忙しい診療の合間にEBMを実践していこうと思うと、原著論文よりも最新のエビデンスをまとめた二次情報を利用することの方が実際には多いであろう。ただし、よい原著論文を読むことは、その時代に疑問となっているトピックを知ることができ、また自らが臨床研究をしてみようと考えている場合にとても良い見本になる。時間があるときには、ぜひ原著論文にまであたってみることをおすすめする。
ただし、せっかく読んだ論文を読みっぱなしにしておいてはもったいない。貴重な時間とエネルギーを割いて論文の批判的吟味をしたのだから、他の人にも分かる形式でまとめておきたい。
臨床上の疑問に焦点を絞ってエビデンスを簡単な形に要約したものをCritically Appraised Topics: CATという。臨床現場でよくであう疑問について作成していけば、ちょっとした自作エビデンス集ができていく。また同じ疑問に出くわしたときに簡単に振り返ることができるであろう。
- CAT (Critically Appraised Topics)とは?
CATとは「批判的に吟味されたトピックの要約」という意味である。Sackettの臨床チームの研修医が、エビデンスを標準化した1ページの要約にまとめることを考案し、「CAT」と呼んだのが始まりのようである。
CATを使うことによって、批判的吟味の結果を他の人と共有したり、後になっても利用できる形で保存したりすることができる。またCATを作成することでEBMを学んでいく機会にもなる。ただしCATが間違っていることがありうるということ、新しいエビデンスが出れば不要なものになるという点には注意しておくべきである。自分の作ったCATには作成日・署名(評価者名)をつけておいた方がよい。
CATまとめ形式
| ・タイトル |
| ・参考文献(原著論文名) |
| ・論文のタイプ(頻度、診断、治療、予防、予後、副作用、コスト) |
| ・論文のデザイン(メタ分析、ランダム化比較試験、コホート研究、ケースコントロール研究) |
| ・論文のPECOの要約 |
| ・妥当性(ランダム化か、ITT解析か、盲検化、フォローアップ率など) |
| ・結果(一次アウトカムについて) |
| ・補足(二次アウトカム、副作用など) |
| ・作成日、評価者名 |
David L. Sackett:Evidence-Based Medicine EBMの実践と教育,エルゼビア・サイエンス,2003.
名郷直樹:EBM実践ワークブック,南江堂,1999.
名郷直樹:続EBM実践ワークブック,南江堂,2002.
最終更新:2008年09月11日 20:42