情報源は、一次情報と二次情報に分けられる。
一次情報・・・ピアレビュー誌に掲載された原著論文が代表。検索源としてPubmed、医中誌などがある。
二次情報・・・一次情報の集約によってつくられた情報。システマティックレビューや診療ガイドライン、UpToDateやClinical evidenceなどがある。
EBMのステップ2では情報収集をするが、そのときに役に立つ情報源を知っておくと大変便利である。
従来の情報源では不十分なものが多かった。教科書は時代遅れであったり、専門家は間違いが多かったり、教授が講義するような医学教育は効果がなかったり、医学雑誌は臨床へ応用するには量が半端でなく妥当性にばらつきが多すぎたりした。
二次情報であるエビデンスに基づく雑誌の創刊、インターネット普及による情報をすぐに提供できるシステムの構築などにより、最新・最善のエビデンスとなる情報の見つけ方はずいぶん変わってきている。
現代において信頼できる教科書(情報源)であるには、次のような条件があげられる。
- 頻繁に更新されていること(少なくとも年に1回)
- 各セクションに更新日が記載されていること
- 多くの文献を引用、明記していること
- 明確な原則に従って、記述を裏付けるエビデンスが選択されていること
忙しい臨床家にとって妥当性や関連性が高く、労力の少ない情報源はEBM実践のためにかかせないものである。
EBMの手法に基づき批判的吟味の済んでいる文献を集めて作られた二次情報は、その条件にとても近い。
ステップ3にかける時間を減らすこともでき、EBM実践を容易にする。
以下にEBM実践に役立つ二次情報をいくつか紹介する。
- 米国の主要学会が共同制作する電子教科書(英語)
- 1992年に腎臓病学、高血圧からスタートし、現在は多くの領域をカバーしている。
- 定められた雑誌の文献はすべて確認するなどといった一定の基準を設けている。
- 教科書的な要素もあり、background questionにも答えてくれる。
- 不十分なエビデンスしかなく、コンセンサスが得られていない場合は、その旨が明記されている。
- 年3回更新され、CD、インターネット、PDAでも利用可能。
- 疾患に対するエビデンスをカテゴリーごと(頻度、病歴、身体所見、治療、予後)にまとめた電子教科書(英語)
- 頻繁に更新され、最新の論文が1週間前後で内容に反映されることもある。
- 疾患から疑問をたどる場合にはUpToDateよりも使いやすい。
- インターネット、PDAで利用可能
- BMJとACPにより1999年に創刊され、現在はBMJ単独で運営している。
- 日常的に頻度の高い健康問題の治療に対するエビデンスを簡潔に要約している。
- 問題指向型エビデンス集で、エビデンスの有無は明確に書かれている。
- 治療に関して、自分の疑問がはっきりしている場合にはとても使いやすい。
- 年3回更新され、インターネット、書籍、PDAで利用可能。(少し古くなるが、日本語版もあり)
- おもにInfoPOEMsとInfoRetrieverからなる。
- InfoPOEMsは、毎月100誌以上のジャーナルからPOEMs(Patient Oriented Evidence that Matters : 患者志向の重要エビデンス)に重点を置いてつくられた良質な臨床情報の概要である。
- InfoPOEMsの情報は、DailyPOEMsとしてユーザーへメール配信される。
- InfoRetrieverはEBM実践に役立つ臨床支援ツールで、InfoPOEMs Databaseの他にいくつかのデータベースを収録する。
- 診断に関する感度、特異度、尤度比がまとまっており、診断に関する情報を得たいときにはとても有用である。
- インターネットやPDAで利用可能。
最終更新:2008年09月08日 23:50