原著論文
Randomised trial of a perindopril-based blood-pressure-lowring regimen among 6105 individuals with previous stroke or transient ischaemic attack.
Lancet. 2001 Sep 29;358(9287):1033-1041.
Pubmed
疑問のタイプ:治療
論文のデザイン:RCT
論文の背景
脳卒中で毎年500万人の人が亡くなり、脳血管疾患は全世界の死因で2番目に多い。毎年少なくとも1500万人の非致死的脳卒中がおこり、そのうち1/3は寝たきり状態になる。脳卒中をして生き残った人やTIAをおこした人は脳卒中の超ハイリスクであり、5年以内に6人に1人は脳卒中をおこす。この研究は脳卒中やTIAの既往のある患者に、ルーチンに降圧療法をすることの効果と安全性についての不確かさを解決するために行われた。
論文のPECO
- P(patient):脳卒中かTIAの既往(過去5年以内)のある6105人
平均64才(女性30%、アジア人39%)、喫煙者20%、
糖尿病13%、冠疾患16%
平均血圧147/86、
高血圧患者48%、降圧剤治療を受けている人50%。
- E(Exposure):積極的な降圧治療(perindopril 4mg/日+医師の判断でindapamide 2.5mg/日(日本では2mg/日)追加)(3051人)
- C(Comparison):プラセボ(3054人)
- O(Primary Outcome):全脳卒中(致死的もしくは非致死的)
論文の妥当性
- ランダム化か?:されている。
- ITTか?:されている。
- マスキング:二重盲検
結果(一次アウトカムについて)
平均フォローアップ期間は3.9年。治療群のうち、58%は2剤併用療法、42%はperindopril単剤療法。
治療群全体で平均9.0/4.0血圧低下(2剤併用:12.3/5.0、単剤:4.9/2.8)(高血圧群:9.5/3.9、非高血圧群:8.8/4.2)
- 一次アウトカムの比較(平均3.9年でのイベント発症率)
| 降圧治療群 |
プラセボ群 |
RRR(95%CI) |
NNT(95%CI) |
| 10.06%(307/3051) |
13.75%(420/3054) |
0.73(0.64~0.84) |
28(19~49) |
補足
Major Vascular Events・・・治療群458/3051、プラセボ群604/3054(RR0.74(95%CI:0.66~0.84))
全死亡・・・治療群306/3051、プラセボ群319/3054(RR0.96(95%CI:0.82~1.12))(有意差はなし)
- 高血圧患者でも非高血圧患者でもStroke発症とMajor Vascular events発症を抑制(サブグループ解析)
Stroke・・・高血圧群でRR0.68(95%CI:0.56~0.83)、非高血圧群でRR0.73(95%CI:0.58~0.92)
Major Vascular events・・・高血圧群でRR0.71(95%CI:0.60~0.84)、非高血圧群でRR0.76(95%CI:0.63~0.91)
- 2剤併用療法と違い、perindopril単剤療法では脳卒中の発症にプラセボと有意差は出なかった。(ACP-JCも参照)
Stroke・・・併用群でRR0.57(95%CI:0.46~0.70)、単剤群でRR0.95(95%CI:0.77~1.19)
Major Vascular events・・・高血圧群でRR0.60(95%CI:0.51~0.71)、非高血圧群でRR0.96(95%CI:0.80~1.15)
ACPの
コメントでは、indapamide単独治療で脳卒中再発を29%減らした他のトライアルをあげて、全ての脳卒中患者は利尿剤で治療し、ACE阻害薬の追加を考慮すべきと記載あり。
途中で内服中断したのは治療群23%、プラセボ群21%。特に非高血圧患者で差があり(25%と20%)
咳による中断(治療群2.2%プラセボ0.4%)、低血圧による中断(治療群2.1%プラセボ0.9%)
perindopril投与で3例の血管浮腫が報告されたが、死亡したり挿管まで至る例はなかった。
最終更新:2008年09月27日 18:41