原著論文
Meta-analysis: Effect of Long-Acting β-Agonists on severe asthma excerbations and Asthma-related deaths.
Shelley R. saltpeter, et al. Annals of Internal Medicine 2006; 144 : 904-912.
Pubmed
論文のタイプ
副作用
論文のデザイン
メタ分析
論文のPECO
19研究の33826人が評価された(16848人年)。すべてがプラセボ対照ランダム化二重盲検法で、ITTにて解析された。
17研究はLABAを製造している製薬会社がスポンサーについており、全研究で必要に応じて短時間作用型β刺激薬が使われた。
平均観察期間6.0ヵ月(範囲:3~12ヵ月)。平均サンプルサイズ1780人(範囲:110~26353人)
- E(Exposure):長時間作用型β刺激薬(LABA)
LABAにはsalmeterol(セレベントR)、formoterol(アトックR)、eformoterolが使われた。
平均年齢37.2才、男性51.2%、脱落率20.3%、吸入ステロイド併用率53.9%
- C(Comparison):プラセボ(2371人)
平均年齢37.7才、男性50.2%、脱落率22.6%、吸入ステロイド併用率53.2%
- O(Outcome):喘息増悪による入院、挿管や換気を要する生命にかかわる喘息増悪、喘息に関連した死亡
論文の妥当性
MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochraneデータベース上で、1966年から2005年12月までの時期で、LABAを使用した患者のRCTを検索した。言語については英語・英語以外を問わなかった。同様に、FDAウェブサイトからの関連ファイルも検索し、未出版データへも対応した。
プラセボとLABAを比較したもので、少なくとも3ヶ月以上の観察期間のものを採用。2人のreviewerがそれぞれの研究を方法論的な質で評価した(ランダム化か、割付けは隠蔽されているか、二重盲検か、脱落や中止群が記載されているか、ITTされているか)。このメタ分析を行うのに、公共団体や製薬業界からの後援は受けていない。
結果
喘息増悪による入院(実数):LABA群3083人中53人、プラセボ群2008人中12人
生命を脅かす喘息増悪(実数):LABA群15443人中50人、プラセボ群14538人中25人
喘息関連死(実数):LABA群13174人中13人、プラセボ群13179人中3人
| 結果 |
研究数 |
実数イベント(LABA群) |
実数イベント(プラセボ群) |
OR(95%CI) |
ARI(%)(95%CI)(補正後) |
| 喘息増悪による入院 |
12(5091人) |
1.72% |
0.60% |
2.6(1.6~4.3) |
0.7(0.1~1.3) |
| 生命を脅かす喘息増悪 |
7(29981人) |
0.32% |
0.17% |
1.8(1.1~2.9) |
0.12(0.01~0.3) |
| 喘息関連死 |
1(26353人) |
0.10% |
0.02% |
3.5(1.3~9.3) |
0.07(0.01~0.1) |
OR:Odd ratio(オッズ比)、ARI:Absolute risk increase(絶対リスク増加)
<補足>
小児OR3.9(95%CI:1.7~8.8)、成人OR2.0(95%CI:1.0~3.9)(2群間の有意差はなし、P=0.22)、salmeterol OR1.7(95%CI:1.1~2.7)、formoterol OR3.2(95%CI:1.7~6.0)(2群間の有意差はなし、P=0.109)
吸入ステロイド併用率が75%以上の研究(9研究、平均90%)でも、入院リスク増加が見られた。(OR2.1(95%CI:1.3~3.4))
LABAによる受容体刺激で受容体の脱感作や下方制御がされ、βアドレナリン作動系に負のフィードバックがかかり喘息コントロールを悪化させるのかもしれない。
β刺激薬の定期的な使用が気管支過敏性を上昇させるというデータがある。
最終更新:2008年10月08日 16:45