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高血圧症患者の冠疾患イベントにCa拮抗薬、ACE阻害薬とサ系利尿剤は同等の効果(ALLHAT) 2002年 JAMA 治療 RCT

原著論文

Major outcomes in high-risk hypertensive patients randomized to Angiotensin-converting enzyme inhibitor or Calcium channel blocker vs Diuretic: The Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT).
JAMA. 2002 Dec 18;288(23):2981-2997.  Pubmed

疑問のタイプ:治療


論文のデザイン:RCT


論文の背景

降圧剤により高血圧に関連した死亡率は低下するが、高血圧の初期薬物療法の理想的な選択は分かっていなかった。SHEP研究以降、いくつかの新しいクラスの降圧剤が使われるようになり、ACEIやCCBsが心血管イベントを減らすということがプラセボを対照とした研究でしめされた。(Syst-Eur、HOPE、PROGRESS)冠疾患リスクへの降圧剤の比較ははっきりしていなかった。Doxazocin(αブロッカー)はClorthalidoneより劣っていることが分かり早期に試験終了となった。

論文のPECO

  • P(patient):高血圧(ステージ1or2)と少なくとも一つの他の危険因子をもった55才以上の患者33357人
危険因子:6ヵ月以上前の心筋梗塞の既往、心電図か心エコーで示される左室肥大、2型糖尿病、現在の喫煙、HDL-C<35mg/dl、他の動脈硬化性心血管疾患(症候性心不全の入院歴か治療歴、EF35%未満の場合は除外)
患者背景:平均67才、女性47%、血圧平均146/84、BMI平均29.7、2型糖尿病36%、喫煙者22%、心筋梗塞か脳卒中の既往23%
  • E(Exposure):①amlodipine(ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤) 2.5-10mg/day (n=9048)
          ②lisinopril(ACE阻害剤) 10-40mg/day (n=9054)
  • C(Comparison):chlorthalidone(サイアザイド系利尿剤) 12.5-25mg/day(n=15255)
  • O(Primary Outcome):致死的冠疾患と非致死的心筋梗塞をあわせたもの
二次アウトカム:全死亡、脳卒中、複合冠疾患イベント(致死的冠疾患+非致死的心筋梗塞+冠再環流、入院した狭心症)、複合心血管イベント(複合冠疾患イベント、脳卒中、入院なしに治療された狭心症、心不全、末梢動脈疾患)

論文の妥当性

  • ランダム化か?:されている。
  • ITTか?:されている。
  • マスキング:二重盲検

結果(一次アウトカムについて)

 平均フォローアップ期間は4.9年。脱落率それぞれ3%程度。              
  • 一次アウトカムの比較(6年間100人年でのイベント発症率)
Amlodipine群 Lisinopril群 Chlorthalidone群 RR(95%CI) NNT(95%CI)
11.3% 11.5% 0.98(0.90~1.07) 有意差なし
11.4% 11.5% 0.99(0.91~1.08) 有意差なし

補足(①Amlodipine vs. Chlorthalidone、②Lisinopril vs. Chlorthalidone)

  • Secondary endpoint
 全死亡に関して有意差なし、①はRR0.96(95%CI:0.89-1.02)、②はRR1.00(95%CI:0.94-1.08)
 ①Amlodipineで心不全が多い(RR1.38(95%CI:1.25-1.52))致死的・入院が必要な心不全が多い(RR1.35(95%CI:1.21-1.50))
 ②Lisinoprilで脳卒中が多い(RR1.15(95%CI:1.02-1.30))複合心血管イベントが多い(RR1.15(95%CI:1.02-1.30))
  (収縮期血圧の差が2群間の脳卒中の発症率の差になった可能性が高い!?、Lisinopril群はChlorthalidone群より収縮期血圧が2mmHg高かった(特に、黒人はACE阻害薬は効きにくい))
  • 薬副作用
Ca拮抗剤(特にジヒドロピリジン系)では癌や胃腸出血や全死亡のリスクを上げるかもしれないという危惧がされていたが、ALLHATではそのような結果は出なかった(3群間で有意差なし)。
血管浮腫はLisinoprilで多い傾向(Chlorthalidoneで0.1%未満、Lisinoprilで0.4%(有意差あり、p<0.001)。
低カリウム血症(K<3.5)、新規糖尿病発症(FPG≧126)はChlorthalidoneで他2群より多かった(フォローアップ2年目,4年目)。
高脂血症(T.Cho≧240)もChlorthalidoneで多い傾向(完全な有意差はなし)。(これらの代謝系の違いが、より心血管イベントを増やしたり、より死亡率を上げたりしたりという結果にはならなかった)。
低カリウム血症には注意!死亡率上げるデータあり。5年目時点でChlorthalidone群の約8%がカリウム補給を受けていた。
  • 薬の値段(2006年時点)
 Chlorthalidone(ハイグロトン)50mg錠で12.7円
 Amlodipine(ノルバスク、アムロジン)2.5mg錠46.6円5mg錠87.5円
 Lisinopril(ロンゲス、ゼストリル)5mg錠45.6円10mg錠70.9円20mg錠156.1円
 値段考えるとChlorthalidoneが第1選択か!?


  • 最終更新日 2008年9月19日

  • 評価者 DK
最終更新:2008年09月27日 18:58
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