ところで、何も出来ない夜という時間を過ごしていると、わだかまりという糸玉が喉のあたりで引っかかっているような、咳をしても痰が切れないときのような嫌な感じがする。このままいつまでも喉に違和感を覚えながら過ごすのだろうかと思ってしまう。朝にはすっきり喉が晴れていれば、夜の嫌な感じなど忘れてしまえるのだが、朝起きて顔を洗っても歯を磨いても喉の深いところに異物が引っかかっていると感じられてしまうときは最悪だ。
 もしかしたら私の言葉は発せられないのではないか。自分では声を出しているのに誰の耳にも私の言葉はもしかしたら聴こえないのではないか。
 誰かに発する言葉が届くことがないと知ったとき、私は項垂れてすごすごと背走することになるのだろうか。
 交感出来ないと感じられる夜がある、としたら、それはどの夜だろうか。
 それでは何も変わらない

最終更新:2007年04月29日 20:33