁を見ていた。
正面に、同じようにしている竜造寺 紫苑の姿が見えた。
(確かにひどい乗り物だなこりゃ)
大きな音でよく声は聞こえなかったが、
紫苑は表情で意味をわかったようだった。
にっこり笑って、口を開いた。
「だろ!?」
紫苑は、ポケットから何かを取り出して
貴方に投げました。
耳栓でした。
自分でも耳栓をつけながら、紫苑は真顔になって言いました。
「前にヘリに乗った時、
 こいつがあればいいのにって思ってたんだよ。
 ああ、皆の分もあってもう配ってる。
 …これを言う為に僕が戻ってきたと知ったら、
 みんな、どう思うかな。
   (なんだって! よく聞こえない)
   (お前、いいやつだよ!!)
   紫苑は耳栓をした自分の耳を指差すと、
   ウインクしてみせました。
(そういやさ何くれるの?)



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