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個体間変動のつけ方 - (2006/04/20 (木) 22:09:54) のソース

 個体間変動 η は基本的に,PK パラメータ (CL, V, KA, Tlag, ...) それぞれにつき 1 つずつ付与させる.
 たとえば,CL について考えると,CL の母集団平均値 (Typical Value) を TVCL,個人の値を CL とすると,

 CL = TVCL + ETA(1)

等となる.V,KA 等についても同様である.

 ここで,TVCL が体重 WT とクレアチニンクリアランス CCR の影響を受けるものとする.すなわち,

 TVCL = WT * THETA(1) + CCR * THETA(2)

という関係が認められるものとする.このとき,個体間変動 ETA はどこに付与させるのが正しいだろうか?
 答を標語的に言うならば,「ETA は THETA にではなく,PK 基本パラメータに付与させる」ということになる.つまり,

 TVCL = WT * THETA(1) + CCR * THETA(2)
 CL   = TVCL + ETA(1)

と考えるべきであって,

 CL1 = WT * THETA(1) + ETA(1)
 CL2 = CCR * THETA(2) + ETA(2)
 CL   = CL1 + CL2

とすべきではない.これは書き直すと

 CL = WT*THETA(1) + CCR*THETA(2) + ETA(1) + ETA(2)

となっており,ETA(1) と ETA(2) の区別はつけられないことがわかるであろう.

 では,次の場合はどうだろうか.

 CL1 = WT * THETA(1) * (1 + ETA(1))
 CL2 = CCR * THETA(2) * (1 + ETA(2))
 CL  = CL1 + CL2
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