画面キャプチャや挿絵を作成する場合の留意点。
ひとつの記事(書籍&シリーズ)では、キャプチャ環境の統一は必須。使用しているOSはもちろん、ブラウザやアプリケーションのバージョンも途中で変更しない。
#長い連載の場合は例外もあり。
また、対象読者層にもよるが、基本は、ブラウザやアプリケーションは特別なプラグインなどを適用していない初期状態であること。
とりあえず本文の中にキャプチャや挿絵を挟んで満足してしまう、ということは意外と多い。しかし、キャプチャや挿絵は、あくまで本文の理解を助けるための仕掛けだ。キャプチャ、挿絵に基づいて、本文を膨らめなければ意味がない。
本文からなんの言及もされていないキャプチャ、挿絵はNG。
たとえば"Hello, World!!"サンプルの結果を表わすために、余白のいっぱい空いたブラウザ画面を取るべきではない。
空白部分はまったく意味のないものであるし、重要な箇所にフォーカスしたい場合にもオリジナルの図が大きいと拡大もしにくい。
それぞれの状況に応じてウィンドウサイズを調整する、必要な部分のみをトリミングするなどの方法を検討されたい。
#ただし、編集部によってはトリミングは編集時に行うので、トリミングなしのキャプチャが欲しいといわれることもあるので、要注意。
キャプチャ上、(たとえば)ブラウザやコマンドプロンプトのキャプチャがあまりにまちまちなのは美しくない。前項のルールを意識しつつも、その範囲でできるだけサイズ(特に横幅)は揃えるのが望ましい。
特に、ボタンクリック前後のキャプチャなど、並べて掲載されるようなキャプチャはできるだけサイズをそろえるべきである。
手順解説に主眼を置いた記事(特に書籍)は除く。
誌面が限られた雑誌などでは、キャプチャは必要最小限のものに留めるのが望ましい。
たとえば、操作前後で表示が変化するサンプルの結果を表すのに、必ずしも前後のキャプチャが必要かどうか。操作後のキャプチャだけで十分にその内容を表現できる場合には、前後のキャプチャを見せる必要はない。
Web記事でも同様。必要なキャプチャを無理に削減する必要はないが、必要以上に多いキャプチャは文章をぶつ切りにし、却って記事を読みにくくする恐れがある。
キャプションは最大でも30文字程度に収めるべき。あくまでタイトルであって、説明ではないからだ。最も大切なキーワードがひとつ含まれていれば十分。説明が必要であれば、本文で!
記事の体裁によっては、キャプションに図の説明などを加えることができる場合もある。しかし、その場合も説明そのものは必要最小限に留め、せいぜい40文字程度に留めるべき。
また、その場合もキャプションの説明はあくまで補足として考えるべきだ。たとえ内容が重複しても、本来説明すべきことは本文で扱うのが基本。
キャプションに説明を委ねて、本文では何も触れていないという記事は多いので要注意。
キャプションはできるだけ具体的にしたい。たとえば、サンプルの実行結果を表すキャプチャのキャプションにしても、ただ単に「実行結果」とするよりも「ボタンをクリックすると、検索結果を表示」のようなものが望ましい。
挿絵(PPT)は、ほとんどの出版社でデザイナによってリライトされた上で使用される。
よって、素人の我われが妙に細かい見栄えにまで拘る必要はない、とにかく正確に何を表わしたいのか伝えること。
極論、○と□だけの図でも良いのだ。
特定のイメージを表したい場合も、「~のようなイメージで」と言葉で補足すれば良い。
難しい曲線を描くために、あるいは、イメージにマッチした図を探すために時間を費やすのはあまりに勿体ない。
もし面倒くさいならば、PPTではなく手書きのものを提出しても構わない(ただし、書き直しが発生した場合に修正がききにくい、図が汚い場合にそれはそれで誤解の元となる、などから、個人的には推奨しない)。
#補足。ただし、一部のWeb媒体では著者が提出した挿絵をそのまま利用している場合もある。そのようなケースでは、上記のルールは当てはまらない。
これは意外とやりがちなので注意。
たとえば、私が経験のあるのは、歯車の図を表わすために、Office内のクリップアートを使用した――しかし、その中に人間の影が描かれていたのだ。
そのときはまったく気にしていなかったのだが、リライトされた挿絵を見ると、歯車と人間の影まで正確に再現されているではないか!
デザイナは多くの場合、図の内容にまでは理解が及んでいない。
そこに書かれた内容がなにも考えずにそのまま再現されてしまうことも多々ある。
クリップアートを使用しているときには、なるべく本論とは関係ない物体が含まれていないシンプルな図を使用するべきだ。