原著論文
Effect of intensive blood-glucose control with metformin on complications in overweight patients with type 2 diabetes.(UKPDS 34)
The Lancet, 1998 Sep 12;352(9131):854-865.
Pubmed
疑問のタイプ:治療
論文のデザイン:RCT
論文の背景
2型糖尿病患者では、インスリンやSU剤による積極的血糖コントロールが微小血管疾患の進行を減らし、同様に心臓発作のリスクも減らすかもしれない。この研究では、メトホルミンを使った積極的な血糖コントロールが特に優れているか劣っているかを調べたものである。
これ以前にはUGDP studyでPhenforminが使われたが、プラセボよりも心疾患からの死因が増え、インスリンとプラセボの併用よりも全死亡が増えていた。おまけに乳酸アシドーシスに死亡が一例あった。(metforimnはphenforminより10-20倍乳酸アシドーシスが少ない。)
論文のPECO
- P(patient):新規2型糖尿病患者(3867人)
新しく2型糖尿病と診断され、3ヵ月の食事療法後の空腹時血糖が6.1-15.0mmol/L(110-270mg/dl)の肥満患者(理想体重の120%以上)
平均53才、男女比47:53、BMI31台(54%は30以上)、血圧140/85程度、喫煙者25-30%程度、HbA1c7.1-7.3%
- E(Exposure):メトホルミンを用いて空腹時血糖6.0mmol/L以下を目標に積極的血糖コントロール群(342人)
- C(Comparison):(1)第一に食事による従来型治療群(411人)
(2)他剤による積極治療群(chlorpropamide265人、glibenclamide277人、インスリン409人)
①あらゆる
糖尿病関連エンドポイント(突然死、高血糖・低血糖からの死、致死的・非致死的心筋梗塞、狭心症、
心不全、脳卒中、腎不全、少なくとも一指の切断、硝子体出血、光凝固の必要な網膜症、一眼の失明、白内障摘出術)
②糖尿病に関連した死亡(心筋梗塞、脳卒中、末梢血管疾患、腎臓病、高血糖・低血糖からの死亡、突然死)
③全ての死亡
論文の妥当性
- ランダム化か?:されている。
- ITTか?:されている。
結果(一次アウトカムについて)
平均フォローアップは10.7年間、フォローアップ率は97%。
- 従来型治療(Conventional)との比較・・・フォローアップ10年間の平均HbA1cメトホルミン群7.4%、従来群8.0%
|
Metformin |
Conventional |
RRR(95%CI) |
NNT(95%CI) |
| あらゆる糖尿病関連end point |
29% |
39% |
26%(10-40) |
10(6-29) |
| 糖尿病に関連した死亡 |
8% |
13% |
39%(6-60) |
19(10-138) |
| 全死亡 |
15% |
22% |
32%(8-51) |
14(8-67) |
|
Metformin |
多剤Intensive |
RRR(95%CI) |
NNT(95%CI) |
| あらゆる糖尿病関連end point |
29% |
37% |
22%(7-36) |
12(7-43) |
| 全死亡 |
15% |
20% |
27%(3-45) |
19(10-172) |
補足
体重増加、低血糖発作はメトホルミン群と従来治療群で少なかった。
- SU剤治療中の患者にメトホルミンを追加した場合 なぜかリスク上昇・・・糖尿病関連死が1.96倍に(95%CI:1.02-3.75)
(解釈)患者層の違い? 平均年齢が5才高い、より高血糖である、体重過多の人が少ない、平均フォローが5年未満、イベント発症数がやや小さい
最終更新:2008年09月27日 19:35