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EarthTunnel - (2009/04/10 (金) 06:58:37) の1つ前との変更点
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*地球を貫通するトンネル内の落下運動
&italic(){「地球の中心を通って真裏まで貫通するトンネルが掘れたら、なかに落としたものはどんな運動をするか?」}
現実的には不可能だが、力学の思考実験として、面白い問題である。よく質問されるので、理論上の解を例示する。
仮定として
-地球の密度は球対称とする。
-空気力は考えない。(トンネル内は真空)
-トンネル壁面との摩擦もない。
-自転の影響を無視。
つまり、地球内部で生じる重力のみで、自由落下した運動として考える。
ちなみに、自転を考慮したとしても、コリオリ力で壁面に押しつけられる力が発生するが、壁面との摩擦ゼロを仮定してるかぎり、影響はない。
**運動方程式
時刻$$t$$における物体の位置を、地球中心から出発点へ向けて$$x$$とする。
この点の地球中心からの距離は$$r=\left| x \right|$$である。
万有引力定数を $$G = 6.67300 \times 10^{-11} {\rm m^{3}/s^{2}kg}$$
地球の半径を $$R = 6371 {\rm km}$$
とする。
#image(fig.png)
球対称な質量分布の場では、質点に働く万有引力は、原点からの距離$$r$$の仮想的な球の内部にある質量が、すべて原点に集中している場合と等しくなる。$$r$$より外側の質量の影響は、ちょうどうち消し合う。
>証明は省略する。積分するとそうなる。大学の物理でよくある例題である。ついでに、これもよくある質問であるが、地球の内部が球対称な空洞だったら、中心のみならず空洞全域で無重力になる。
中心から$$r$$の点での密度を$$\rho \left( r \right)$$とすると、$$r$$より内側の質量は、
$$m \left( r \right) = \int_0^r {4\pi s^2 \rho \left( s \right)ds}$$
であるので、その点での重力加速度は、
$$g \left( r \right) = \frac{G m \left( r \right)}{r^2}$$
これらを用いて、運動方程式は、
$$\ddot x = - g \left( r \right)$$
となる。
(説明、書きかけ。とりあえずグラフ)
**地球の密度が均一の場合の解析解
地球の質量
$$\frac{d^2 x}{dt^2} = - g \left( r \right)$$
$$g_0 = g \left( R \right) = \frac{G M}{R^2} = 9.8 {\rm m/s^2}$$
$$m \left( r \right) = \frac{4}{3} \pi r^3 \rho$$
$$M = m \left( R \right) = 5.974 \times 10^{24} {\rm kg}$$
$${\bar \rho} = \frac{3M}{4\pi R^3} = 5.515 {\rm g/cm^3}$$
$$g\left( r \right) = \frac{4}{3}\pi G r \rho = \frac{r}{R} g_0$$
$$\frac{d^2 x}{dt^2} = - \frac{g_0}{R}x$$
$$x = R \cos \left( {\sqrt{\frac{g_0}{R}} t} \right)$$
**地球内部の密度分布モデル(PREM)を使用した数値解
#image(density.png)
以下、赤線はPREMの密度分布を用いた数値解、青線は密度均一モデルの解析解。
**ある半径以内の質量
右上(地表)で5.974e24 kg
#image(mass.png)
**地球内部の重力加速度
右上(地表)で9.8m/s2
#image(gravity.png)
**位置の変化
#image(position.png)
周期
赤 4582秒(76.36分)
青 5061秒(84.34分)地表すれすれの人工衛星の周期と同じ
**速度変化
#image(velocity.png)
地球中心を通過するとき最大
赤 9.92km/s
青 7.91km/s(第一宇宙速度と同じになる)
----
**参考
-[[ウィキペディア「地球」>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83]]
-[[標準地球モデル(PREM)>PREM]]
*地球を貫通するトンネル内の落下運動
&italic(){「地球の中心を通って真裏まで貫通するトンネルが掘れたら、なかに落としたものはどんな運動をするか?」}
現実的には不可能だが、力学の思考実験として、面白い問題である。よく質問されるので、理論上の解を例示する。
仮定として
-地球の密度は球対称とする。
