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心房細動のある患者の脳卒中予防には、抗血小板療法より抗凝固療法のほうが有効 1999年 Ann Intern Med 予防 メタ分析

原著論文

Antithrombotic therapy to prevent stroke in patients with atrial fibrillation: a meta-analysis.
Hart RG, et al. Ann Intern Med. 1999 Oct 5;131(7):492-501. Pubmed

論文の背景

メタ分析:心房細動を持った患者の脳卒中予防に対する、抗凝固療法と抗血小板療法の効果と安全性について

疑問のタイプ:治療


論文のデザイン:メタ分析


論文のPECO

  • P(patient):心房細動をもつ患者(人工弁膜やMSのある患者は除く)
 1989-1999年の16のトライアルに含まれる9874人(平均フォローアップ期間1.7年)

  • E(Exposure):①量を調節されたワーファリン ②抗血小板薬(アスピリンのみ or 全ての抗血小板薬) ③量を調節されたワーファリンの投与

  • C(Comparison):①プラセボ ②プラセボ ③他の抗凝固療法(アスピリン etc.)

  • O(Primary Outcome):全ての脳卒中(抗凝固療法のイベントへの複合効果(例えば脳卒中+心筋梗塞+血管死)、年齢や性差への効果は言及されていない)

論文の妥当性

  • 情報収集(網羅的、系統的か)?:コクランのStroke review groupの調査戦略を使ってRCTを集めた。OVID/MEDLINEを使用。
  • 採用基準(明確で妥当か)?:Reviewerは2人、独立した評価。

結果(一次アウトカムについて)

  • 一次アウトカムの比較(年間イベント発症率の比較)
Warfarin群 Aspirin群 プラセボ群 RRR(95%CI) ARR
2.21% 6.03% 0.62(0.48~0.72) 3.1%
6.26% 8.04% 0.22(0.02~0.38) 1.7%
2.59% 3.96% 0.36(0.14~0.52) 0.8%
年間発症率は人年法から算出、RRR・ARRは本文中の記載より抜粋

<無治療時の全脳卒中年間発症率>
一次予防 リスク低:1%、中:3.5%、高:6% 二次予防:12%
ワーファリンを千人年投与したとき、一次予防 リスク低:6↓、中;21↓、高:36↓
                 二次予防:72↓(72↓は1000人に1年間ワーファリン投与して72人の脳卒中を減らすという意味)
アスピリンを千人年投与したとき、一次予防 リスク低:2↓、中:7↓、高:12↓ 二次予防:24↓
低リスク:65才未満で危険因子なし、中リスク:糖尿病,冠動脈疾患,65-75才、高リスク:左室機能障害、75才以上、高血圧

補足

①Warfarin vs placebo
平均年齢69才(75才以上は約20%)、女性29%、高血圧症45%、脳卒中・TIAの既往20%
ワーファリン投与で(年間)、一次予防:RRR59%、ARR2.7%/年、NNT37 二次予防:RRR68%、ARR8.4%/年、NNT12
disabling stroke(寝たきりになるような脳卒中)に対してRRR59%、nondisabling stroke RRR61%
虚血性脳卒中のみでは、ワーファリン投与でRRR65%(95%CI:52-74%)
全死亡率はワーファリン投与によりRRR26%(95%CI:4-43%)、ARR1.6%/年
最初の1.5年のフォローで20%超がワーファリンを中断しており、多くの老人では継続困難な場合もあり、長期間では同等の効果はないのかもしれない。

②Aspirin vs placebo
平均年齢70才(75才以上は約33%)、女性38%、高血圧症46%、脳卒中・TIAの既往40%
アスピリン投与で(年間)、一次予防:ARR1.5%/年、NNT67 二次予防:2.5%/年、NNT40
寝たきりになる脳卒中ではRRR17%(有意差なし,P>0.2)、非寝たきり脳卒中ではRRR62%と効果に質的違いがある。
全死亡率はアスピリン投与による有意差は出ず。RRR16%(95%CI:-5~33%)
アスピリンで減少する脳梗塞の多くは、重大な機能障害を残す心原性脳塞栓ではなく、比較的軽症のラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞であると思われる。

  • 最終更新日 2008.9.19
  • 評価者 DK
最終更新:2008年10月07日 22:43
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