原著論文
Intensive lipid lowering with simvastatin and ezetimibe in aortic stenosis.
Rossebo AB, et al. N Engl J Med, 2008 Sep 2;359:1343-56.
論文の背景
大動脈弁狭窄症は75才以上では3-5%の有病割合。
高脂血症は大動脈弁狭窄のリスクファクターとして示唆されている。脂質低下をみた研究では意見の衝突する研究結果が出ている。
疑問のタイプ:治療
論文デザイン:RCT
論文のPECO
- P(patient):軽度~中等度の無症候性大動脈弁狭窄のある患者 1873人
平均67.5才、男性約61%、BMI31、平均血圧145/82、T.CHO 222, LDL 140, HDL 58
- E(Exposure):シンバスタチン40mg+エゼチミブ10mg/日 944人
- C(Comparison):プラセボ 929人
- O(Primary Outcome):複合エンドポイント(心血管由来の死亡、大動脈弁置換術、非致死的心筋梗塞、不安定狭心症での入院、心不全、CABG、PCI、非出血性脳卒中)
二次アウトカム:大動脈弁狭窄に関連したイベントと虚血性心血管イベント
論文の妥当性
- ランダム化か?:されている
- ITTか?:されている
結果(一次アウトカムについて)
追跡期間の中央値52.2か月
- 一次アウトカムとその他のイベントに関する両群の比較
|
シンバスタチン+エゼチミブ群944人 |
プラセボ群929人 |
ハザード比(95%CI) |
NNT(95%CI) |
| 一次アウトカム |
333人(35.3%) |
355人(38.2%) |
0.96(0.83~1.12) |
有意差なし, P=0.59 |
| 大動脈弁置換術 |
267人(28.3%) |
278人(29.9%) |
1.00(0.84~1.18) |
有意差なし |
| 虚血性心血管イベント |
148人(15.7%) |
187人(20.1%) |
0.78(0.63~0.97) |
23(13-101) |
| 全死亡 |
105人(11.1%) |
100人(10.8%) |
1.04(0.79~1.36) |
有意差なし |
補足
シンバスタチン・エゼチミブ群でがんが多い(105 vs. 70, p=0.01)
スタチンはガンを増やす、増やさないという議論が昔からなされていた。エゼチミブ単独に関しても同様の議論があり。その2剤を併用しているので、よけいにあやしい…
偶然なのかもしれないが、さらなる調査が必要そう。
最終更新日 2008.12.17
評価者 DK
最終更新:2008年12月17日 22:09