- 「Evidence-based Medicine 根拠に基づく医療」の誕生
1991年 ACP Journal clubにMcMaster大学のGorden Guyattが、'Evidence-based Medicine(EBM)'と題する小論を掲載(70才の鉄欠乏性貧血の患者へのアプローチの仕方を紹介したもの)1)。
背景として、「医療の質」に対する意識の高まりがあった。
その後、'Evidence-based'の考え方が急速に浸透。
Evidence-Based Medicine Working Groupが結成され、1993~2000年までJAMAにユーザーズガイドを掲載した。
Evidence-based medicine(EBM)とは、研究結果からの最善のエビデンス(research evidence)と、臨床的な専門技能(clinical expertise)および患者の嗜好・価値観(patient preference and values)を統合するものである。
これら3つの要素を統合したとき、臨床医と患者は診断・治療を進めるにあたって、臨床のアウトカムとQOLを最善のものとするような協力関係を気づくことができる。By David L. Sackett
その後(2002年)、この3つの要素に加えて臨床現場の状況・環境(clinical state and circumstances)が追加されて、4つの統合ということになっている。
医療者の中には、「良い臨床研究を見つけて医療をマニュアル化することがEBMである」といった間違った考えが広まった時期がある。また研修医教育でも、エビデンスをまとめた二次資料を読んで、そこに書いてあることをそのまま実行することがEBMであるかのように教えられている現場もまだまだ多いようである。
research evidenceはEBMの一要素にしか過ぎない。それのみを信じて行う医療はEBMといっても'Evidence-biased medicine'(根拠がバイアスとなる医療)である。他の要素も同じくらいに考慮して行ってこその'Evidence-based medicine'である。
1) Gorden Guyatt, et al. Evidence-based medicine. ACP Journal Club. 1991 Mar-April;114:A-16.
2) Sackett DL, et al. Evidence-Based MEDICINE EBMの実践と教育.エルゼビア・サイエンス
3) R Brian Haynes, et al. Physicians' and patients' choices in evidence based practice. BMJ 2002;324;1350.
最終更新:2008年09月06日 13:08