うん
分かってる、あの人がいない時だけだって事
わたしの想いは、本当は、伝わってないって事
それなのに
そんなに真っ赤な顔をして
うっすら汗まで浮かべて
息も絶え絶えで、
そうしてわたしの名前を呼ぶのですか?
ずるいよね、こんな時だけ
あの人がいたら絶対こんな事しないでしょう?
でもいいの
今だけはあなたはわたしのものだから
あらあら
はしたないよ
そんなに大きな声だして
うふふ
そうよね
一緒にいきたいのよね
もうこんなにギリギリだものね?
でも
ここでわたしがあなたを突き放したら
どんな顔するかな?
びっくりするだろうな
それも見てみたいな
でもそれは今度にしてあげるね、
だって、だって、そんなに切ない顔するんだもの
だから、待っててあげる
わたしが抱き締めてあげる
大丈夫、飛び込んでおいで、一緒に...
一緒に行こうね
「さくらちゃん!」
「ふぁあ!小梅ちゃっんぶぶっ...う、はぁ、はぁ、はぁ、...う、んん..はぁ」
胸が熱い
あなたの熱いからだを抱いているから
あなたの鼓動を感じてるから
あなたの汗をにおいを感じるから
知ってる?
わたしの身体の中、きっともっともっと熱くなってるよ?
「ふあ、ふう、ふー..」
『はいはい、落ち着いた?はい、これ』
「あ、ありがとう..ふー...はぁ。
って、小梅ちゃん!なんでウーロン持ってるの?」
『だってさくらちゃん寝坊してくると思ったもん、この電車に乗れなかったら遅刻だもの。
さくらちゃんって、先輩がいないとダメダメだよね』
「え?ひょっとして待っててくれてたの?!ごめーん!ごめんねぇ。
ホントわたし伸に...先輩がいないとどうも気が抜けて...ダメだなぁ。
でも小梅ちゃんが引っ張ってくれて助かったよ、ありがとう」
『うん、でも危ないから次ぎはちゃん起きてよ?今度は置いて行くからね?ホントだよ?』
「うーんごめん...気をつけます」
新ジャンル
「駆け込み乗車は危険です」
最終更新:2007年07月29日 13:20