原著論文
Inhaled anticholinergics and risk of major adverse cardiovascular events in partients with chronic obstructive pulmonary disease.
Sonal Singh, et al. JAMA 2008 Sep 24;300(12):1439-50.
Pubmed
論文の背景
吸入抗コリン薬(ipratropium bromideかtiotropium bromide)はCOPDのある患者に広く使われているが、心血管系アウトカムへのリスクの大きさは不明である。
疑問のタイプ:副作用
論文のデザイン:メタ分析
論文のPECO
- P(patient):COPDのある患者14783人
17トライアルに含まれる14783人(追跡期間6週~5年)
- E(Exposure):吸入抗コリン薬(ipratropium bromideかtiotropium bromide)
- C(Comparison):プラセボ
- O(Primary Outcome):心血管死(突然死をふくむ)+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中(TIAふくむ)
二次アウトカム:全死亡
論文の妥当性
- 情報収集(網羅的、系統的か)?:MEDLINE、Cochrane(CDSR)から検索。アメリカFDAを含むいくつかのウェブサイトを検索。未出版データも調べた。対象は英語論文に制限されている。
- 採用基準(明確で妥当か)?:Reviewerは2人、独立した評価。
結果(一次アウトカムについて)
|
吸入抗コリン薬群 |
プラセボ群 |
RR(95%CI) |
NNH |
| 心血管死+心筋梗塞+脳卒中 |
1.81%(135/7472) |
1.16%(86/7311) |
1.58(1.21-2.06) |
174(75-1835) |
| 心血管死単独 |
0.93%(57/6156) |
0.50%(31/6220) |
1.80(1.17-2.77) |
234(139-763) |
| 心筋梗塞単独 |
1.25%(68/5430) |
0.83%(43/5168) |
1.53(1.05-2.23) |
238(125-2900) |
| 脳卒中単独 |
0.55%(25/4548) |
0.38%(18/4703) |
1.46(0.81-2.62) |
有意差なし |
人年法だと吸入抗コリン薬で、心筋梗塞のNNH約174(95%CI, 75-1835/年)(文中記載)
心血管死のNNH約40(95%CI, 18-185)(文中記載)
補足
- 二次アウトカム:RR1.26(95%CI, 0.99-1.61)で有意差はなし(P=0.06)
- 感度分析
長期間投与(>6ヶ月)RCTのみで一次アウトカムを比較すると有意差あり。RR1.73(95%CI, 1.27-2.36)
短期期間投与(<26週)のRCTのみで一次アウトカムを比較すると有意差なし。RR1.16(95%CI, 0.67-2.01)
吸入tiotropium(>6ヶ月投与):RR2.12(95%CI, 1.22-3.67)
吸入ipratropium(>6ヶ月投与):RR1.57(95%CI, 1.08-2.28)
最終更新:2008年10月05日 12:05