-空気力は考えない。(トンネル内は真空)
-トンネル壁面との摩擦もない。
-自転の影響を無視。
つまり、地球内部で生じる重力のみで、自由落下した運動として考える。
ちなみに、自転を考慮したとしても、コリオリ力で壁面に押しつけられる力が発生するが、壁面との摩擦ゼロを仮定してるかぎり、影響はない。
**運動方程式
時刻$$t$$における物体の位置を、地球中心から出発点へ向けて$$x$$とする。
この点の地球中心からの距離は$$r=\left| x \right|$$である。
万有引力定数を $$G = 6.67300 \times 10^{-11}$$ m&sup(){3}/s&sup(){2}kg
地球の半径を $$R = 6371$$ km
とする。
#image(fig.png)
球対称な質量分布の場では、質点に働く万有引力は、原点からの半径$$r$$の仮想的な球の内部にある質量が、すべて原点に集中している場合と等しくなる。$$r$$より外側の質量の影響は、ちょうどうち消し合う。
>証明は省略する。積分するとそうなる。大学の物理でよくある例題である。ついでに、これもよくある質問であるが、地球の内部が球対称な空洞だったら、中心のみならず空洞全域で無重力になる。
中心から$$r$$の点での密度を$$\rho \left( r \right)$$とすると、$$r$$より内側の質量は、
$$m \left( r \right) = \int_0^r {4\pi s^2 \rho \left( s \right)ds}$$
であるので、その点での重力加速度は、
$$g \left( r \right) = \frac{G m \left( r \right) \left( r \right)}{r^2}$$
これらを用いて、運動方程式は、
$$\frac{d^2 x \left( t \right)}{dt^2} = - g \left( r \right), x \left( 0 \right) = R$$
となる。
**地球の密度が均一の場合の解析解
地球の密度分布が均一の場合、簡単に解析解が得られる。
地球の質量 $$M = m \left( R \right) = 5.974 \times 10^{24}$$ kg
平均密度 $${\bar \rho} = \frac{3M}{4\pi R^3} = 5.515$$ g/cm&sup(){3}
であるので、$$r$$より内側の質量は、
$$m \left( r \right) = \frac{4 \pi r^3}{3} {\bar \rho} = M \left( \frac{r}{R} \right)^3$$
$$g\left( r \right) = \frac{G m \left( r \right)}{r^2} = \frac{G M r}{R^3}$$
ここで、地表での重力加速度が、
$$g_0 = g \left( R \right) = \frac{G M}{R^2} = 9.8$$ m/s&sup(){2}
であること使って、
$$g\left( r \right) = \frac{g_0 r}{R}$$
つまり、地球内部の重力加速度は、中心からの距離に比例することになり、運動方程式は、
$$\frac{d^2 x}{dt^2} = - \frac{g_0}{R}x$$
これは、単振動の運動方程式であるので、一般解は
$$x \left( t \right) = R \cos \left( {\sqrt{\frac{g_0}{R}} t} \right)$$
となる。
この単振動の周期は、
$$P = 2 \pi \sqrt{\frac{R}{g_0}} = $$ 5061秒(84.34分)
これは高度0の人工衛星の軌道周期と等しくなる。
約42分後に地球の反対側のトンネル出口にちょっと顔を出し、約84分後に入口に戻ってくる。
最高速度は地球の中心を通るときで、
$$V_max = \sqrt( g_0 R) = 7.9$$ km/s
これは第一宇宙速度と等しくなる。
(ここまで。説明、書きかけ。)
**地球内部の密度分布モデル(PREM)を使用した数値解
#image(density.png)
以下、赤線はPREMの密度分布を用いた数値解、青線は密度均一モデルの解析解。
**ある半径以内の質量
右上(地表)で5.974e24 kg
#image(mass.png)
**地球内部の重力加速度
右上(地表)で9.8m/s2
#image(gravity.png)
**位置の変化
#image(position.png)
周期
赤 4582秒(76.36分)
青 5061秒(84.34分)地表すれすれの人工衛星の周期と同じ
**速度変化
#image(velocity.png)
地球中心を通過するとき最大
赤 9.92km/s
青 7.91km/s(第一宇宙速度と同じになる)
----
**参考
-[[ウィキペディア「地球」>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83]]
-[[標準地球モデル(PREM)>PREM]]