新ジャンル『魔王』

ガキィン!ズガガガァァァン!!ドッグォォォォォン!!……シュババ!カッ!!!
女「………………………!!」
男「………………………」ピタァッ!
女「……命乞いはせぬ。殺せ」
男「………お前の首を取るために世界中を旅して、俺にもわかったことがある。今魔物に襲われている街や村は、もともと
  魔物が住んでいた場所を人間が拓いて住み始めたらしいってことだ。彼らは、住処を追われ取り戻そうとして暴れていたんだ…」
女「それがどうした。至極当然のことだろう?我ら魔族の行動も…貴様ら人間の行動も」
男「俺はそうは思わない。なんで見てくれが違うだけで、魔族たちとは共に住めないんだ?言葉はちゃんと通じるのに。
  実際、お前たち魔族と共生していた土地もあったんだ。できないことじゃない。そして魔王、お前だって……」
女「………………………お前は、なにを」
男「お前は魔族の王だ。その首が打ち取られたとなれば、もうあとには引けない。魔族との全面戦争になるだろう。
  あるいは、俺を導いた神のご加護とやらは、最初からそれが狙いだったのかも知れんがな」
女「我を、殺さないのか」
男「俺もお前もやれることがまだあるだろう。決闘に打ち勝った者として命じる。俺の旅に同伴し、魔族と人間の争いを解決する手伝いをせよ。
  幸いお前は一見、普通の女の子だ。一緒に旅をしても、なんとかなる」
女「………………舐められたものだ。しかし、死人は口をきかぬ。曲りなりにも王として、これ以上恥をかくわけにはゆくまいな」

………………

男「おい、女。くっつきすぎだぞ」
女「何を申すか。我と貴様は『駆け落ちした恋人』じゃぞ。くっつかんでどうする♪」
男「それはさっきの街での設定だろう。もう街道に出たんだから、別にもういいんだよ」
女「断る。我はこれが気に入った。よし、接吻しよう接吻」
男「……なんだかなぁ。お前、一応魔王だろう。なんだその体たらくは」
女「貴様こそなんだその体たらくは。剣の一振りで龍の首を落とす兵(つわもの)が、よもや乙女の身体ひとつ支えられんのか?
  フン、恋人同士と名乗り、同じ部屋に泊まりながら夜這いもせなんだ貴様のことよ。腑抜けめ」
男「だから嘘設定になんでそこまでこだわる?ほら。次は色町ギオーンの妖孤キュウビノキツネだぞ。ちゃんと説得できるんだろうな」
女「キュウビ……!?い、いかん!キュウビはいかん!他のに変えろ!」
男「何で。そんなに手ごわいのか?手もつけられないのか」
女「いや、あやつはむしろ人間を惑わすのが趣味で……と、とにかく!我は行かぬ!」
男「そうか。魔王がいれば説得はかなり楽になるんだが。仕方が無い。俺だけで」
女「だぁぁぁ!!行く!やはり我も行くぞ!!」
男「さっきから何焦ってるんだ?」
女「だ、だってあやつの乳房は反則―――」
男「乳房………ああ、なるほど」
女「貴様!今我の胸元を見て笑ったろう!許せぬ万死に値する!!消し炭となれ無礼者がぁぁぁぁぁ!!!」
男「一瞬で劫火の魔法を紡いだ!?強くなってないかおま………ぎゃああああ!!」チュドーーーーン!!

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最終更新:2007年07月27日 01:44
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